128 装備盛栄の精鋭達
今日二話目です。
僕は必要な準備に取りかかった。
それと同時に情報収集に力を入れる。
しばらく連絡が取れなかったジキルとようやく話すことが出来た。
まず状況がおかしくなり始めたのは、クルセイダーズがリーフを担ぎ上げたところだ。
ジキルとパメラはリーフから引き離された。
そしてあれよあれよという間に、組織がどんどん大きくなっていく。
表だって教会と対立したくないジキルは大人しく従うふりをしていた。
何度も面会の打診をし、ようやくリーフと再会することが出来たのだ。
しかしそこにいたリーフは別人のようになっていた。
天然ボケの性格が消え去り、何故か神々しいオーラを放っていた。
そして言ったのだ、「魔族を駆逐する、例外は無い」と。
リーフの様子がおかしくなっているのを認識したジキルは、こっそり連れ去ろうと計画する。
しかし計画を実行する前にクルセイダーズの襲撃を受ける。
一対一なら圧倒できるものの、さすがに圧倒的な数の差の前には逃げるしか無い。
こうなるとリーフを確保するのは不可能だ。
そしてジキルとパメラはそこから離脱することになる。
その手助けをしたのはミイラ男とカシムだった。
とにかくみんな無事だったのは幸いだ。
僕は合流地点を指示する。
準備が整ったら迎えに行くつもりだ。
そしてギスケに頼んでいた助っ人が到着する。
「全知の賢者オキス様、私はカーランド王国の第一王女ネリネと申します。
ギスケ様より派遣されました。」
エルフだった。
見た目は耳が長いやせ気味の少女だ。
実年齢が気になるがさすがに女性に年は聞けない。
「王女ですか。
今回は危険が伴う任務です。
さすがにそんな重要人物を連れて行くわけには。」
「今回の件はギスケ様のお役に立てるのですよね。」
「もちろん。
成功すれば大金星ですよ。」
「ギスケ様には私の国を救っていただいた大恩がございます。
例え命が尽きることになろうとも、少しでもお役に立てるのであれば後悔はいたしません。」
「わかりました。
素養をテストしますのでこちらへ。」
ギスケが寄越したのだ。
恐らく間違いは無いのだろう。
僕は彼女に必要な指示を出した。
本当はすぐにでも出発しなければならないのだけれど、準備と情報収集はまだ不足している。
ネリネの準備も時間がかかる。
とりあえずは現在分かっている神魔砲の状況を説明しよう。
ブリデイン王国の神魔砲がある神の遺跡は、現在は要塞と化している。
周囲を軍が固め、簡単に攻め入ることは不可能だ。
そもそも首都の中にあるのだからタチが悪い。
首都に攻撃する状況は、そもそも勝利目前ということになる。
そして要塞の中も精鋭部隊が固めている。
当然のごとく、その指揮を師匠がとっている。
ブリデイン王国の精鋭部隊は最高級のマジックアイテムで武装している。
神の遺物ほどで無いにしろ、最上位レベルの火力、そしてアンチマジックと耐久力を誇る。
当然技量も高い。
それでも今の僕ならたぶん一人二人なら対処可能だと思う。
しかし防衛に当たっているのは一個中隊くらいにはなるようだ。
そこに師匠までいたら無理ゲーも良いところだ。
もちろん前回のような作戦は採れない。
師匠はもう手加減をしてくれないだろう。
まあ、たぶんなんとかなるんじゃないかな。
お気楽無双で行こう。




