160 山が無くなったって?おやまあ
巨大化した闇を放つ。
これに失敗したら、見事な自爆となる。
最後の魔力を振り絞り、光の塊に向けて打ち出した。
次の瞬間・・・闇が消えた。
「あれ?」
魔力が底を突き、立っていられずに膝を突く。
目の前にあったはずの闇の塊が無い。
「?」
みんなキツネにつままれたような顔をしている。
「おい、光の塊も無くなってるぞ。」
へたり込みながらカシムが言う。
「いったいどうなってるの?」
パメラもフラフラしながら周りを見回す。
何が起こったのか把握できない。
ジキルだけが青ざめた表情をしていた。
そしてその時は訪れた。
目の前が突然真っ暗になる。
直後、凄まじい衝撃が体を突き抜けた。
体は・・・動かない。
音も聞こえない。
思考は出来るものの全ての感覚が無くなった。
ほんの少しだけ時間が経過し・・・声が聞こえる。
「・・・・・ぶか?
・・・ょうぶか?
おい、大丈夫か?」
体の感覚が戻ってくる。
誰かに抱きかかえられているようだ。
騎士?
「目を覚ましたか?
いったい何をやらかしたんだ?」
目が見えた。
そしてお昼頃だったはずなのに、空には星があった。
ここは・・・展望施設だ。
みんなも他の騎士や兵士達に救護されていた。
「何があったんでしょう?」
僕は騎士に聞いた。
「こっちが聞きたい。
何を言っているのか分からないかも知れないが、外が真っ暗になって・・・。
そして外に出ようとしても気がつくと中にいるんだ。
それが六時間以上続いた。
ようやく闇が晴れてここへ来たら、お前達が倒れていたんだ。
魔領の方は偉いことになっているぞ。
凄まじい大爆発の跡だ。」
大爆発?
ええと、たしか敵の攻撃魔法と思われる光の塊を闇魔法で迎撃したんだよなあ。
そうしたら闇魔法が消えて、光の塊も無くなって・・・。
それから大爆発?
僕は必死に頭の中で闇魔法の動きをトレースする。
・・・もしかして。
闇魔法は消えたんじゃ無くて、目で追えないほどの凄まじい速度で光の塊を消滅させ、さらに魔領方面に落ちたんじゃ・・・
僕は騎士に支えられ、魔領方面を見る。
・・・あるべきはずの物が無い。
十キロ程度先にあったはずの岩山が消えていた。
そして遙か先に新しく出来たらものがある。
巨大な穴、あれは谷だ。
完全に地形が変わっていた。
「やり過ぎたぁぁぁ!」
僕は叫んだ。
やり過ぎ無双だった。




