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魔物の進化と対抗策

翌日、魔術ギルドに辿り着いた2人は驚く事になった。


なんと昨日シャーリーを見定めて宿まで案内してくれたダルダリオンがギルド長だと言うのだ。


「シャーリー殿にご相談したいことというのは付近の魔物のことなのです」


ダルダリオン曰く、この地には昔から物理に強いが魔法に弱い魔物が蔓延っていた。


そのために自然と魔導士がこの地に集まり、その魔道士達の為の街が出来、さらなる発展をしてきたそうだ。


こうして彼らの栄華は永遠に続くと思われたのだが……


「この辺りの魔物の生態系が変わった?」


「その通りです。

魔法に弱い魔物がいなくなり、代わりに魔法に強い魔物が現れるようになりました。

そのために一部の高位術士を除いて対抗できるものがいないのです」


ダルダリオンの話を聞いたシャーリーはノアの方を見る。


「どう思う?」


「少しお待ちください……ふむ……どうやら魔物の生態系が変わったのではなく進化したと言えば良いでしょうか?」


ノアは目を瞑り神の視点から現状を伝えてくる。


「進化とはどういう事でしょうか?」


「人間も打撃を受け続ければ皮膚が硬くなり打撃に強くなるでしょう。

その痛みにも慣れます。

同じように魔法を受け続けた魔物は段々と魔法による抵抗力を手に入れたのです。

この地の魔物全てが」


「それはつまり……」


「私たちがその魔物を倒しても無駄。

次から次へと湧いてくる」


「そ……そんな……」


ノアとシャーリーの話を聞いたダルダリオンがガックリと項垂れる。


「前衛職の人達が集まる街にしては?」


「この街は魔導士の為に作られ、魔道を極める事に特化していた為に発展したのです。

その恩恵が得られないのであれば魔道士達はこの街を去るでしょう。

そんな街に訪れる奇特な方はおられないでしょう。

また、この街の武器や防具は魔道士に特化した商品しか売っておりません。

前衛職の方がこの街を訪れる利点が一切ないのです」


「大丈夫、私に策がある」


嘆き絶望するダルダリオンの肩をポンと叩くシャーリー。


「ほ、本当ですか!?」


ダルダリオンがガバッと顔を上げるシャーリーが胸を張って答えた。


「私がこの街の人たちを鍛える。

クラフトも指導してあげる」


「な、なんと!!

そこまでして頂けるとは……何卒よろしくお願いします」


喜びのあまりシャーリーの手を取って喜ぶダルダリオンを見てノアはため息を吐いた。


「この街の人達も野生を解放する未来が見えますね」

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