表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
7章 次への引き継ぎと暗躍の者達
191/263

191 スイスイ進む推理

 エスフェリアから聞いた状況は想像以上にマズいことになっていた。

 まずクルセイダーズの数が五十万人規模に膨れあがっている。

 これは既に帝国の総兵力に近い状況だ。

 そして兵の練度が飛躍的に向上したと言うことだ。

 ルディンから聞いていた話では、神の残滓を使う素人集団という内容だった。

 さらに装備の質も桁違な性能だというのだ。


 どうやら占拠した街の人間を吸収してどんどん増えているらしい。

 まるでゾンビだ。

 その状況に気が付いた国々は、クルセイダーズと戦ったり街から民衆を避難させたりする事態になっている。

 避難はともかく、戦った結果は言うまでも無いだろう。


 さらに驚いたのは帝国方面に侵攻している兵力に、ゴーレムが百体規模で確認されていることだ。

 魔領にもゴーレムの情報は残っている。

 弓矢や魔法が効かない上に、堅牢な物理防御を誇る厄介な相手だという。


 そして出てきたのはゴーレムだけでは無い。

 神獣と呼ばれる伝説の生き物まで出てきたのだ。

 白いオーラを纏う狼や、騎士を乗せて天空を翔るペガサス、ドラゴンを超える大きさの巨大な蛇、とんでもない事態になっている。


 そして現在クルセイダーズの帝国への侵攻を、魔神ギスケが皮一枚で防いでいるところだという。

 問題は帝国の領土が広大だと言うことだ。

 いくら最強の魔神であっても、膨大な兵力に抗する術は無い。

 ジワジワ押されているのが現状なのだ。


 このまま行けば、クルセイダーズは帝国の神の遺跡へ到達してしまう。

 そうなれば終わりだ。


「状況は理解したわ。

 ただし不可解なのは、何故急にクルセイダーズがそんな力を持ったかという事ね。」


 私はエスフェリアに説明を求めた。


「それについては調査をしているものの、確実なところは掴めておりません。

 なんらかの神の遺物の力を使ってはいるのでしょうが、急激な力の増大に対する答えは見いだせていないのです。」


 私は杖を見つめる。

 賢者ルディンの出番だ。


『ちょっと、変な期待をしないでよ。

 う~ん、今の状況を総合して考えると三つほど可能性が考えられると思う。

 一つ目は数百年レベルの昔から誰かが準備して、それを一気に出してきた可能性。

 二つ目は既に神の国への道が開通している可能性。』


 なるほど。


『前者の可能性を考えると、少しタイミングが微妙だと思う。

 もしやるなら、魔王アストレイアが倒されたときに出してくるべきなんだ。

 情勢が落ち着いた後というのは腑に落ちない。』


 なるほど。


『後者の可能性を考えると、これも微妙なんだ。

 それなら神の国から神が自ら乗り込んできて、今頃は勝負が付いているんじゃ無いかな。』


 まあ、そうなるわね。

 うん?あと一つは?


『最後の一つだけど、これは二つ目の推理に近い。

 神の国への道が限定的に使える状況かな。

 神は通れないけど、神の遺物ならこっちに送り込める可能性。』


 どこをどう推理したら、そんな飛躍した可能性に辿り着くんだろう?


『実はそんなに根拠の無い話では無いんだ。

 四天王グレイドルレインがキーデバイスで神の遺跡の封印を解いた件があったよね。

 そのキーデバイスがどこから来たのか。

 僕はずっとそれが気になっていたんだ。』


 なにか辻褄が合ってきた気がする。

 さあ、とんでもなくマズい状況になってきた。









 賢者の推理無双の答え合わせは、そう遠くは無い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ