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姫さま救出大作戦

ドラゴンが姫を攫ったと言われる塔への道中は毒の沼地が広がっていた。


恐らくはこの行軍の過酷さが救出を困難にさせているに違いない……しかし、シャーリー達はまるで普通の道であるかのように毒沼を進む。


「いや、アタイ達神に毒とか効かないけどさ……何で姉御も普通に歩いてんだよ」


「割合ダメージじゃないから平気」


「僕たちが見るステータス表記だと一歩で一ダメージですからね。

お姉ちゃんの体力なら1ヶ月以上歩いても全然平気ですよ」


「とんでない話だねぇ」


道中ではこの環境により変化したのか、毒を持つ蛇やトカゲといった魔物が出てくる。


それらを軽く撃退しながら先に進むのだが、当然ながらシャーリーはそれらの死体をどんどんと道具箱の中に突っ込んでいった。


「やっぱり、これらも素材にして何か作るつもりかい?」


「それもあるけどお肉は食べる。

紫色のお肉なんて食べたことないから楽しみ」


「いやいや、明らかに食べちゃいけない色してるだろ!?

やめた方がいいと思うよ」


「大丈夫、本で毒抜きの方法は読んだ。

2年間塩漬けにする方法がある」


「ああ、今すぐ食べるわけじゃないのかい。

2年後ならアタイも一緒にいないだろうし好きにすれば良いよ」


この時のエムザラはまだ知る由も無かった。


まさか自分が2年後もシャーリーと一緒にいる上に、忘れた頃に毒トカゲと毒ヘビの塩漬け肉が食卓に上がることを。


そんな事を話しながら先に進むと辺りの空気が澄んだものに変わり毒沼を抜けた事を教えてくれた。


毒の霧が晴れて視界が開けたと同時に見上げる程に高い塔がシャーリー達の前に現れる。


「これは中々登り甲斐がありそうだね」


「こういうのを一から攻略するのは好き」


「地道な活動が好きじゃないとクラフトあんなにやらないですもんね」


こうして一から登り始めた3人であるが、出てくる魔物が瞬殺である以上、苦戦することがなかった。


更に3人ともに体力お化けである為に塔を破竹の勢いで登っていく。


こうして、あっという間に登ってしまった塔という場所のせいでシャーリーのテンションはだだ下がりしてしまった。


「もっと楽しめると思ったのに……」


「いや、無理だろ」


「そこから飛び降りてもう一回登ってきたらどうです?」


ノアは冗談のつもりで壁にある窓を指さしたのだが


「そうする……素材ももう少し欲しいし」


と言って本当に飛び降りてしまった。


「本当に変わった人間……だねぇ」


「全くもって同感です。

付き合ってて飽きないですよ」


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