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魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
終章 世界の終わりと創世の伝説
259/263

259 移籍に失敗した遺跡

本日二話目です。

 飛行船は帝国の神の遺跡に到着した。

 そこは散々たる有様だった。

 数千はいたであろう帝国の守備部隊が壊滅していた。

 帝国兵は体を引き裂かれたり、焼け焦げたり、体に穴を作っていたり、とんでもない猛攻を受けたようだ。

 しかしこれはクルセイダーズの技では無い。

 

 僕達は生き残りを探した。

 いた、遠くで帝国兵が一人よろよろと歩いている。 

 僕が兵士に声をかけようとした瞬間、兵士から何かが飛んだ。

 ・・・頭だ。

 何らかの力の作用で、首がちぎれ飛んだのだ。


「デーモン・・・アークデーモンクラスか。

 うじゃうじゃいるな。

 これだけの数をどうやって召喚したんだか。」


 ジェイエルが辺りの気配を探って、状況を分析する。

 よく見れば、異様な気配を放つ影がそこら中にいた。


「勝てる?」


 僕はジェイエルに確認する。


「少し時間をもらえればな。

 ギルティーン、お前は何匹いける?」


 ジェイエルはアリスの横に付いていたギルティーンに声をかける。


「あんな連中に時間をかける必要などない。」


 ギルティーンがそう言うと、どこから取り出したのか分からない薔薇を空へ放った。

 直後、空が赤く染まる。


「送還魔法か。」


 ジェイエルが感心したように呟く。

 気が付くと異様な影が消えていた。


「え、終わり?」


 他に敵兵の姿は見えない。

 うわ、強いよこの薔薇の人。

 でもたぶん、今の魔法に薔薇はいらなかったでしょ?


 僕たちは気を取り直して慎重に神の遺跡へ近づく。

 アリスがいる限り、僕達に負けは無い。

 レイネス部隊30名が5人ごとのグループを作り、神の遺跡へ突入する。

 ジェイエルは周辺に敵の気配が無いと言っている。


 レイネス部隊が神の遺跡を進み、フロアのクリアを確認する。

 特に罠も無い。


 そして部隊が最深部に至る。

 一名、女性らしき人物を確認。

 包囲したとのことだ。


 それを聞いた僕達は最深部へ向かう。

 そこにいたのはセフリだった。


「あの時は失礼いたしました、アグレト様。」


 セフリが僕に挨拶してきた。


「ところでセフリ、一つ確認しておきたい。

 魔領の山で狼の姿をしていたのは君なのかい?」


 僕は一応聞いてみた。


「・・・はい。

 オキス様、お久しぶりです。」


 セフリが言う。

 さっきの言葉で、僕が誰なのか理解したようだ。


(じい)・・・ジブルトは?」


 セフリにジブルトの所在を聞いた。


「お久しゅうございますな。

 姿は変わられても、気質はあの頃と代わらずお優しいまま。」


 ひょっこりとセフリの肩の上に現れるジブルト。


「あの頃と全く変わってないね、(じい)

 卒業試験を受けに来たよ。」


 僕はジブルトに言う。


「そのことですが、残念ながら試験は終了ですじゃ。

 神の遺跡の封印は既に解除が終わっておるのですじゃ。」


 申し訳なさそうに答えるジブルト。


「間に合わなかったか。

 まあ、想定内だよ。

 それならそれで構わない。

 封印解除から通路完成まで一ヶ月ぐらいだよね。」


 既に古代遺跡で計算済みだ。


「分かっておいででしたか。

 この老いぼれは目的を果たしましたですじゃ。

 それでオキス様はどうなさる?」


「その前に、爺にお土産だよ。

 イチゴのドライフルーツ。

 もちろん毒は入ってないよ。」


 僕は袋をセフリに投げた。

 ジブルトはセフリからイチゴを一つ受け取ると、躊躇なくモグモグ食べる。

 幸せそうだ。


「試験は終わってないよ。

 とりあえず答え合わせしたいんだ。

 ここにもう一人、誰かいるでしょ。」


 僕がそう言うと、さっきまでいなかった人がいるのに気が付く。

 いたはずなのに認識できなかったのだ。


 ・・・いてくれて良かった。

 本当に誰もいなかったら、その後の空気が大変なことになっていたところだ。


「ほう、どうして気が付いた?」


 そう言ったのは、僕が槍の人と呼んでいた冒険者だ。







 空気無双の槍の人。


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