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問題ない

「それじゃ、早速姫様を助けにいきましょうかね」


ご飯を食べてから外に出るとシャーリーは2人に宣言する。


「おいおい…….ずっと飯に夢中で話を聞いていないのかと思えばいきなりじゃないか?

それじゃ、城に行って王様に会ってくるのかい?」


エムザラの問いかけにシャーリーではなくノアが答えた。


「いえ、お姉ちゃんがの言葉は無駄を削ぎ落としてますが本質は変わりません。

この意味は寄り道せずに真っ直ぐお姫様を助けに行くことだと思いますよ」


そう説明するノアにシャーリーは無言で親指を立てた。


「何だってそんな事を……王様から正式に依頼を受けて助けりゃ姉御の名誉になるだろうし褒美も貰えるだろう?」


「縛られるのは嫌」


「なんだい、そりゃ?」


相変わらず端的にしか喋らないシャーリーにエムザラは顔を顰める。


「王様から依頼を受けるとそれはお姉ちゃんの意思で助けたとは言えなくなるんですよ。

それにドラゴンから姫様を助けるような英雄を国が放っておくとも思えませんし。

欲望には忠実なので褒美は欲しいと思いますけど、それ以上に色んな柵がついてきて自由を奪われるのが嫌なんです……お姉ちゃんは」


「なるほどね〜まぁ、そのほうが姉御らしくて好感が持てるから良いけどね。

しかし、昔のノアは人間の気持ちなんて一切推し量らない利己的な神だったってのに、よくこんな気難しい姉御の事を細部に至るまで理解しているもんだ」


「昔の僕は知りませんけど今は殆どの時間を2人で過ごしている仲ですからね。

エムザラもその内分かるようになりますよ」


そう言うノアの後ろから抱き抱えるように体重を預けたシャーリーが


「頼りにしている」


という。


「全く……そうしてても仲の良い姉弟にしか見えないからいいけど、性別が逆だったら普通に犯罪に見えるぞ」


「恋愛感情は無いから問題ない」


「僕もそういう気持ちは一切ないので問題ないですね。

それに仲の良い姉弟に見える程度なら問題ないでしょう」


そうしてノアは頭の上にシャーリーを乗せたままズンズンと歩いていく。


その後ろ姿を見送りながら


「やれやれ、人間だけじゃなくて神も交流によって変わるもんなんかね。

まぁ、今の方がノアも好感持てるから問題ないか。

アタイも一緒に行くから置いてかないでくれよ」


と呟いて2人の後を追いかけるのであった。

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