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色んなやつに戦わせるカオスなバトルロワイヤル第16弾。
【登場人物紹介】
徳川家斉:将軍。側室が多すぎて札も数えられない。
板垣退助:自由とカルタの戦士。「百人一首死すとも自由は死せず」
カール・マルクス:札を共有財産にしたがる。カルタ共産化計画中。
ニコラ・テスラ:電気で札をめくる。パチパチうるさい。
トーマス・エジソン:札の取り方をすぐ特許出願する。対テスラ用意万端。
アルキメデス:札を浮かせて取ろうとする。風呂に入りたがる。
ドストエフスキー:札を取るたびに「苦悩」を語る。重い。
イットリウム(本物のホンモノ):誰も何を言ってるのか分からない。札と一体化して消えることもある。
【序章:カルタ地獄の開幕】
――2025年。地球は謎の力によって、8人の偉人たちが「百人一首」決戦の場に召喚されていた。
会場は京都・宇宙次元カルタ競技場。空中に浮かぶ畳。読まれるたびに爆発する札。ルールはない。
MCを務めるのは、平安時代から来たスサノオ風の謎神「カルタ・スザク」。
「ルール?そんなものは百人一首には不要だッ!」
【第一章:開戦!揺れる札、うねる自由】
札が風に舞う。
「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川」
ドン!
テスラの頭上に雷が落ちる。周囲の札が磁場で浮かぶ。
「この振動数は……完璧だ……!」
横でマルクスが叫ぶ。
「札の所有権は、すべてプレイヤーの集合体に帰属するべきだ!」
「板垣死すとも自由は死せずッ!!!」
板垣は札を掴んで空を飛ぶ。
家斉「えーと、これどこに出しても笑いが取れる系将軍だけど……札って何だっけ?」
エジソン「特許だ」
「いや違うよ?」
【第二章:アルキメデス、湯船に沈む】
「ゆらのとを わたるふなびと……?」
「浮いたァァァ!!!」
アルキメデスが叫ぶ。畳の上で湯船を生成し、その中で札を浮かせて取る奇策。
ドストエフスキー「カルタとは、罪のようなものだ……札の裏には、死者の叫びが聞こえる……」
誰も聞いていない。
【第三章:イットリウムが空間を割る】
「おぉぉおぉぉぉ……ウィッ……とりゅうううむむむむむむむ!!!!」
床がひび割れる。札が空間から消える。
マルクス「イットリウム!それは人民の札だぞ!」
イットリウム「ンヒョロロロロ!札とは、存在を超越した物理情報体。よって吾は……これを咀嚼する!」
パクリ。
板垣「何だこいつッ!?」
家斉「子供が51人いるんだけどそれより怖いよ」
【第四章:テスラ vs エジソン vs ドストエフスキー】
「雷光カルタ流・千本掴みィ!!!」
テスラが電磁加速で30枚同時取り。
「今それ特許出したから!」
エジソンがスーツケースを叩くと、ドローン型札収集マシンが飛ぶ。
ドストエフスキー「どこまで行っても、我々は、カルタに敗北している……!」
家斉「何で君、ずっと悩んでるの……?」
【第五章:地獄の自由主義札合戦】
札が回転する。読み手の声が増幅する。
「わがいほは 都のたつみ しかぞすむ」
板垣「その札は、自由民権運動の象徴!」
テスラ「いや、波動論的にこれは俺の!」
イットリウム「我は札の集合知体。万物にして空無ッ!」
マルクス「意味がわからないが、彼を革命に使える気がする」
【最終章:札が溶け、叫びが飛ぶ】
全ての札が燃えた。ドストエフスキーの手の中で。
「……すべての句は、魂の痛みから生まれたのだ……」
マルクス「最後の一枚は……全員で分けよう」
イットリウム「それは不可能。吾がすでに札と一体化しているゆえ。消えろ」
シュンッ(時空の裂け目に消える)
【エピローグ:誰が勝ったのか?】
カルタ・スザクが告げる。
「勝者は――」
\ドンッ!!/
徳川家斉:5枚(ただの運)
板垣退助:17枚
マルクス:7枚(共同所有)
テスラ:26枚(電撃使用)
エジソン:26枚(ドローン使用)
アルキメデス:2枚(湯船から)
ドストエフスキー:すべて燃やす
イットリウム:札と同化して消滅
よって、
勝者:ドストエフスキー(物理的には誰も勝ってない)
【結び】
最後の一言。
ドストエフスキー「我々の勝利とは、敗北を受け入れる覚悟そのものなのだ……」
家斉「……なに言ってるのか全然わからんけど、今日の夕飯何?」
〜完〜