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魔物と戦う術

「それで、俺たちはいったいなにをすればいいんだ?」


ジョンを始めとする男衆がやる気に満ちた目でシャーリーを見つめる。


「先ずは外で魔物を狩ってもらう」


「いや、それが出来たら苦労しないだろ?

魔物を倒せるようになる為に何をしたらいいのかって話で……」


「その為の装備を貸すから大丈夫。

これを装備したらど素人でもこの辺りの魔物と渡り合える」


「そんな装備があるなら!!」


「話は最後まで聞いてくださいね。

ここからは僕が代わりに話しますが、お姉ちゃんの提供する装備を身につければ魔物と確かに渡り合えます。

ただ、怪我もしますし痛みも感じますのでそれで動けなくるような根性の人では困るんです。

村を守る為に決して屈しない強い精神力を持つ人が。

そんな人が1人と、目の前で魔物の群れがいても冷静に動ける人が3人。

我こそはと言う人がいますか?」


話すのが下手なシャーりの代わりに前に出るノア。


彼女に任せていては「魔物と戦う4人決めて」で話が終わると確信したからである。


今まで戦ったことのない村人達なので、この矢面に立って戦う役には中々志願者が現れないと思っていた。


そんなノアの予想は良い意味で裏切られる事になる。


「それなら表立って戦うのは俺が適任だな」


そう言って志願したのは他ならぬジョンであった。


「俺はあんた達がいなければ無駄死にしていた所だ。

折角助かった命なら村の為に使いたいと思う」


ジョンがそう言って志願すると彼の仲間達も一斉に志願する。


その数は募集したよりも遥かに多かった為にノアはジョン自身にサポートする人間を決めてもらうことにした。


そうして集まった4人の前にシャーリーは装備を手渡していく。


サポート役の3人には隠蔽により魔物から姿が見えなくなるローブを渡す。


更に攻撃、防御、素早さを上げる杖。


同じく攻撃、防御、素早さを下げる杖。


広範囲の魔物を眠らせる魔法を発動する杖。


を其々に渡した上で、更に対象1人に回復魔法を発動する杖を全員に一本ずつ渡す。


そして、ジョンには渡した装備は村人でも装備できる片手剣や革鎧などの軽量装備である。


これらの装備には身につけた者の体力を大幅に上げる効果を持っている。


それらを渡しながら説明した上でノアは作戦を語る。


「つまりですね……体力を極限まで底上げしたジョンさんを前面に押し出します。

その間にサポートの3人はジョンさんへの強化、魔物への弱体、魔物を無力化してジョンさんと一対一で戦うという状況を作り出してください。

後はジョンさんが戦っている間にひたすらこの回復の杖を振り続けるんです」


「なるほど……確かにそれなら勝てるかもしれない」


「絶対に勝てますよ……ただ、その装備は体力の底上げをするのであって防御力を上げるわけではありません。

痛みはそのままですので頑張って耐えてください」


ここに来る前に防御力や耐性を底上げすると言う話もあったのだが、痛みを感じない状況を日常化してしまい、いざ痛みを伴うダメージを受けたらきっと動けなくなってしまう。


そう考えてシャーリー達は敢えて痛みを受け止めて戦う戦法を選んだのであった。


「問題ない……この村を、仲間達を守る為ならいくらでも耐えてみせよう」


そう答えるジョンに装備を手渡しながらシャーリーが最後の……そして、この作戦で1番肝心なことを話した。


「倒した魔物が木の実を落としたら持って帰ってきて。

その場で食べないでね」


「子供じゃあるまいし拾い食いなんてしねえよ」


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