表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
2章 放たれた魔銃と幸運の石
36/263

36 紙に書いてある神について

 空いた時間に王立図書館に通い始めた。

 この世界に転生して六年、僕はずっと辺境で暮らしていたせいで社会常識に欠けている。

 世界の歴史、文化、科学、足りない物だらけだ。

 とにかく片っ端から吸収していかなければならない。


 まず歴史だ。

 世界標準で使われている年号は顕神歴(けんしんれき)というものだ。

 もちろん国ごとに違う年号が使われているんだけど、面倒くさいから端折る。

 現在は顕神歴1330年。

 この国の建国が顕神歴948年なので400年近い歴史を持つことになる。

 最大勢力を誇るオブリエン帝国が成立するのが顕神歴1022年。

 王国は大国の中では最も古株のようだ。


 この顕神歴というのは、人間の前に神が降誕したとする日が元になっている。

 神話の時代が千年以上前にあったようだ。

 この国の神話では、神は魔族から人間を救い、そして神の国へ帰っていったことになっている。

 その時、自分がいなくても魔族と戦えるように、神の残滓という力を人間に残していったという。

 その力を最も強く受け継いだ一族から、勇者という存在が生まれるらしい。


 神の名残は遺跡として残っており、世界各地に点在している。

 遺跡の一つはこの国にも残っており、教会が管理している。

 見学可能なら見てみたい。

 伝承によると遺跡の封印を解くことによって、再び神が人間を救いに来るんだそうだ。

 いつか封印を解く力を持つ者が現れ、顕神が成るという。


 人間サイドから魔族は徹底的に悪役だ。

 魔族に良いイメージを持つ人間などまずいないだろう。

 僕でさえも悪いイメージしか無い。

 フードの怪しい奴とか最悪だ。

 うちの母も凄まじい迷惑を人間にかけている。

 親の迷惑をお詫びに回りたい気すらする。


 最近の世界情勢は残念ながら図書館で調べることは出来なかった。

 書籍になっていないのだ。

 帝国の首都は魔王によって陥落させられているはず。

 こういうのは酒場とかに行った方が分かるのかもしれない。


 科学についても色々と調べてみた。

 機械工学に関して、車輪や歯車などは一般に普及している。

 水車や風車を使った農業機械は普通に存在するようだ。

 デイボンでは見かけなかったけどね。


 燃料としての油は動物性、植物性など一般で各種使われている。

 石炭は火力を必要とする鍛冶の燃料としては使われているけれど、それ以外では使っていないようだ。

 もちろん蒸気機関は存在しない。

 黒い水との記述で石油であろうものも見つけた。

 燃えるという以外詳しい文献が見当たらないので、活用はされていないのだろう。

 ちなみに火薬はまだ発明されていない。

 正確には火薬らしき物を使っている文献は発見した。

 でも小国の古い時代の話に出てくるだけで、作り方も載っていない。


 なんだかんだでモノはある。

 材料を一通りかき集めたら、産業革命レベルには持って行けそうだ。

 蒸気機関を作っていっそ発電機を作るとか、夢が色々膨らむ。

 モールス信号通信機もあっさり出来たし、もしかしたらやりたい放題かもしれない。


 全然話は変わるけど、最近何故か尾行されているような気がする。

 同じ人物じゃないんだけど、同じような挙動をする人をよく見かけるんだよね。

 あれは交代で僕を監視しているんじゃないのかな。

 図書館に来るときも見つからないようにしながら付いてきた。

 まあ、実際は僕に気がつかれているんだけどね。

 そういえば発明を見せたときに所長に気をつけるように言われたっけ。

 また誘拐されるのは勘弁してもらいたいと思う。




 産業革命無双・・・出来そうな気がする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ