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序章~プロローグ及び序文~

始めて連載という形で投稿しようと思います。

 今までやっていた研究がひと段落したので、新たな研究の材料を求めて大学附属図書館へやってきた。


 「 ハヤトさん、ようこそいらっしゃいました。本日の要件は何でしょうか。」

 「こんにちは、ジャンヌさん。今までやってきた研究の方がひと段落ついたので、新しい研究の材料はないだろうかと探しに来たところですよ。」

 「良い本が見つかるとよいですね。」

 ジャンヌ――ジャンヌ・エスプリ―― さんは、図書館で会うときはいつも声をかけてくれる。俺が何の研究をしているのかも良く知っているので、研究の役に立ちそうな本があるとすぐに教えてくれる良い人だ。




 さて、少し自己紹介をすると、この古都カイザポリスで奇跡と魔法の研究をしている。ハヤト・イシダという名前だ。

 大仰に奇跡と魔法の研究といっても、この現実世界で実際にそんなものを人為的に起こせるという分けではない。そういうものはゲームやアニメ、漫画の中の話だ。

 だが、それだけで終わっては人生面白くないとも思っている。そういうわけで、俺は空想の世界への憧れを捨てきれず、魔法や奇跡を再現できないだろうかと研究しているのである。

 つい最近までは言霊や真言というスピリチュアルな方面の研究をしていた。資料も少なかったので実際に教会や霊的なスポットなどにも足を運んで研究をしていたが、実をいうと、あまり成果は得られなかった。




 まあ、俺の自己紹介はそれくらいにしておいて、新しい研究の材料を探す時はいつも図書館に来るようにしている。なぜかというと、思いもよらない本のジャンルの組み合わせから何か良い研究案が浮かんでくるのではないだろうかという推測からだ。決してソファの寝心地が良いからではないということを付け加えておこう。


 「ハヤト先生。そういえば、数日前に寄贈された本にパラパラっと目を通したのですが、その本に魔法についての記述がいくらかあったので、お読みになると何か研究のヒントになるかもしれないですよ。」

 「おお!それは教えていただきありがとうございます。どこにありますか?」

 「ご案内いたしますよ。こちらです。」


 ジャンヌさんについていくと、今まで見たこともないような装丁の本が数冊並んでいた。その装丁の中央には魔法陣のようなものが描かれており、その周りには植物の蔦を模したような装飾がつけられている。

 「『カイザポリス戦記』…?数世紀前にこの都市であったという戦争のことか?でもなんで、実際に起こった戦争の記録に魔法なんか出てくるんだろう。まあ、とりあえず借りて読んでみるか。」


 この都市があるプライド帝国(ライヒ)の歴史を語る上でこの戦役は避けては通れないのである。現在の首都がある地域もこの戦役のときに獲得したものだし、今では観光地化しているこの古都の旧市街もこの戦役のときに半壊するくらい激しい戦争だったらしい。


 しかし、この戦争を語るとき、この世界に存在しないため当たり前かもしれないが、魔法が使われたと習ったり、そう書物にかかれていたことは一度たりともない。

 だから、魔法がこの戦役に関係していたとは到底思えないのだが、いつも私に協力してくれているジャンヌさんが言うのだから、言葉だけならば出てくるのは間違いないのだろう。


 この本は全部で6巻あり、それぞれの副題を見るに、だいたい俺が習ったり調べたりした戦争の経過と合致しているので、ウソを書いている本ではないと思い、面白半分に読んでみることにしてみたのである。だが、本の貸出期間の関係で、まずは第1巻から借りてみることにした。


 さて、これから研究室にこもりきりになるな、と思いながら図書館を後にした。




 研究室に帰ってくると、助手君はすでに家に帰った後で、研究室は閑散としていた。まあ、普段は俺と助手君しかいないから当然なのだけれど。


 早速、借りてきた本を広げてコーヒーでもすすりながら読み始めることにした。

 表紙をめくったとき、何となく本が光ったような気がした。




~~序文~~

 こんにちは。私はこの戦記の著者、ヨーゼフ・ゼクレテーアです。

 この本が完成している時にはすでに魔法の存在など忘れ去られているのでしょうが、実際に魔法は存在したのです。


 神聖イグレシア教国との戦争中に皇帝陛下がなさった決断により、魔法はこの世から消え去ったのであります。


 これからあなたが目撃するのは、この街であった悲惨な戦争の記憶と今は無き魔法の記憶です。あなたがこの本を読んでいる時には既に私は死んでいるでしょうが、そんなことは些細な問題です。


 なぜ、この世界から魔法が消えてしまったのかをページを繰りながら思い馳せてください。




―――この本を親愛なる皇帝陛下と彼の小さな友人に捧ぐ。

どのくらいの頻度で投稿しているのかはわかりませんが、自分が嫌にならないペースで投稿していこうと思います。完結できるように頑張るぞ!


 ヨーロッパ風の名前で始めてしまったので名付けに苦労しています。もし、考えてくださる方がいらっしゃったら感想にお願いいたします。<(_ _)> 2021/07/15

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