表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

第5章:クライマックス前夜 – 内部葛藤と決意

大会の会場は夜の帳に包まれ、照明が淡く光を投げかけていた。

ユウキは一人、静かな控室の隅に座り込み、手の中のカードを見つめていた。

今日の中盤バトルでの消耗は想像以上だった。

体力は半分以下、精神力も限界に近い。それでも心は熱く、胸の奥で戦いへの欲望が渦巻いていた。


「…僕は本当に、この力で仲間を守れるのか…?」


幼少期の事故の記憶が再び顔を出す。

あのとき、自分が間違った判断をしていなければ、家族を失わずに済んだかもしれない。

あの後悔が、今も胸に重くのしかかる。


しかし、アカリや仲間たちとの連携を思い出すと、心は少しずつ落ち着きを取り戻す。

「仲間を信じ、僕も力を信じる…それしかない」


カードの能力は確かに強力だが、暴走のリスクや代償は常に付きまとう。

次のクライマックス戦では、単純な力勝負ではなく、心理戦、戦略、環境利用すべてを駆使しなければならない。

ユウキは、自分の心の中にある弱さ、恐怖、迷いと向き合った。


「怖い…でも、逃げるわけにはいかない…!」


控室のドアが微かに開き、アカリが顔を出した。

「ユウキ、大丈夫?無理してない?」

彼女の声は優しいが、目は鋭く、戦略家としての冷静さを失っていない。


ユウキはカードを握り締め、深く息を吐く。

「うん…大丈夫。僕は…僕は戦う」


二人は目を合わせ、無言のまま頷き合った。

その瞬間、心理的な決意が互いに伝わる。

仲間と力を合わせ、未知の力に立ち向かう覚悟が、二人の胸に静かに芽生えた。


外の空気が夜の冷たさを運ぶ中、ユウキは一つ心に決めた。

次の戦いでは、勝つか負けるかだけでなく、自分自身の成長もかかっている。

そして、背後に潜む影――過去の屋上の敵の存在が、次の試練として待ち受けていることを、心の片隅で感じていた。


ユウキの瞳に、静かな決意の光が宿る。

「…僕は、絶対に仲間を守る。そして、自分も逃げない」


夜の帳が街を包む中、彼の心は次の戦場へと静かに準備を整えていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ