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面倒ごとは押し付けよう

「お姉ちゃんの話を総合するとここでドラゴン肉を食べて強くなったという事ですね。

……趣味に没頭していれば大人しくしていると思ったんですが」


「私は大人しくしてた。

研究しながらご飯食べてただけ。

姫ちゃんにあげたのはご飯のお礼」


シャーリーの言い分にため息をつきながらノアはエムザラの方を見る。


「分かりましたか?

少し目を離しただけでコレなんですよ」


「ああ、そうだね。

こんだけ何をやらかすか分からない人間も珍しい」


「えっと……つまり、私はいつの間にか強くなってしまったという事でしょうか?」


普通に生活していただけの筈なのに強くなったと言われても全くピンときていないユディバ。


「我の修行は一体……姫を守るために頑張ったというのに」


その横ではデコバが膝から崩れ落ちて両手を地面について項垂れていた。


「まぁまぁ、身体能力が上がったても戦闘経験のない素人ですから。

姫を護る役割はちゃんと果たせますよ」


「そ、そうであるな!」


(正直、今のお姫様の能力で傷を負うことは無さそうですけどね)


ノアの声かけで立ち直ったデコバに対して本心は明言しなかったのは彼の優しさと言えるだろう。


「それでこの二人を鍛えてからはどういう手筈になってるんだい?

この二人に協力して国をひっくり返すってんなら悪いがアタイとノアはこれ以上の協力は出来ないよ。

神が手を貸せる範疇を遥かに超えてるからね」


「あ、僕も手を貸せないんですね」


「それが出来るなら魔王も邪神もアタイ達で何とかしてるさね」


「大丈夫……私も直接は目立ちすぎて手を貸す気はない。

ここは勇者達に任せるつもり」


「ああ、前に計画していた手柄を勇者達に譲る作戦ってまだ諦めてなかったんですね。

てっきり忘れているものだと思っていましたよ」


「今思い出した。

ついでに押し付けると決めた」


「……正直勇者達に同情しますよ。

それでどういう作戦でいくつもりですか?」


「それは……」


♢ ♢ ♢


サリトンの街を出発したカリス達は次の目的地であるフォーリンの城へと向かっていた。


「この辺りの魔物もかなり強力になってきたね」


「戦い甲斐があるのは嬉しいけどそろそろ休みたいもんだよ」


「この辺りに村があるという話は聞いていませんね。安全な場所を見つけて野宿ですね」


「はぁ〜偶にはベッドでゆっくり休み……なぁ、あそこに宿が無いか?」


「こんな魔物しかいないような所に宿なんてあるはずが……ありますね」


「うん、確かに宿があるね」


そう話すカリス達の前に宿屋「神の休息所」と看板に書かれた、この場に不釣り合いなほどに立派な宿屋が建っていた。


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