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魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
2章 放たれた魔銃と幸運の石
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41 教授に教授する

 僕はエムルライド教授に会う前に、研究所に立ち寄った。

 事件現場の確認をしてみたが、証拠品は倉庫に持ち出されているため、部分的に焼けた跡があるだけだった。

 ここで得られる物は無い。

 ついでにちょっとした小道具として使うため、僕は自分の研究成果を持ち出した。

 そして教授がいる王立エスファーン記念大学へ向かった。


 大学は教育区画にあり、研究区画の隣にある。

 入るのは初めてだ。

 色々な教育施設が建ち並び、この国の教育水準の高さを表している。

 教育区画だけで、僕が前にいた町がすっぽり入ってしまうんだから。


 受付で教授の所在を尋ねると、僕とセフィリアさんは応接室に通された。

 しばらく待っているとドアがノックされ、受付の人に案内された人物が入ってきた。

 そして初老で強面の男が入ってきた。


「お初にお目にかかる。

 大学で教授を務めているエムルライドだ。」


「王国政戦略統括室統括魔術顧問付オキスです。」


 やった、噛まなかった。


「クルデウス卿の指示でジェイソン氏の事件の調査をしています。」


「そうか、それはご苦労だな。

 事件の当日、私はジェイソンと研究発表会に関する話をしたが、その時はいつも通りだったぞ。」


 僕が突っ込んで聞く前に教授はその日のことを話した。


「私が帰った後に起きた事件について聞かれても、話せることはこのぐらいだ。」


「あの日、教授は魔銃をご覧になりましたか?」


「ああ、あの下らない研究か。

 確かに見たがそれがどうした。」


「所長から説明を受けるときに触ったりしていませんか?」


「魔銃の説明など受けておらんよ。

 興味がないものにいちいち触れたりせん。」


 教授はつまらなそうな表情で語った。


「ではこういうのはどうですか?」


 僕は持ってきた袋の中から、電球を使ったランプを取り出した。

 布で包んでいたのでそれを開いて教授に差し出した。


「僕の研究成果です。

 私的なことで申し訳ないのですが、大学の権威である教授に見てもらいたくて。

 火や魔力を使わずに発光させる装置です。

 この部分を押してみてください。」


 教授はつまらなそうにスイッチを押す。

 そしてその顔が驚愕の表情に変わる。


「なっ。

 これは火では無いのか?

 魔力も使っていないというのか?」


「電気というエネルギーを使っています。

 この国ではまだ一般的ではないようですが。」


「電気だと?

 いったいどういうことだ。」


 さっきまでつまらなそうに受け答えをしていた教授が身を乗り出してくる。


「申し訳ありません。

 まだ事件の調査中でした。

 興味を持っていただいて幸いです。

 また次の機会にお話が出来ればと思います。」


 教授は引き留めようとしたが、セフィリアさんが上手く断ってくれた。

 そして僕は大学を後にした。


 大学での目的は達成した。

 次は師匠に話を聞かなければならない。

 僕の予想通りだとするのなら、知っていて黙っていたんだろう。

 優しそうな顔をしているのに人が悪い。




 迷わない探偵無双になってきた。


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