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宝石病の姫君と夜明け前の誓い  作者: 藍凪みいろ


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第6話 良くない夢


 次の日の朝。

 ラパニア国へ着くまでの間、ラティア達は船の中にある食堂でラパニア国へと到着するまで待つことにした。


 そんな中、ラティアは甲板に少し出て来るわと己の騎士である三人のベルロット、ハレク、バロンと付き添いのディークに告げた所、一人で行動するなと注意されてしまった為、仕方なく己の護衛騎士の1人であるバロンを連れて行くことになり。


「殿下、今日あまり元気がないように見えたんですけど、大丈夫でしょうか?」

「言われてみれば確かに、いつもより元気がないような気もします」

「何かあったのかもしれないですね」


 ラティアがバロンと共に立ち去って行った後、いつもより少しラティアの元気がない事に気付いたラティアの騎士であるベルロットとハレク。


 そんな二人と共に居たディークは口を揃えてラティアのことを気にかけていた。


✾       


 一方、バロンと共に甲板に来たラティアは、朝の陽の光が当たる水面を見つめながら静かに呟く。


「今日の夜、悪い夢を見たの。綺麗なアメジスト色の欠片になって人が消えてしまう夢。そんな夢を見たせいか、これから何か良くない事が起こる前の前兆なんじゃないかと思ってしまって」


 あまり元気がないのは、その夢が原因だとわかったバロンは安堵し口を開く。


「殿下、夢はその人の気持ちや、思っていること。不安、不満。良い事も悪い事も現れるのです。なので、良くない夢を見てしまったのは、殿下自身の気持ちの表れです」

「そうね」


 バロンの言う通りである。

 城を出てから数日が経ったが、ラティアは強く不安に思っていた。


 目的地まで辿り着くことが出来たとしても宝石の病を治すことが出来なかったら……


 その不安がラティアの胸から取り除かれることはなく、日を跨ぐごとに強くなっていった為、結果的に夢にも現れてしまったのだろう。

 

「城に居た時はここまで強く不安に思うことはなかった。それはきっと、私が病を治すことを諦めていたからよ」

 

 ラティアは自身の思いを口にし、ゆっくりと雲が流れいく青白い空を見上げため息を吐く。


 そんなラティアの隣に立ち、ラティアのことを横目に見ていたバロンがラティアに何か言うことはもうなかった。


✴︎



 ラパニア国へと船が着き、船から降りたラティア達は、船の中で決めたルート通りに歩み始める。


 ラパニア国に着いたのはお昼過ぎだった為、ラティア達は今日中に、ラパニア国とフィリアント国の国境を繋ぐ橋に辿り着くことは難しいだろうと判断し、ラパニア国の王都の宿屋に今日一日は泊まることを決めた。


「ラパニア国とフィリアント国の国境を繋ぐ橋付近は治安が悪いと言っていたけれど、実際に人が巻き込まれて負傷したりも今まであったの?」

「はい。実際の被害は何件かあったみたいです。最近ですと、盗賊に襲われて金貨を盗まれたり、他国の罪人者が橋付近に隠れていた為に殺されてしまったりですかね」


 自分ラティアの右隣を歩くハレクから被害の大まかな詳細を聞いたラティアはそんな場所に今から自分達も行こうとしていることを再認識し、身震いする。


「何だか、不安になってきたわ……」


 しかし、これからラティア達も運悪く、盗賊集団に絡まれてしまうことになることなどこの時はまだ誰も思ってもみなかった。



 ラパニア国の王都にある宿屋に着いたラティア達は、それぞれの泊まる部屋に足を運び、その日は身体の疲れを取る為、各自休む事になった。


 その日の夜、ラティアはラピティーア国の王城に居るであろう、異母兄であるカイル、ロイスの二人、母親であるユリアーネ第一王妃、父親であり現国王でもあるアルドア。そんな大切な家族のことを思っていた。


「城を出てから、まだ三日しか経っていないのに、随分と長い間、自国を離れているような気がするわね。皆んな、元気にしているかしら」


 ラティアは静かな一人部屋で独り言を呟き、宿屋の一人部屋の窓から見える夜空を見上げる。


 部屋の窓から差し込む月明かりがラティアの金髪を照らしていた。


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