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魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
7章 次への引き継ぎと暗躍の者達
182/263

182 この空間でなにか食うか?

 私は魔力感知でグレバーン居場所を探った。

 赤い霧の影響か、魔力が辺りに飛び散っていて感知を妨害している。

 闘技場に遮蔽物は無い。

 姿を消すような場所などそもそも無いのだ。


 いったいどこに・・・。

 私は周囲を警戒する。

 しかし見つからない。


 突然目の前で爆発が発生する。

 かなり強力な爆発だが私の魔法障壁に阻まれ霧散する。

 さらに後方から爆発・・・横からも来ている。

 さすがに障壁の損耗が無視できないレベルになってくる。

 私は永劫の回帰を発動した。


 グレバーンが姿を消した所まで時間を巻き戻した。

 とにかくどうやって姿を消しているのか、その方法を見つけ出さないと話にならない。

 光学迷彩の魔法でも使っているのだろうか?


『アリス姉ちゃん、魔王はこっちの視線の通る場所の空間をつなぎ替えているんだよ。

 自分のいる位置をスキップするように。』


 賢者の杖を通してルディンが呼びかけてくる。


「魔法じゃ無いの?」


『魔法だったら、霧のノイズがあったとしてもさすがに感知できるはずだよ。』


「ユニークスキルは魔力感知が効かないの?」


『魔力を打ち消す神の力がユニークスキルには通じないんだ。

 つまり魔力で出来ているわけでは無いと思う。』


 なるほど、永劫の回帰も魔力を使って発動するものだと思っていたのだけど違ったようだ。

 時間を戻す性質から、今まで自分のユニークスキルが魔力を消費したかどうか確認する術が無かった。

 だから私はユニークスキルが魔力を含むのかどうか知らなかったのだ。


「空間ステルスというわけね。

 原理は分かったけど、攻略法は不明のままね。」


『そうでも無いよ。

 空間のつなぎ合わせを確認すれば良いんだ。

 地の魔法と風の魔法を組み合わせて、色の付いた煙は作れる?』


 色の付いた煙を作るのは造作も無い。

 なるほど、それを撒けば不自然な繋がりが明らかになる。

 しかし私が一人だけだったら、この発想に至ることは無かった。


「あなたはこんな感じで彼にもアドバイスをしていたの?」


『オキス兄ちゃんだったら、もっと凄い攻略法を考えていたと思うよ。

 僕がやったのは魔法のサポートぐらいだよ。』


 彼ならきっと、永劫の回帰のような力が無くてもグレバーンを圧倒したのだろう。

 とにかく決着を付けよう。


『それと常世の支配の欠点はたぶん、同時使用に限界があることだと思う。

 今のところ最大二つ。

 それがブラフである可能性もあるけど、たぶん全面防御は出来ないよ。

 それから液体とか固体なんかの密度の濃いところには使えないみたい。

 それが出来るなら、体の中に直接魔法を放り込んでいるはずだから。』


 こんな短時間にそんなことまで分かるものなの?

 これだけ優秀なルディンが、彼をもっと凄いという。

 彼はどれだけの存在だったのだろう?








 そんな彼ですら無双を続けることは出来なかったのだ。


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