表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
6章 魔王の息子と最後の無双
153/263

153 辛抱できない心臓

 結局、肝心の悪徳商人ペネッティは所在不明のままだった。

 騒ぎを聞きつけてやってきた憲兵に僕は事情を説明し、後の処理を任せた。

 どうやらギスケが憲兵に、僕に対して便宜を図るよう事前に手を回していたようだ。

 なるほど、僕がなにかやらかすと思っていたようだ。

 信用が無いな・・・いやまあその通りの結果になったんだけどね。


 僕は遺跡街の直営店に行って、外科手術に必要な医薬品や道具一式を確保した。

 約束だからね。

 そしてアデルタに先生の所に案内してもらった。


「先生、薬が手に入ったよ。」


 アデルタが扉を開いて先生に呼びかける。

 そこは小さな住居が並ぶ区画の家だった。

 外見からしてあまり綺麗では無かったが、玄関先から覗いた中の様子も外から見たままだった。

 そして先生であろう、つり目で無精髭を生やした男が姿を見せる。


「そうか。

 ・・・ところでそっちの子は?

 見かけない顔だが。」


 先生が口を開く。


「僕はオキスと言います。

 さっきまでその薬がらみで色々と面倒くさいことになって。

 でも、アデルタが持ってきた薬はきちんとしたルートの正規品ですから大丈夫ですよ。」


「オキス・・・。」


 先生は僕をマジマジと観察する。


「ほう、知識の賢者か。

 立ち話も無いだろう、中に入るといい。」


 先生は僕を迎え入れた。

 一瞬で身バレか、ただ者じゃ無いなこの人。


「知識の賢者?

 なにそれ?」


 アデルタは首をかしげていたが、まあ普通はそうだろう。

 僕は勧められるままに椅子に座る。

 しばらくすると紅茶が出てきた。

 ビーカーに入った紅茶だった。


「うちには食器が無いんだ。

 気にせず飲んでくれ。」


 僕は気にせず口を付ける。

 味は良かった。


「そう言えば名乗ってなかったな?

 俺はブレイトン、一応医者だ。

 その顔を見ると、何か聞きたそうな顔だな。」


 鋭いな、ブレイトンさんはかなり頭の回転が早いようだ。


「アデルタの姉の話を聞いて、行きがかりとはいえ少し気になって。

 どんな病気なんですか?」


「心臓の弁に問題がある。

 これで分かるか?」


「ええと、心臓に血液が逆流したりするやつですか?

 発見できたということは、既に発作が?」


「まさか話が通じるとは思わなかった。

 症状まで言い当てるとはな。

 まあ、度々発作が起こっていて、早めに対処しないとマズい状況だ。」


 弁膜症か。

 しかも発作が起こるレベルということは、かなり悪い。

 ちなみにブリデイン王国の図書館の医学書には心臓の構造すら載ってなかった。

 アデルタの話で外科手術っぽいことをやってそうだと聞いて、転生者や転移者の可能性を考えてここまで来たのだ。

 確かめなければならない。








 外科医無双か?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ