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私の世界をあなた色に染めて  作者: あるみす
6/13

危機一髪の芽亜

「うわぁぁああ!凄い!凄いです!こんな豪華な日本食初めて見ました!」


  夕飯の時間まで一緒に格闘ゲームで時間を潰していた私達は結由さんに呼ばれてご飯を食べる座敷に行ったのだけど、おばあちゃんが頑張りすぎちゃったのかいつもの倍くらいの品目が並んでいた。


「さぁ二人とも、たんとお食べ」

「頂きます!」


  芽亜は目をキラキラさせながら作りたての料理にお箸を伸ばす。


「はいお嬢様〜、お茶です〜」

「ありがと結由さん。ほら結由さんも美来さんも一緒に食べよ!」

「使用人とも一緒に食べようとするなんてやはり優しいですね楓お嬢様は」

「そんなことないよ。私、皆で食卓囲むの好きだから。ただそれだけだよ」

「じゃあお嬢様〜お口を開けてー?」

「!!ゆゆひゃん!?ごほっごほっ!」


  結由さんが私にご飯を食べさせようとしてきたのを目の当たりにした芽亜がお行儀よく食べていたのに驚いて器官に入ったらしい。


「ほら大丈夫?」

「あ、ありがとうございました…。それより!結由さん何してるんですか!」

「何ってあーんだけど?」

「あ、あーん♡だなんて…う、羨ましい…!」


  芽亜は私を挟んで反対側にいる結由さんを羨ましそうに唸っている。対してそれを見て勝ち誇ったような笑顔を浮かべる結由さん。人を挟んで楽しそうなことするのやめてくれないかなぁ。ご飯冷めちゃうじゃん。


「もー二人とも普通に食べようよ。んっ、ん〜〜〜♡おばあちゃん!この煮付けすっごい美味しい!」

「楓ちゃんは本当に美味しそうに食べてくれるから作りがいがあるよ。芽亜ちゃんはどうだい?日本の食べ物は口に合わないかい?」


  芽亜はお箸を置き、口元を丁寧に拭うと感動した様な事を言っている。純日本人の私より礼儀正しいよねこの子。


「そう言えば芽亜様はどこの出身なんですか?」


  美来さんが疑問に思ったのか芽亜に尋ねる。


「イタリアです。高校入学を機に一人で日本に来たんですよ。母が日本人なのでずっと憧れてたのもありましたし」

「じゃあ今一人暮らしなのね?」

「はい!ここの近所の吉野荘に住んでまして〜」

「吉野荘…。あそこもうそろそろ解体するんじゃなかったかしら…」

「吉野の婆さんが腰が悪い言うから施設入るらしい言ってはったからね。娘さんも今は結婚して遠くに出てるようやし」

「え、じゃあ芽亜さんお家…どうするの?」

「やっぱりヤバいよねーこの状況…」


  おばあちゃんの目線が何故か芽亜を値踏みするかのように鋭い物になっているのにふと気がついた。


「ま、まぁ確かに退去願は言われてますし現在路頭に迷いかけてますけど…。新しいお部屋契約したら大丈夫ですから!」

「でも新学期も始まっちゃった今だと近場の部屋はもう埋まっちゃってるんじゃないの?ほら、あの高校結構一人暮らしの子居たでしょ?」


  結由さんは現在大学生。一年前には私達と同じ高校に通っていた先輩でもあるのだ。ちなみに私と結由さんは一年だけ被ってたんだけど…結由さんのスキンシップが激しすぎて今の私と芽亜の様な要らない噂が飛び交ってたなぁ。


「芽亜さん。その事はご両親には伝えたのかい?」

「えと…部屋を新しく探してるとは…。親は忙しくて今手が離せない様なので一人で探してる感じですね…。お恥ずかしい限りですが」


  芽亜はたははと笑って見せたがいつものような無邪気さが感じられなかった。


「うん、そうかそうか」


  おばあちゃんはお箸を置いてお茶を一口口に含んだ。


「芽亜さん、うちで暮らすかい?」

「……えぇ!?」


  おばあちゃんの突然の提案に芽亜は目を丸くするのだった。

  なんか凄いことになりそうな予感がするよ…。


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