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ケジメの戦い

シャーリーはカリス達と逸れてから今までの事を包み隠さずに全て話した。


いつもなら面倒だからとノアに任せていた事だが、これは自分がやらないといけないと思った。


創造神との戦いまで全て聴き終えた所で今まで我慢していたマリアが机を叩きつける。


「黙って聞いていれば……それじゃ今までアタシ達はシャーリーの掌で踊らされてたって事じゃないか!!」


「正直な話、貴女の周りにいる3人が神……しかも、その内の1人は魔王のコスチュームを着ていた邪神だなんて荒唐無稽過ぎて信じられませんよ」


カリンもところどころに思い当たる節はあるものの、信じたくない一心でシャーリーの話を否定した。


だが、カリスだけは冷静だった。


「ノア君……先ずは返してもらっていいかな?」


「ええ、その為に来たのですから」


ノアがそう返事をすると光の粒子がノアからカリスに移っていく。


「カリス……今のは?」


「まさか……先程の話にあった勇者の力?」


「ああ、そうだよ。

そして2人が信じられないならやる事は一つじゃないかな?

シャーリー……君に勝負を挑ませてもらうよ」


「分かった。

3人まとめて相手をする」


シャーリーはそう言ってカリスの家から外に出ていく。


カリスも戦いを離れてからも手入れを欠かしていない武具を装備して表に出ていく。


別れる前のシャーリーのイメージしかない2人は最初は装備を持っていく事を躊躇したが、並々ならぬ闘気を漂わせるカリスの気配にフル装備で外に出て行った。


「油断もしないし、仲間だった時の遠慮もしない。

全力で挑ませてもらうよ」


「問題ない。

何処からでも好きなタイミングで」


「遠慮なくやらせてもらうよ!」


そうシャーリーが答えた瞬間にマリアが真正面から斬りかかる。


その攻撃を紙一重でかわすシャーリー。


「でやああああ!!」


更にその背後からはカリンも攻撃を仕掛けて挟み込む形で連撃を繰り出した。


だが、2人がどれだけ攻撃を繰り出してもシャーリーにはマトモに攻撃が当たらない。


いや……そんな次元の話ではなかった。


今までの2人の戦いの経験では攻撃がかわされるという事は多々あった。


それは実力差であったり仕掛けるタイミングであったりと原因は様々であるが、共通したし認識として直前には当たらない……もしくは直後に回避された事を理解できていた。


だが、シャーリーは違う。


仕掛けるタイミングは完璧であり攻撃がシャリーの身体に触れたという感触まで得られていた。


しかし、その直後に来るはずの手応えがないのだ。


スカを食らうという言葉があるが、2人の気分は正にそれであった。


そんな状態が長らく続いてくると攻撃にミスも出てくる。


「しまった!!」


カリンとの連携をミスして全く場所に攻撃を仕掛けてしまう……この状態で先程のスカを喰らうような回避をされれば勢いが止まらずにお互いを攻撃してしまうだろう。


来ることが予想できた衝撃に2人はグッと歯を食い縛る。


だが、その直前に


「雷よ!!」


という言葉と共にシャーリーに雷が落ちてくる。


前衛2人が足止めしている間に魔力を溜めた勇者の魔法を繰り出す。


シャーリー達が創造神に使った手と同じである。


これ以上ないほどに完璧な仕掛けであった。


カリスの魔法。


マリアの横薙ぎ。


カリンの飛び蹴り。


どれを喰らい、どれを回避するのか?


そういう選択に迫られる攻撃……の筈であった。


だが、シャーリーはマリアの剣を右手の指で挟んで止め、カリンの飛び蹴りは足首をキャッチして止める。


更に空から落ちてきた雷は……


「うるさい!」


と言っで頭突きで遠くに飛ばしてしまう。


「……これは参ったね、降参だよ」


その様子を見たカリスは迷うことなく白旗を上げたのだった。

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