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永遠に続く星の物語  作者: 伏見 ひより
第一章 新しい空は新しい人生のプロローグ
1/2

【1-1】新しい空


* 新連載 * デビュー作品!!! * 2025/11/23


「永遠に続く星の物語」をこれからどうぞよろしくお願いします✨️








 全ては 別れ と共に進むもの。




出会い があれば 別れ があるなど承知の上のことだ。




それでも 『 永遠 』 がもし存在するのなら。




 喜んで 『 永遠 』 を手にしたい。






 * * * * *



 「もう要らない___。」



静寂の夜に、その一言だけが聞こえた。その声の持ち主は、その言葉を放ったすぐ後、背を向けて姿を消した。

「え…お母さん……?」


私はお母さんに 捨てられたんだ。


 私が小さい頃、お母さんとお父さんと私で仲良くて楽しかった。でも、お父さんが別の女性を好きになって、それがお母さんにバレて。精神が不安定になったお母さんと私をお父さんは置いて、何処かへ行ってしまった。その後、お母さんは暴力的になって………思い出したくもない。

 この状況から逃げられたことからの安堵なのか、開放感なのか、胸を縛り付けていた縄がほどかれたような気がする。涙一つも出てこない。それよりも、「これからどうやって生きていこうか」という不安のほうが強い。


 白い長い髪を揺らし、薄汚れた布切れのような服を透き通るかのように通り抜ける冷たい風が吹いた。肌寒くて、今すぐにで温かいものに包まれたい。でも、そんな贅沢が叶わないとわかっている。

 周りを見渡しても木、草、砂利。多分、ここは山奥。人に会えるとも思えない。外に出た記憶も薄い。本を読むことは好きでずっとずっと本と向かい合って生活してた。でも、地図的な知識は得られなかったし体力も減っていく一方だった。

「どうしたらいいんだろう…」

不安。焦り。恐怖。誰にも届かない声を、口から息とともに漏らした。


 その瞬間、ふと上を見上げた。この行動に意味などない。ただ、これからへの不安で迷って反射的に上を向いただけだ。


 目の前の空には、他の星の存在感を奪ったような綺麗で綺麗で明るい明るい星があった。


「綺麗な星…!!」


寒さ。空腹。迷い。焦り。不安。恐怖。そんな感情を忘れたかのようにその星をずっと見つめていた。本当に魅入られる星だったんだ。周りの暗い空に白く広め、他の星をかすませてしまうほどの光だった。こんなに強い光の星が、大きな星が存在したなんて…知らなかった。薄い翡翠色のした瞳いっぱいに、その星の光が溢れる。

「本当に綺麗だな……明るい。」

 そうやって見惚れていたが、背後から人の気配を感じて現実へと引き出された。人影は近づいてくる。振り向くより先に声をかけられた。


「あの星について知りたいかい?」


声質的に、かなり年の重ねた方で女性と推測できた。振り返ると、やはり老婆が立っていた。背の低いその老婆は、分厚いローブを纏い、魔女のような帽子を深々と被っていて、言葉を選ばずに言うと『不気味』な姿だった。

「すごい綺麗な星で、見入っていました……あの星はなにか特別なのですか?」

本だけで身につけた言葉、伝わってるかなぁ……怖い。久しぶりの他人との会話…どういうトーンでどういう感情で話せばいいの!?せっかくの人…道くらいは聞ける…聞きたいのに…声を出す勇気がない。

「そうじゃよ…特別な星じゃ。というより、お嬢ちゃん、何だその格好は。」

「え……?」

薄汚れた布切れのような服。彼女にとっては『普通』で特におかしいとは感じてなかった。

「そんな服じゃ寒いじゃろ。どうしてそんな服装でここへ…?」

「えっと…」

大人って怖いと思ってた。でもこのおばあさんは心配してくれてる。大丈夫なのかな…この人に話しても。大人って優しいの?怖いのが『普通』じゃないの?

「わっ…私!!実は、、、お母さんについさっき捨てられて!!で、、これからどうしようかと迷っていたん…です!」

おばあさんはこの話を聞いて少し目を開いて驚いていた。捨てられた子どもに関わりたくないのかな…?返事が怖い。


 頭をよぎるよく覚えてる、記憶。

”声なんて出さなくてい!!わざわざ話さなくていいんだよ!!鬱陶しい……適当に本でも読んどけ!ご飯減らすから__。”

怖い記憶。声を出したから大人は怒るんだ。だからこのおばあさんも、私に怒るのかな…?感情の整理がつく前に、おばあさんが口を開いた。


「そうか…行く宛もないなら私の家へ来るかい?星の話もしてやる。」

「えっ…いいんですか?」


『怖い』と『優しい』、どっちが『普通』なの?違う、『怖い』もあって『優しい』もある。人によって割合が違うだけ。それが、大人。それが人だ。やっと感情に整理がついた。行く宛もない。それにこのおばあさんなら大丈夫な気がする。

 「おっ…お願いします!」

「こちらこそじゃ…お嬢ちゃんの名前は?」



「ルリハ・カザグレンです…!」


「ルリハか…いい名前じゃな。」

「ありがとうございます!お…おばあさんの名前は?」



「そうじゃな……『仮に』ユース・アルギルとでも名乗っておこう。」



『仮に』という言葉と『名乗っておこう』という言い回しが少し不思議に心を曇らせる。でも、新しい人生への期待が胸を晴れさせる。




私の新しい人生が、きっと、ここから始まる。






読んでいただきありがとうございます!


これから、この作品をよろしくお願いします。


少しでも面白いと思える作品になれるように頑張ります!


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