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魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
7章 次への引き継ぎと暗躍の者達
200/263

200 地面にいるのは人面か?

 私はすぐに先頭の部隊に対して、後退の命令を出した。

 そして地中のゴーレムに対して警戒を促す。


 先ほどと同じようにゴーレムが地中から姿を見せる。

 不意打ちで無かった分だけ対処はとれているけれど、被害は抑えきれない。

 ゴーレムの登場によって、陣形が崩され押し返されていく。

 こうなると永劫の回帰を再度使用しても結果が変わらない。


 部隊を後退させつつ何とか陣形を組み直すことには成功した。

 配下の幹部達が優秀なおかげだ。

 しかしゴーレムの出現によって、かなり分の悪い状況になった。

 場合によっては撤退も考慮に入れる必要があるかも知れない。

 帝国軍の戦況はどうなっているんだろう?


 陣形は立て直したものの、相変わらずゴーレムと味方の兵が入り乱れている。

 そのため味方の魔術師部隊の支援攻撃が難しくなっている。

 私の精密攻撃なら乱戦でも味方に当てずにゴーレムの足下を削れるけれど、そんな魔法が使えるのはごく一部の精鋭だけだ。


 側面を攻撃していたコボルト部隊が損耗率50%を超える。

 コボルト部隊には戦線離脱の指示を出す。

 オーガの部隊を優先的にゴーレムと戦わせる。

 ゴーレムにまともにダメージを与えられるのは、上位の騎士とオーガの部隊ぐらいだ。


 その間にクルセイダーズが押し返してくる。

 完全に状況が逆転していた。

 私はクルセイダーズの主力に広域魔法を連射する。

 それが功を奏し、敵軍の陣形に乱れが生じる。

 何とか押し切られる状況は阻止することが出来た。


『アリス姉ちゃん、被害は増えるけどもっと後退した方が良い。

 たぶん次が来る。』


 また、ゴーレム?

 この辺り一帯にも埋めてあるんだろうか?


 私はルディンの助言に従って後退の指示を出した。

 魔領軍はまだ無傷の予備兵力を残している。

 いったん撤退して、部隊を再編した方が良さそうだ。


『ごめん、アリス姉ちゃん。

 相手の作戦が読み切れなかった。』


「ルディンは悪くないわよ。

 私の指示がもっと早ければ、もう少し被害が少なくなっていたはず。」


 勝ちを急ぎすぎた。

 私の大失態だ。


『違うんだ。

 この後に・・・。』


 ルディンが言いかけたところで、ふと空が曇る。

 異様な気配を感じて空を見上げると・・・それは雲では無かった。



「あれって・・・神鳥!」 


 私は呆気にとられてしまった。

 おびただしい数の神鳥の群れが太陽を覆い尽くしていたのだ。

 もはや時間を戻したところで、負けの時間を引き延ばすことしか出来ない。


 私は自分の敗北を悟った。








 大群無双だった。


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