NEETちゃんねる
二人の大学生である青年が都内某所のファミレスに入店してきた。
店員に誘導され、二人は空いている席に腰を下ろすとこんな話をし始めた。
「なぁ、昨日さ、NEETちゃんねるって掲示版あんじゃん?そこで面白いスレ見っけたんだ。」
「ふーん。なんてやつ?」
「何か急にイッチが、『私は負の世代の者である。私がこの世界に干渉出来るのはゲームが終わるまでだ。』とか厨二病臭いこと書き込むんだよ。」
「ハハ、またその手のスレかよ。」
「それがさ、そのイッチ何か淡々と語ってくんだよ。『負の世代は30年に1度にやってくる。負の世代の者はゲームが終われば、この世における存在が抹消される。』とかなんとかさ。」
「くだらね。お前もそんなん見てないで早くレポート書いちまえよ。」
「だよな。でもそいつ、『私が現れたということは既にゲームは始まっているということ。明日になれば全てがわかる』だってさ。ま、ただの釣りだろうけどさ。」
そんな会話を続けたあと、彼らはコーヒーをそれぞれ頼み、レポートの仕上げに入っていた。
すると、ファミレスの一角に設置されたテレビが、さっきまでただの料理番組から急に緊急速報へと変わった。
店内が少しざわめき始める。
二人の青年もテレビへと視線を向けざるを得なかった。
「えーただいま入ったニュースです。全国各地の高等学校が何者かによって封鎖された模様です。詳しい情報が入り次第お伝えしますが、現在入っている情報によりますと、高等学校は敷地内全てにおいて、何か透明でとても頑丈な壁のようなもので遮られ、内部に侵入できない状況です。連絡も取れません。多くの高校生が中に閉じ込められており、内部状況はうまく確認できないそうです。えー急遽、異例な事態により独占放送を行います。そして...」
明らかに異常を知らせるニュースだった。
二人の青年は、先程の掲示版を見ていたせいか、状況がすぐに理解出来ていた。
「おい、これってまさか...本当に。」
「あぁ、マジだったのかよ...。あ、お前の弟、高校生だったよな?...っておい!」
高校生の弟を持つ一人の青年は、その友人の言葉を聞くと一目散にファミレスを抜け出した。
彼の行く先は弟のいる堂~高校だ。
道行く人々の話題もさっきのニュースのことで持ち切りだった。
いざ、堂~高校の前に来てみると、すでに我が子の安否を心配に来た生徒の親たちの姿やマスコミなどの野次馬で溢れかえっていた。
「どうなってやがんだ、これ。」
一見、外から見ても異常は感じられない。
だが、高校の敷地は透明な壁によって侵入を許されないのだ。
上空からヘリが救助に向かおうとしたらしいが、この壁は上空まで永遠と続いているらしく、断念せざるを得なかったと。
「これが全国各地ってどうなってやがんだ?意味がわかんねえよ。本当にあの掲示版の言ってたやつなのか?」
幸いなのか、事件発生当時、各高校の敷地内にいた者しか被害にあっておらず、早退した生徒、不登校の生徒などの安否は確認されているらしい。
ただ、その青年が祈るのは弟の安否。
「努人...!!」




