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魔王の見た目と負ける準備

アートゥルは魔王として能力を封印して戦う事を了承した。


その事について後悔は無いし、約束を違えるつもりはない。


だが……今の自分の姿には疑問を持たざるを得なかった。


「我は何故このような格好をさせられておる?」


人間の成人男性と変わらぬ姿をしていたアートゥルだが、現在は身長が5メートルを超えるほどに伸び、背中にはコウモリのような翼。


腰からは太く黒い尾、更に頭には立派な角が2本生えていた。


「折角だから皆がイメージする魔王っぽいデザインにした」


「これを作る為に壊れた遠隔ゴーレムの素材集めさせるとか勘弁して欲しかったんですが」


「その間にアートゥルを倒すとか姉御はどんだけバケモンなんだよ」


いつの間にか合流していたノアとエムザラがシャーリーに文句を言う。


彼らはシャーリの頼みで過去にカリス達に試練を与える時に使った遠隔ゴーレムの残骸をかき集めていたのだった。


そんなゴーレムの残骸と新たな素材を混ぜ合わせて作ったのが、この乗り込み型ゴーレム『魔王君一号』である。


そう……その名の通りにこれは背中から中に乗り込んむ事が出来、自身の身体と同じように扱う事が出来る。


「元々はやり過ぎて止めを刺してしまった時の為の保険だったけど、アートゥルの見た目が普通すぎるのが悪い」


「アタシ達見れば分かると思うけど神が地上に降りる時は基本的に人間の姿を取るんだよ。

器用な手があってバランス感覚にも優れているこの姿が一番扱いやすいからね」


「その為に取った姿にイチャモンつけられるとは思わなかったぞ」


「魔王っぽい見た目以外にも負けた時に逃げ出す為の仕掛けも付けるから文句言わない」


「………」


そうやって魔王君一号の調整をしているシャーリーの機材出しを手伝っていたノアではあるが、明らかに不満そうな顔をしていた。


「ノア、どうした?」


「この男は邪神なのですよね?

上手く倒せたからといって信頼していいのでしょうか?」


「ノアはどうしたんだ?

信頼も何も我らは神界の二大問題児と言われておった仲だろう?」


「いま、こいつは記憶が無くなっていてアートゥルの事も覚えてねえんだよ」


「拳を交えて信頼出来るも思ったから大丈夫。

それじゃ、今から脱出方法を説明するから最後は言った通りに」


こうして魔王としての見た目を手に入れたアートゥルはその姿で勇者達がたどり着くのを待った。


程なくして新たに仲間を加えた勇者一行が近づいて来ているという連絡がアートゥルの元に入ってきた。

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