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近い未来と対抗手段

シャーリー達がメリッサの家に上がると彼女は恐る恐る2人に問いかけた。


「あの……単刀直入に尋ねますが貴女方は一体何者なのですか?

人を遥かに超える力を持つ女性と神のオーラを漂わせる少年がこの地に偶然訪れたなんて思えないんです」


「もちろん偶然じゃない……目的は貴女」


「私……ですか?」


シャーリーの言葉にメリッサが問いかける。


そしてシャーリーの返答を待つのだが、彼女は顎に手を当てて何か考え始める。


その様子にノアが深いため息をついて代わりに話し始めた。


「気にしないでください。

お姉ちゃんは口下手なのでどう説明しようか悩んでいるだけですから。

代わりに僕から説明しますね」


「は、はぁ……お願いします」


「分かりやすく説明しますと、もう暫くしたらこの地を勇者が通ります。

その勇者の最後の仲間として貴女が選ばれるのです」


「私が勇者様の!?

でも、私がこの村を出て行ったら……」


「残念ですがその時にはこの村は魔物に滅ぼされているのです。

村人は命懸けで貴女を逃します。

そして、どうすれば良いのか途方に暮れているところに勇者が通りがかるのです」


ノアの説明を聞いたメリッサの顔から血の気が引いてゆく。


それが荒唐無稽な話ではなく、実際に考えていたこの村の最悪の結末と当てはまっていたからだ。


この村はメリッサの隠蔽の魔法によって安全が保たれている……筈であった。


しかし、魔物達は段々と村の近くまで生息域を延ばしていた。


そうして村が発見されれば間違いなく村は壊滅するだろう。


その事が分かっていたからこそメリッサの顔が青褪めたのだ。


「その未来はどうにかならないのですか?

ノア様が神だと言うのであればその御力で……」


「残念ながら私は直接的に干渉する事はできません。

ですが、お姉ちゃん……シャーリーは違います。

彼女は力が強いですが人間ですので」


ノアがそう言うとシャーリーはメリッサに向かって笑顔で親指を立てた。


「それではシャーリー様が村を守ってくださるのですね!!」


「いや、私は守らないけど」


「それでは一体?」


「自分達の村の防衛をこんな小さな女の子に任せるなんて間違ってる。

村を守るのは村人達。

大丈夫……私が鍛えてあげるから」


そう胸を張って言うシャーリーは力強さに溢れて信頼できると思った……思ったのだが何故だろう?


彼女の背中に凶悪な顔で笑うオーガが見えた気がした。

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