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私の世界をあなた色に染めて  作者: あるみす
4/13

神宮寺家

遅れて申し訳ないです

  ちょっとしたいざこざがあった翌日、神楽坂さん…もとい芽亜…と一緒に帰っている時衝撃の事実が発覚した。


「芽亜って一人暮らししてるの?」

「言ってませんでしたっけ?」


  芽亜はサラッと言ってくるが私はこの子が心配で仕方なかった。そもそも今発覚したのだって今日帰るのがいつもより遅いせいでスーパーに寄る時間が無いって言い出したのがきっかけだ。


「料理…できるの?」

「え!?……えー、なんと言いますかぁ」

「ふふっ、苦手でしょ」

「も、もー!笑わないでくださいよ!仕方ないじゃないですか!人間料理くらい出来なくても生きていけますから!」


  他に誰か居るならそれでもいいのだろうけど…。そもそもなんで一人暮らししてるんだろう。


「ご両親は今どこで暮らしてるの?」

「イタリアですね」

「いた…!?」

「私一応母が日本人なんで一応国籍は持ってたんですよ。それで日本に憧れもあったので高校を機に一人で留学してきたって感じですね〜」

「サラッととんでもない事言ったわねあなた…。そうまでして日本に憧れてた理由って何?和食とか?」

「和食も勿論好きですけど、特に好きなのはアニメですね!」


  そう言って芽亜は瞳をキラキラと輝かせる。


「母のおかげもあって日本語は話せたんですけどイタリアだと使う機会があまりなくってですねー。仕方なく日本のアニメ見たりしてたんですけどそれにハマっちゃったんですよね〜」

「そうだったんだ…アニメ、好きだったんだね」

「はい!先輩と同じです!……それに、私…」

「うん?」

「い、いえ!なんでもありません!」


  芽亜は頬を恥ずかしそうに染めると顔を逸らしてしまう。本当にコロコロ変わるなぁ。


「それじゃあ今日はご飯どうするの?」

「うーん、買い置きのカップ麺とか…ですかね?」

「花の女子高生がカップ麺の夕食…」


  これは何とかしなくちゃダメかもしれない…。栄養が偏る所の話じゃないわよね。

  私はうーんと唸ると一つ提案してみた。


「今日私の家でご飯食べていく…?」

「え、良いんですか!?」

「うん、私今おばあちゃん家に居候させてもらっててうち人数も少ないから」

「御迷惑じゃなければお邪魔したいですっ!」

「ふふっ、分かった。じゃ行こっか」

「やった〜!」


  ◇


「あっ…あの…せん、ぱい?」

「どうかした?」

「先輩ってもしかしなくてもすっごいお金持ちだったりしません?」


  芽亜は私の家に着くなり唖然として言葉を失っている。


「おばあちゃん家大っきいでしょ。私の両親の家はここまでじゃないんだけどねー」


  なんでもおじいちゃんがここら辺では結構名が通る人らしくて、土地ももう驚くくらいに大きい。京都の田舎だから実現出来るんだろうけどね?

  門を開けてポカンと口が開いたままの芽亜の手を引っ張って家に入るとお手伝いさんの結由さんが出迎えてくれる。


「おかえりなさいお嬢様!そちらの方はどちら様ですか?」


  結由さんは元々うちのお手伝いさんだった人の娘さんで、今は結由さんのお母さんと二人でうちで働いてくれている。それに。私とほとんど歳も変わらない上に小さい頃からの知り合いなので親戚のお姉ちゃんという位置がしっくりくる。それでいて明るく朗らかな性格なので私は結由さんが好きだった。


「ただいま結由さん。この子は後輩の神楽坂芽亜さん。今日うちでご飯ご馳走してもいい?」

「!!お嬢様がお友達を!感激でお姉ちゃん泣きそうです」

「ちょ、ちょっと大袈裟だよ結由さん!」

「あ、あの…神楽坂芽亜です。お邪魔じゃないですか…?」

「これはこれはご丁寧に。私は楓お嬢様のお姉ちゃんの皐月結由です〜。1人くらい増えたところで何も問題ないのでゆっくりして行ってくださいね〜」

「お、お姉ちゃん?先輩お姉さんが居たんですか…?でも苗字違うような…」


  結由さんが紛らわしい紹介するから困惑しちゃってるじゃん…。まぁ血が繋がってなくてもお姉ちゃんな事には変わりないんだけどさぁ。


「結由さんはうちのお手伝いさんなの。小さい頃から面倒見てもらってるからお姉ちゃんってのもあながち間違いじゃない…のかな?」

「自信もって言い切ってくださいよお嬢様〜」


  お手伝いさんが居ることに衝撃をうけたらしい芽亜は目を白黒させていてる。まあ…気持ちはすごい分かるけどね?


  でもそれ以上に芽亜が家にやってきた事でとんでもない事になってしまうのはこの時は知る由もなかった。


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