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ネタバラシ

カリス達の勝利で終わった勇者と魔王の戦い。


カリス達はメリッサと共に故郷に赴き彼女も仲間としてその活躍を報告するつもりであった。


しかし、彼女は自分は役目を果たしただけと固辞して自身の村に帰っていった。


魔王討伐に力を貸してくれただけでもありがたいので、カリスはメリッサの意思を尊重して彼女を村まで送り届けて帰路に着いた。


2日ほど経って完全にカリス達がいない事を確認したメリッサは再び魔王城に向かっていた。


彼女が向かった先は決戦の場である大広間である。


そこにはメリッサが世話になったシャーリーとノア、エムザラに加えて1人の男性がいた。


「お姉様、久しぶりです」


「久しぶり。

それとありがとう」


「いえ、お役に立てて嬉しいです。

それで……そちらの方が?」


「アートゥルだ。

よろしく頼む」


「えっと、メリッサです。

初めまして……では無いんですよね?」


「この姿では無かったがな。

我が負けたのはメリッサの底なしの魔力があったからこそだろう」


そう……この2人は一度会っているし何なら戦っていた。


シャーリー謹製の魔王スーツを動かしていたのはアートゥルだったのだから。


「ありがとうございます。

それで……魔王ではなく邪神でしたっけ。

このまま放置していても大丈夫なのですか?」


「その事については問題ない。

シャーリーの作った我の力を封じる装具のお陰で魔物達の凶暴化も収まるであろう」


「魔王役が終わったら外して良かったのに」


「世界を回るのにコレは付けておいた方が良さそうだからな」


「あの……ずっと疑問に思っていたのですがアートゥルさんはどうしてあの爆発の中で無事だったんですか?」


「説明が面倒だからノア代わりにお願い」


「はぁ……仕方ないですね。

先ずはこちらをご覧ください」


そう言って跡形もなく消え去った玉座の下にある床を指さした。


そこには真っ赤で高級そうな絨毯が強いてあった。


ノアがそれをぺろりと捲るとその下には大き穴が空いていた。


「玉座に腰掛けて魔王スーツが爆発した時、スーツのお尻の部分が開いてそこから下に落ちるようになっていたのです。

更に玉座も腰掛けていたから気づかなかったでしょうが、穴が空いていました。

この三重の穴によってスーツの中に入っていたアートゥルは下の階に落ちます。

その辺りからスーツが激しく燃えて煙が上がる為に玉座付近が見えなくなるように設定していました。

その隙を練って空いた穴を防ぐようにこの絨毯を敷いたのです」


「なるほど。

中に入っていたアートゥルさんがいなくなった為に、激しく燃えて爆発することで証拠を隠滅しようと考えてわけですね」


「そういう事だね。

ついでに激しく爆発したのは証拠隠滅の他に他に赤い色に目を慣れさせるという意味もあります。

そのおかげで玉座まで燃えて消えるほどの爆発に関わらず、誰もが無傷の絨毯に疑問を持たなかったのです」


「現場にいた私でも全く気付きませんでしたよ」

手品に詳しい人は知ってると思いますが大広間で大掛かりなイリュージョンでは基礎的なトリックのタネです。

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