表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
終章 世界の終わりと創世の伝説
237/263

237 テイストがイマイチなテスト

 僕は帰還したカイデウスさんから報告を受けた。

 クルセイダーズの総戦力は想定より少し少ない約18000だった。

 戦闘結果は敵の死者推定1500、重軽傷者は推定5000。

 さらに輸送部隊とクルセイダーズから10人ほど捕虜として拘束している。


 対してこちらは本来なら数えなくて良いレベルの軽傷者10。

 レイネスの近代兵器が圧倒したと言いたい所なんだけど、実は半分以上がジェイエルの成果だ。


「渡された武器のおかげで、こっちの被害はほぼゼロだ。

 こう言っちゃ何だが、敵は酷い有様だ。

 あまりに一方的で同情しそうになったぜ。

 それに今回、この大剣を一度も必要としなかった。

 レイネスの武器は強すぎる。」


 勝利したにもかかわらず、カイデウスさんは浮かない顔をしている。

 そしてあの人の事をあえて触れない。


「そのレイネスの武器を、剣で上回った人もいたみたいですが・・・。」


 仕方が無いので僕の方からあの人の話を持ち出した。

 終盤で大暴れした元勇者だ。


「あの人は別格もいいところだ。

 一人で千人や二千人、本当に相手にしてしまうからな。

 戦いが終わった後、さすがに疲れたとか言ってたが、顔が全然疲れてなかった。」


 カイデウスさんはため息をつく。

 戦勝報告とは思えない状況だ。


「ジェイエル一人のせいで、見事にレイネスの武器のテスト結果が測定不能になりましたからね。」


 僕もため息をつく。

 終盤の戦いでテストした武器の有用性が、ジェイエルが暴れまくったせいで全く計れなくなってしまったのだ。


「俺は一応止めたんだぜ。

 最後の戦闘で、リハビリには丁度いいとか言って突入していったんだ。

 俺にはあの人を抑えるのは無理だ。」


 ジェイエルが元気になりすぎている。

 とは言っても彼も人間だ。

 絶大な戦闘力を誇るとしても、体力が尽きれば最終的は負ける時が来る。

 たぶん・・・そう思う。

 

「まあジェイエルのことは置いておくとして。

 今回、なんらかの神獣の姿は確認できましたか?」


 一応、神鳥が出てくる程度の想定はしていたのだ。

 対策の武器も持たせてあった。


「いや、全然だ。

 完全に人間の部隊だった。

 まああれを人間と言って良いのならだが。」


 カイデウスさんは苦い表情をしている。


「どういう感じだったんですか?」


「砲弾が直撃しても生きている奴がいたり、地雷を踏んで足が吹っ飛んだにもかかわらずまだこっちに向かってくる奴がいた。

 まるでゾンビだ。

 一応死体を(あらた)めたが、反魂系の魔法がかかっていたわけじゃ無かった。

 攻撃を受けて、普通に逃げ出す奴もいたから、まあ個人差はありそうだけどな。」


 今までの情報を総合すると、クルセイダーズは一般人を兵士化していると思われる。

 しかし普通に訓練してどうこうなるレベルの力では無い。


「何かしらの神の遺物の効果か、神の血を引く者の力か。」


 僕は以前からの予想を口にする。


「神の血を引くというと、話にあったリーフという少女か?」


 レイネスの部隊にはリーフの情報を話してある。

 戦場でエンカウントする可能性があるからだ。


「リーフに関しては、ハッキリ言って情報不足です。

 現在どこにいるかも分かっていません。

 ただ、戦いの鍵を握っているのは確かです。

 現時点で有力な情報を持っていそうな人物は三人。

 小人の姿をしているジブルト、狼に変身できるセフリ、神の血を引くリーフ。」


「くせ者っぽい奴らばかりだな。

 まあ、それはそれとして、敵の輸送部隊を指揮していた聖職者を捕虜にした。

 クルセイダーズの捕虜はこっちで話を聞いておくが、俺は聖職者は苦手なんだ。

 お前さんが尋問した方が話が引き出せると思う。」


 カイデウスさんが僕に尋問を勧めてくる。

 あまり気は進まないけれど、僕はカイデウスさんの話を了承する。


 そして僕は捕虜から情報を引き出すため、捕虜収容施設に向かった。

 残念ながら、情報を吐かせる自信は全くなかったのだけど。

 

「なんてこった。」


 捕虜の顔を見た僕は、ついそう呟いてしまった。

 聖職者の捕虜は、僕の見知った人物だったのだ。






 測定不能の暴れん坊無双がいたらしい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ