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蛮族達の宴

「ただいま戻りました!!」


ケインに案内されたカリス達はサリトンの街の門を潜る。


カリス達は勇者の証を持っており何処の街でもそれを見せれば待ち時間0で通る事が可能である。


門までたどり着いた時にケインにその話をすると、勇者様に是非ギルドに立ち寄って欲しいという話になった。


ケインの案内でギルドの中庭に来た所でカリス達は絶句する。


全てにおいて濃ゆいのだ。


顔が濃ゆい筋肉濃度の高い男達がひたすらに筋トレをして汗を流している。


おかしい……ここは本当に魔術士ギルドのなのだろうか?


いや、どう見ても違うだろう。


カリス達は言葉が出ない中、目だけで会話していた。


「よく無事に帰った。

そして、えも……魔物も仕留めてきたようだな」


筋トレする集団を指導する、一際立派な身体つきの男がケインに声をかける。


「はっ!偶然ではありますが偶々えも……魔物を討伐する事に成功しました」


彼らは先程から魔物をどう言い間違えているのだろうか?


獲物だと思うのだが、防御力が自慢の魔物を獲物扱いで物理で狩る魔術士集団が存在してたまるか。


カリス達の心はツッコミで溢れかえっていた。


「ところで中々に見所のある筋肉を持ったそちらの3人は?」


「はっ!こちらは我々に助力を願い出てくれた勇者カリスとその仲間達です。

道中での魔物の話など聞かせてもらえたらと思いご同行願いました」


「それは素晴らしい!

初めまして、勇者殿。

私は魔術士隊を束ねるジュリアンと申します。

良ければこちらで宿も提供いたしますので旅の話を聞かせてください」


「あっ……はい。

カリスと言います。

よろしくお願いします」


こうして魔術士ギルドに大歓迎されたカリス達はその日はパーティがあると言う事で、一緒に楽しみませんかとジュリアンから誘いを受けて了承した。


「しっかし、ここの連中はどいつもこいつも大した筋肉だね。

余程いい飯を食べて効率の良いトレーニングをしてるんだろうね」


「そうですね。

出来れば私達もお話を聞いてトレーニングに参加させてもらいたいものです」


最初は魔法都市からかけ離れた姿に戸惑っていたマリアとカリンであるが、そこは脳筋職である。


すぐにここが自分たちにとって理想の場所であることに気付いて興味津々となっていた。


「確かにこの辺りの魔物には苦戦しているからね。

暫くはここで自分達の鍛錬に努めるのもいいかもしれない」


一旦部屋に案内されて落ち着くことができたカリスも気持ちを切り替える事に成功していた。


そして気を取り直した3人が呼び出された中庭に行って最初に目にしたのは……昼間に見かけた巨大な亀の魔物が解体され、その場で調理されている光景であった。


何処の蛮族だよ!!


3人の心の中のツッコミは見事にシンクロしていた。

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