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勝負の決着と姫様の話

前回、ブラックドラゴン対エムザラという熱い闘いが幕を開けた……筈だったのだが、その幕は呆気なく降りた。


「ぐへぇ!?」


情けない声を上げながらダウンするブラックドラゴン。


これはエムザラの必殺技が決まったとかそんな話ではない。


エムザラがとりあえずで放った弱パンチがブラックドラゴンの顔に当たった瞬間にひっくり返ってダウンしてしまったのだ。


「ドラゴン様!

大丈夫ですか!?」


慌てて姫が駆け寄るのをシャーリー達は冷めた目で見ていた。


全員の思いは一つである……このドラゴン、弱過ぎる。


「ええっと……決着が着いた気はするけど、まだやるかい?」


「もう結構でございます。

実はドラゴン様は今までに戦闘というものをなさった事が無いのです」


「その……あまりにも衝撃的な事実に理解が追いつかないので貴方達の馴れ初めからお聞きしても良いでしょうか?」


「ドラゴンは私が治療しておくからノア達は話を聞いておいて」


「え……しかし、ドラゴン様が心配で」


「お姉ちゃんは優秀なお薬をいっぱい持っているので任せておいてください。

貴方達の今後にも関わるので話を聞かせてください」


「わ……分かりました」


♢ ♢ ♢


私は知っての通りにこの国の姫として生まれました。


母はわたしを産んですぐに亡くなった為に子供の頃は可愛がられたものです。


しかし、魔物達の動きが活発になった時から父は段々とおかしくなってしまいました。


遂には魔族に降り人類を裏切る事でこの国を保とうと画策し始めたのです。


私は止めたのですが、亡くなった母が愛した国を守る為だと父は断固として話を聞いてくれませんでした。


そして、魔族に降伏する証として姫である私を魔王が眠ると言われる地に送る事を決定したのです。


そうして私が自室のテラスで嘆いていると、何とドラゴン様が自分の住む塔から助けに来てくれたのです。


実は私が悪戯で誰かに届かないかとペットの鳩に括り付けた手紙が偶然ドラゴン様に届き、更には返事を返してくれてから文通相手として付き合いがあったのです。


ドラゴン様から塔で産まれてから何処にも出た事がなく外の世界を知りたいものの、その勇気が出ない事を嘆く手紙が。


私からは国を憂い父の暴走を報告する手紙を送っておりました。


その為、私が悲しんでいた事を知ったドラゴン様は勇気を出して塔から飛び出して私を救いに来てくださったのです。


こうして、私は塔に匿われる事になりドラゴン様と共に過ごす事になったのです。

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