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80話   ウェスト誕生の原因⑤

はい、今日も中々ぎりぎりで書き終わりました。


お楽しみいただけると幸です。


「私なんかの為にありがとうございます。・・・私は貴方のおもちゃになります。私は貴方に何処までも付いていきます」


■■■■がそう言った瞬間、牢屋の扉が破られ牢屋の中に■■■■の護衛だろう人間達がなだれ込んで来た。

■■■■は扉を破られた音に、体をビクッと反応させていた。

牢屋の中になだれ込んで来た護衛だろう人間達は、牢屋の扉の反対側の壁に近い俺達の前で半円の様な形に陣取り、俺達を扉に近づけさせないようにしている。


■■■■はこの一連の動きを見てとても怯えているので、俺は■■■■を庇うように前に出た。

ふむ、それにしても■■■■は扉を破られただけだがそこまで怯える必要があるのか?

これは調べる必要があるか?


俺がそんな事を考えていると、■■■■の護衛だろう人間達の奥から、特に武装していない男が入って来た。

その男はゴテゴテとキラキラな装飾品を付けていた。

あれがこの場の最高責任者か?


俺が男に声をかけようとした時、男の方が俺より先に声を出した。


「我妻■■■■よ。そんな所で何をしている?『隷属化』が終わったなら早く私の元に戻って来ないか。


『隷属化』が終わったならば、私との婚約だ。安心すると良い、父上が国王陛下に話を通して下さっている。ここから出れば早速、陛下の元に行くぞ」


最後に入って来た、服装がゴテゴテしている人間はどうやら■■■■に惚れた屑らしい。

男は俺の後ろに居る■■■■を見て、いやらしい笑みを浮かべた。

大方何か良ならぬ妄想でもしているのだろう。


それにしても俺の前で何故平然としていられる?

俺の具体的な強さが分からなくとも、度重なる戦争で俺の力は分かっている筈だが。

・・・ああ、そうか俺が■■■■を庇っているので、■■■■が俺の『隷属化』を成功させたと思っているとようだな。

この屑の考えに乗っかって現国王の元まで行くのも良いが、それだとこの屑は調子に乗りそうだな。


さて、どうしようか?

俺がそんな事を考えていると、■■■■が俺の左手の小指を掴んだ。

俺は「何だ?」と振り返ると、■■■■が震えているのが分かったか。

どうやらトラウマレベルで何かされたらしいな。

俺が「おもちゃは大事にする質だぞ?」と言ったとは言え、どんな人格か知らないか様な奴に縋る位のトラウマとは、目の前の人間は一体何をしたのか。


「はぁ〜、おい■■■■。面倒だから国王の所に行くぞ。現国王の名前は?」


俺がそう言うと、■■■■は不思議そうな顔をしたあと答えた。


「え、え〜と、現国王陛下はエリック・ガーデヤ陛下です」


■■■■の答えを聞いて、今度は俺が不思議そうな顔をする番になった。


「は?エリック・ガーデヤ?」


「は、はい」


俺が不思議そうな顔をした事に、■■■■は驚いたのか、少し意外そうな顔をしていた。

だが俺はそんな事よりも、エリックと言う名前に引っかかっていた。


俺は『不老不死』のスキルがあるとは言え、一応は人なので、最大記憶量なども通常の人間と同じだ。

なので普通に1億年全ての記憶を残しておく事など出来無い。

よって俺は必要な記憶は残し、必要では無い記憶を意図的に消す事が出来る魔法を開発し、『隷属化』した奴には、魔法発動を気づかれない様に気を遣って使っていた。

因みに魔法発動とは関係なく普通に忘れたりもする。


そんな事があるとは言え、『エリック・ガーデヤ』と聞いて、俺の根幹の部分が反応したような気がしないでもない。

ふむ、後で調べるか。


俺がそんな事を考えていると、目の前の男は俺と■■■■が話していた事、自体が気に入らないらしく、怒鳴っていた。


「おい■■■■!!何をグズグズしている!!『隷属化』が終わったならば、そこの奴隷から離れて私の所に来い!!」


そう言って、■■■■の護衛であろう人間達が止めるのも聞かずに、俺達の方に「ズカズカ」と近寄って来た。

俺にそんなに警戒せずに近寄って来るとは、まだ■■■■の護衛の方が有能だな。

だが警戒せずに近寄って来るならば結構。


俺は屑の足元に遠距離で魔法を発動。

屑の足元に有るオリハルコン(牢屋は扉から床、天井までオリハルコンによって出来ている)を槍の形に変形させ、屑の右腕を肩から切り落とした。

屑は右肩から先が無いのに気づいたが、直ぐには自分の状態が理解出来無いらしく、2秒程「は?え?」と混乱していた。


屑はどうやら反応も屑らしいな。

等と俺が考えていると、屑が自分の状態を理解したらしい。


屑は自分の状態を理解すると「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」と大袈裟に痛がって、床に膝と頭を付いた。

なんか東の国に有る最上級の謝罪、確か「どげざ」とか言ったか?

その姿に似てるな。


俺が少しだけ笑いそうになりながら、その滑稽な姿を眺めていた。

■■■■の護衛達は、魔法を使ったのが俺だと状況から理解したのか、俺に剣や槍、魔法発動の準備等、戦闘態勢に入った。

どうやら俺の脅威に気づいていなかったのは、あの屑だけらしいな。


俺が『護衛は皆殺しだな』と考えていると、■■■■が俺の左手を引いた。

だが引いた手が震えていた。

俺がどうしたのかと振り向くと、顔が青くなりながら下を向いていた。

俺は■■■■が何をして欲しいのか、分からなかったので目で■■■■を見た。

・・・なるほど、■■■■は実戦をした事が無い。

だから血を見たのが初めてだったから青くなったのか。


まあ俺のおもちゃになったなら、血なんていくらでも見ることになる。

今の内に慣れてもらおうか。

俺はそう考えて、■■■■に言った。


「おい■■■■、俺のおもちゃなら目を逸らすな。これから、あのゴミ共を掃除する。俺のおもちゃならこんなのは日常茶飯事になる。慣れておけ」


■■■■は俺の言葉を聞くと、「ビクッ」と反応して、上を向いた。

その目には驚きの色が浮かんでいた。

俺は■■■■が上を向いたので、護衛の人間を皆殺しにしようと魔法を発動させる瞬間、■■■■が俺の手を強く後ろに引いた。


まあ俺は控えめに言っても最強だから、■■■■に後ろに引かれても全く問題無いがな。

俺がそう考えていると、俺が準備していた魔法がキャンセルされた。

俺は驚き、誰が俺の魔法をキャンセルしたのかと考えようとした瞬間、■■■■の声が牢屋の中に響いた。


「どんな生き物でも命は1つしか無いんです!!私は確かに誰からも大事にされて来ませんでした。でも命が大事だと言うのは、分かります!!


私にも命を取らないといけない時が有るのは、分かります。でも今は相手を殺さなくても良いはずです!!


だから、だから貴方も人の命を大切にして下さい」


■■■■は本当にそう思っているらしく、泣きながら俺に言った。


意外と大きな声で言ったので、牢屋の中々にも■■■■の言葉が響いた。

■■■■の言葉を聞いて護衛達は完全に戦意を喪失した。

いや正確には■■■■の精神魔法だな。

本人は無意識だが自分自身の感情を相手に伝える魔法を使ったな。

しかもあの言葉だけで、完全に戦意を喪失とは中々適正が有るな。


精神魔法の使い手は自身の感情により魔法の威力が変わるが、どうやら■■■■は感情を抑制されていたせいで、精神魔法が上達しなかったようだな。

流石に精神魔法の使い手の精神を壊す真似は出来ないか。


俺はそう考えて、護衛には「麻痺」を使った。

護衛達は「麻痺」に一秒も持たずに倒れ込んだ。

■■■■は護衛達が急に倒れ込んだので、驚いた様に護衛達を見ていた。

俺は■■■■が護衛達を殺したと勘違いしないように言った。


「今使った魔法は「麻痺」だ。かけた感じだと1時間は動けないが、1時間経てば動ける様になる。さっさと国王の所へ行くぞ」


俺がそう言いながら牢屋の扉の方に歩いていった。


「え、あ、は、はい」


■■■■は戸惑いながらも俺に付いてきた。

だが扉の近くに来た事で、俺が雁字搦めにされていたオリハルコンにかけていた音魔法の範囲から出てしまったので屑の声が聞こえて来た。


「ま、まってくれ。血を、私の血を止めてくれ。このままじゃ死んでしまう」


屑の呼びかけに■■■■の足が止まった。

俺はこれ以上時間をかける必要も無いと、■■■■に事実を言った。


「確かにあの屑をそのまま放っておけば30分で死ぬだろう。だが外にも護衛が居る。そいつ等に任せておけば良いだろう」


■■■■は俺の言葉に一瞬悩んだ素振りを見せだが、屑の方が縋ったような目を■■■■に向けると、■■■■は屑の方に駆け寄って行った。

俺は「はぁ〜」とため息を付いて、■■■■のあとを追った。


■■■■は回復魔法が苦手らしく、何とか血を止めようとしているがあまり意味が無い。

■■■■は自分の回復魔法が意味が無いと、分かると俺に縋って来た。


「お願いします。このままだと本当に死んでしまうかもしれません。どうか力を貸してもらえませんか?


私が出来る事なら何でもします」


■■■■はそう言って俺に頭を下げた。

俺はかなり面倒になって来たので、■■■■にこう言った。


「血を止めるだけだ。俺のやり方に文句は言わせないぞ。良いな」


俺がそう言うと、■■■■は目を輝かせて言った。

俺は■■■■が確実に勘違いしていると理解しながら敢えて無視をして、屑から■■■■を無理矢理引き剥がした。


そして俺は火魔法を使い屑の右肩を焼き、血を止めた。

屑は苦しんでいたが、無視して牢屋の外に出ようとすると■■■■が俺を呼び止めた。


「ま、待って下さい!!血を止めるって言ったじゃないですか!!何で治すのでは無く、火魔法を使って焼いたのですか!!」


俺は■■■■に目を向けて言った。


「そもそも欠損回復は面倒。次に回復魔法もある程度、面倒。火魔法が1番楽だからだ」


「なっ!!あ、貴方は面倒だからと言う理由で人を殺すのですか!!」


どうやら■■■■は屑が死んだと勘違いしているらしい。

俺の言葉を聞いた■■■■がそう言って怒った。

俺は■■■■が理解していないと理解して解説した。


「そこの屑をよく見ろ。確かに肩は焼いたが血は止まり、死ぬ事は無い。そもそも戦場では、四肢欠損をしたものを殺さぬ為に、火魔法を使い血を止める応急処置を行う事も多々ある。


俺はお前の要望を何も違えていない。さっさと国王の所へ行くぞ」


俺がそう言うと、■■■■は悲しそうな顔をして言った。


「あ、貴方は何故、そこまで人に敵意を向けるのですか?」


俺は■■■■の言葉を聞いて、■■■■の精神魔法はかなり精度が高く、相手の心さえも理解出来ると理解した。

さて■■■■の質問には何と答えるか。

・・・ありのままで良いか。


「いいか()()。俺は人間を許さない。本当ならお前も既に死んでいる筈だったのを、俺がお前に興味を持ったからお前を生かしているだけだ。


勘違いするなよ」

どうでしたか?

なんか長くなっちゃって、『ウェスト誕生の原因』はあとを3話程続きそうですが、お付き合い頂けると幸です。


次の投稿は水曜日の9月9日の午後9時〜11時の予定です。


今後ですが午後11時までに投稿してなければ、その日は無しでお願いします。

その後の予定は、一応後書きで書いている、その時の投稿ペースの予定です。


ご感想、誤字、ここをこうして欲しい、こういう能力や展開、サイドストーリーやキャラが欲しい等など何でも送って頂いて大丈夫です。

送って頂いた物に関しては積極的に取り入れて行きたいと思っています。

ゆっくりと進んで行きますが応援よろしくお願いします。


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