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決められた役割

シャーリーは創造神の言葉を全く理解できなかった。


記憶を無くしたノアは自分の事を姉のように慕ってくれていたのは分かっている。


だから、自分も本当の弟のように接して家族のような甘え方はしていた。


そのノアから向けられていた感情が恋愛だと言われても全く実感が湧かなかったのだ。


「そんな事あるわけない。

そうだよな、ノア?」


だからいつものようにノオの顔を見て尋ねる。


だが、ノアはその質問に答えずに顔を背けてしまった……耳まで真っ赤にしながら。


その光景に流石のシャーリーも気付いてしまった……創造神の話すことは事実だと言う事に。


「理解できたようですね」


「それで私とノアを処罰しにきたということ?」


シャーリーがそう聞くと創造神は鼻で笑う。


「ノアを処罰などしませんよ。

処罰するのはその原因使った貴方だけです。

今回のことは記憶を失った事が原因でしょう。

貴方を処罰した後でノアの記憶を戻しましょう。

……そうそう、ついでにアートゥルの封じた力も戻して本来の任務についてもらいましょうか。

シャーリーというイレギュラーのせいで各地の人間が力をつけ過ぎたようですしね」


創造神が楽しそうにそう告げる中で今まで頭を下げていたエムザラが顔をあげる。


「創造神様……私は……」


「エムザラも元の役目に戻ってもらいますよ。

ノアとの夫婦神という役割に」


「えっ……」


「僕とエムザラが夫婦?」


創造神が落とした更なる爆弾発言にシャーリーとノアが凍りつく。


それが本当だとしたら何故今までその事を告げずに黙ってついてきていたのだろうか?


シャーリーからは家族愛だったとはいえ、この旅の間に2人は一緒にお風呂に入ったり、同じ布団で寝たりと妻という立場から見るとマトモに見ていられない事をしていたと思う。


その事に気がついたエムザラが2人に語り出した。


「私とノアは確かに夫婦神として生まれた……しかし、あくまで夫婦神という設定を与えられて創られただけだったんだ。

そこにいるアートゥルが初めから邪神として力を振るっては封印されるだけの存在だったのと同じようにね。

だから、私はノアの事を旦那だと思っちゃいないし、記憶がある時のノアもそうだっただろう」


「だからと言って役割を放棄していいという事ではないでしょう」


「そうだと思ったからアタシはおかしな人間と旅をし始めたノアのところに出向いた。

そこで見ちまったんだよ……アタシといる時よりも余程楽しそうに活き活きしている様子を。

それを見てたら何だかもっと2人の事を見たくなっちまってね……ズルズルときてこの有様だよ」


「安心してください。

貴方を惑わした人間は処罰されます。

そうすれば元の役目に戻る弊害も無くなるでしょう」


創造神はそれが世界の真理であり絶対の正しい行いと信じていた。


だから、エムザラは大人しく自分に従うだろうと。


だが……反論は思わぬ所からやってきた


「馬鹿馬鹿しい……勝手に役割を決め好き勝手言いやがる……シャーリー、悪いがこの封印解かせてもらう」


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