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信じる勇気2  作者: シュン
一章~旅立ちの時~
3/12

村から出て二日目。~山賊退治~

ジランが目を覚まし、リュックから時計

を取り出して今の時刻を確認する。

(四時か。丁度いいな。)

そう思いながらリーナを起こさないように

ゆっくり部屋から出て顔を洗う。

洗い終わって、部屋に戻りやはり、リーナを起こさないようにする。

ジランは置き手紙を残して部屋を出た。

「さて、と。」

ジランはパンを持ち、手に風のグローブ

をつけて宿を出る。カウンターには誰もいなかった。


「だいたい歩いて二時間くらいか。」

ジランは町から離れた森に来ていた。

「この辺りは森が多いな。」

そんなことを言いながら、森の中を進んで

行く。

「ここか。」

大きめの小屋の前で足を止める。

「森によくこんなのたてれたな。」

その小屋は二階立てで家と言ってもいい

かも知れない。

「気配はだいたい八つか。」

ジランは小屋の後ろに廻り、石を思いきり

その小屋にぶつける。

すると中から、貧相な身なりをした男が

三人出てきた。

男達は小屋の後ろに廻って来てジランを

見つける。

「お前が石をぶつけたのか?」

真ん中の男が言う。

「ああ、そうだ。」

ジランがすぐに答える。

「けんか売ってんのか?」

また真ん中の男が言う。

「自分の頭で考えろよ。頭わりぃな。」

「お前!」

左にいた男が腰に下げていた剣をシャキン抜き放つ。

「おー怖い怖い。」

ジランは棒読みする。

頭に血が上った男叫びながらがジランに切りかかる。

ジランは後ろに飛んで攻撃をかわし、

「ウインド」

そういうと緑の風の塊が攻撃してきた男に当たり、吹き飛び、後ろの木にドン、と背中

をぶつけ呻く。気絶はしていないが、もう

動けなさそうだ。

「なっ!?」

男達は驚く。

「ウインド」

ジランは右にいた男に風の塊を当てる。

何も言うことなく、男は吹き飛び、後ろ

の木に当たり、再起不能になる。こちらも

気絶はしていない。

「この野郎!卑怯だぞ。」

「卑怯?攻撃してこなかったのはそっちだろ?ウインド」

ジランは最後に真ん中に立っていた男に

風の塊を当てる。

だが、生い茂っている木には当たらず、

そのまま背中で着地する。

「ぐあ!」

それでも結構な衝撃だったようで、男は

叫ぶ。

「こんなもんか。よし、逃げるか。」

ジランは背中を向け、走り出した。

男達は走るどころか、立ち上がれないので、そのままジランの後ろ姿が消えるまで

見ているしかなかった。

「ふう。」

ジランは男達が見えなくなったところで、

走っていたのを歩きに変えた。


「お帰り。どこいってたの?」

ジランが宿に帰った時にはすっかり日が昇りリーナが起きていた。

「ただいま。用意できたか?」

リーナの質問を無視して、ジランが聞く。

「できたけど。ねぇ、どこ行ってたの?」

「また言うよ。それより、朝飯食いに行くぞ。リュックはここに置いていくからな。」

ジランがリュックから金を取り出しながら

言う。

「なんで?」

「ここがいい宿だからだよ。今日も泊まる。」

「そっか。」

「さて、そろそろ行くか。」

「うん。」

ジランは取り出した金をポケットに入れながら言う。

リーナがそれに返事を返し、二人は歩き出した。


「あの人遅いね。」

「ああ。そうだな。」

(なにやってんだよ。)

約束の時間になってから十分くらい経っていた。

それからさらに十分するとキリがやって来た。

「遅れてすまない。」

「何やってたんだよ。」

「これの手入れを。」

そういいながら、キリは手に持つ日本刀を

ジランの目の前にかかげながら、言う。

ジランがため息をつく。

「いくぞ。」


そこから二時間歩き、例の小屋につく。

「妙に山賊達が多いな。」

キリが言う。

確かにジランが朝襲撃した時よりも増えて

いた。

小屋の回りで警備している。

「まあ、俺が朝暴れたせいだろうな。」

ジランがそう言うと、リーナが驚く。

「なんでそんなことしたの?」

大声で言いたかったが、山賊達に存在を知らせてしまうので、小声で言う。

「村とか襲ってた山賊達を一ヶ所に集めるためだよ。倒した数が多いほど貰える金額が増えるからな。」

「次は単独行動しないでね。」

リーナが少し怒ったように言う。

「分かった。ごめんな。」

「うん。」

「よし、そろそろ行くか。」

ジランはこそこそと山賊に見つからないように小屋の後ろに廻る。

(十六人か。朝のももうさすがに復活してるよな。こっちには五人か。確かあっちには六人いたな。中に四人か。まあ大丈夫だろ。よし、行くか。)

ジランは二人に自分が動くまで動くなといってある。

先に動かれたら奇襲にきずかれ、戦いにくくなるからだ。あっちは自分よりずっと

強いから問題ない。ジランが力を使わなければ。

「ウインド」

ジランは五人の真ん中にたっていた、ゴツい山賊に風の塊を当てる。山賊は吹き飛び、小屋の壁に当たる。

「よし、まず一体!」

わざと大きな声を出し、敵の注意を引き付け、小屋の前にいる二人に奇襲が始まったことを伝える。

キリはその声を聞くと茂みから飛び出し、

一番近くにいた山賊を鞘をつけた日本刀で

殴った。ジランに山賊を殺さないように言われていたからだ。

ジランはそのあと、両手が一直線に

なるように構え、

「ウインド」

風の塊を二つ、両手から打った。

それによって山賊の二人が吹き飛び、木に当たり、動けなくなった。しばらくしたら

ただの打撲なのですぐ動けるようになる。

だからジランはさっさと決着をつけたかった。




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