第2章:大会開始 – アカリとの出会い
薄曇りの朝、都市の中央広場にはすでに多くの人々が集まっていた。
ホログラムの掲示板に「全国カード戦大会」の文字が浮かび、参加者たちの熱気が街全体を包む。
ユウキは人混みの中で視線を巡らせる。
先日の屋上での戦いが頭から離れない。
体力と精神力の消耗はまだ完全に回復していないが、挑戦の手を緩めるわけにはいかない。
広場の一角、背筋を伸ばして立つ少女が目に入る。青い髪が風に揺れ、目は真剣そのものだった。
「…あなたが、ユウキ?」
アカリ――未来予測の能力を持つ少女だった。
次ターンの敵行動を予測する力は精度50~90%、精神力の消耗を伴う。
彼女の目には不安と期待、そして挑戦者としての覚悟が同時に宿っていた。
ユウキは一歩前に出る。
「そうだ。君は…?」
アカリは軽く微笑むが、その瞳には冷静さと戦略家としての鋭さが光っている。
大会開始の合図とともに、参加者たちはカードを取り出した。
空気が張りつめ、風が吹き抜ける。
ユウキとアカリは互いに目配せを交わす。
ここで協力すれば、戦略の幅が広がる。しかし、失敗すれば代償とリスクが跳ね返る。
初めての連携戦が始まろうとしていた。
ユウキはカードを引き、ドロウスキルを発動する。
アカリの未来予測で敵の動きを先読みし、微妙にタイミングをずらして風刃を放つ。
風の軌道が正確に読み切られ、相手の攻撃を封じる隙を作る。
二人の動きは計算されつつも予測不可能な連携となり、観客たちの視線を釘付けにする。
息を整えながらも、ユウキはアカリを完全に信頼できていない自分を感じる。
しかし、彼女の冷静な判断と正確な予測により、次の一手を迷わず打てる自分がいる。
信頼を築く過程、不安と興奮の入り混じった感情、代償を意識した冷静な判断――すべてが、初連携ならではの緊張感を生む。
その時、ホログラムの巨大時計が突然点滅する。
「異常です…!?何かが…」
観客も参加者も凍りつく中、空気が歪み、未知の力が二人の前に姿を現した。
ユウキとアカリは互いに顔を見合わせる。
次の瞬間、戦略も心理もすべてが試される――。
二人の連携は、まだ序章に過ぎなかった。
背後にはさらなる試練と、未知の力の存在が静かに迫っている。




