第三話 あたしは、この世界であなたと居たい。
次に主人公が向かったのは、ロリ娘。なぜか金髪で、背は低く、胸は盛り上がりに欠けて大平野。到底年上とは思えないくらいに幼い容姿をしているが、実は主人公よりけっこう年上な娘。ちなみに、成績も並で起伏に乏しく、素行が悪くて何度も留年したという過去を持つが、主人公たちと出会って楽しくやっていたという設定の女である。
いつも屋上で風に吹かれているロリ娘のところに、主人公が来て、人が消えただの何だのと説明した。
「あたしは、その人のこと知らないけど」
ロリ娘は言った。
「何でっすか! 何で知らないんすか!」
主人公は興奮して叫ぶ。ははは、かわいそうな子だぜぇ。
「その、消えちゃった人のこと、好きだったの?」
「ああ、誰よりも好きだったんすよ……」
「そうなんだ」
「それなのに、神の野郎は、その子を消し去りやがったんです! 何で、何で消したりしたんだよ! オイ神! この野郎!」
主人公は天井に向かって叫んだ。哀れなことだな。
そしてロリ娘はこう言ったんだ。
「その子は、最初から消える運命だったんだよ」
いや、そんなことはなかった。消すつもりは毛頭無かった。作者的に。
「きっとあたしはヒロインだから、あたしをヒロインにした神さまは、ロリコンなんだね」
ちげぇし。ていうか自分で言うことなのかそれは。微妙に過剰な自意識だな。
「そうかもしれないっすね」
「あっ! あたしのことロリって言ったなあ! ゆるせんっ!」
「自分で言ったんじゃないっすか……」
「とにかく、そんなよくわからないことを気にしてる場合じゃないよ。あたしを好きになればいいんだよ!」
「え……そ、そうだったんすかっ? 俺のこと……」
なんで主人公はこんなにモテるんだよ。むかつくな。ああくそっ。主人公のアホ!
「なんてね、うそぴょーん」
ロリ娘は言った。
「なんだ、嘘っすか……」
アホ主人公は呟いた。
「でもね、あたしは、この世界であなたと居たいよ」
もじもじと頬を赤らめて言う、金髪ロリ娘の本気の言葉に対し、主人公が言ったのは……
「ここもダメ、か……」
くそっ、主人公くそっ! このゴミ野郎! 俺のロリ娘に対して失礼だぞ!




