39話 『強者の入口』 ③
すいません、2話投稿無理でした(泣)。
本当に申し訳ない!!
何とか来週の最後には2話投稿出来る様にします。
なのでそこまでお待ち頂けると嬉しいです。
今回と次回は、戦闘メインで、もしかしたらもう1話戦闘メインで送るかもしれません。
因みに今回は戦闘メイン?ってなるかもですがお許しください。
お楽しみいただけると幸です。
湖の桟橋の下から、タコの足の様な物が出て来た。
しかも直径が人の身長くらいのサイドだ。
そのタコの足が桟橋の下から飛び出して来た為、桟橋には俺の身長の1.5倍程の穴が開いている。
これが裏ボスか、なるほどね。
「足だけでもデカイわ!!」
俺はモンスターと戦闘中?にも関わらず叫んだ。
いや本当にデカイ。
「リク、大丈夫!?」
落ちた桟橋の向こう側からグラニーの声がした。
「大丈夫だ!そっちは!?」
「全員無事よ!」
まあ、グラニーが守ってくれてるならそうか。
さて、このデカイのをどう倒すか考えないとな。
俺がそう考えていると、再びグラニーの声がした。
「リク!こいつは多分クラーケンよ!!こいつには物理攻撃は効かないわ!魔法を使って!」
「はい!?」
俺は魔法使えないんだけど!?
いや、厳密に言えば尊の複製カードを持てば出来ない事は無いが、生憎と今はグラニーの複製カードを持っているうえに、尊の複製カードは解除中なので尊の複製カードの風魔法を使うとしたら、尊に許可を貰ってまた作らなければならない。
そして尊達は落ちた桟橋の向こう側なのに加え、落ちてる場所にはクラーケンの足があるから向こう側にジャンプ自体は出来るがジャンプしてもクラーケンの足に落とされるだろう。
それにグラニーの話が本当ならやばいな。
俺がどうするか考えているが、クラーケンが待ってくれる筈は無く、クラーケンの足が俺の方の桟橋をなぎ倒しに来た。
「ぐっ!」
俺は最初にクラーケンの足を回避したように、グラニー達とは反対方向に飛ぶ。
「クソ」
俺は苦虫を食べた様な顔を作りながら言う。
さっきは俺の身長の1.5倍ほどの穴だったのが、今度は目測で25mくらいの穴になった。
クラーケンの足は、スピードこそ俺よりも遅いが、かなり厄介だな。
大きし桟橋を壊す威力はあるから、何処からでも襲ってこれる。
俺は桟橋の落ちた部分にあるクラーケンの足を見ながらどう対処するかを考えていた。
「ん?ッ!!」
クラーケンの足が少し動いてはいるものの、桟橋の変わりになっている、これはいけるか?
いや、やるしか無いか。
俺はクラーケンの足から3m程の所まで距離を取りそこから一気にトップスピードになる。
トップスピードのままクラーケンの足の30cm程、手前でジャンプする。
「(出来るだけ遠くまで飛んでくれ!!)」
俺はそう願いつつクラーケンの足を見る。
勿論これで25mを飛び越えようとしてるわけじゃない、このジャンプでクラーケンの足に飛び降りて、そこから態勢を整えつつグラニー達の桟橋の方向にまたジャンプする。
失敗すれば湖に落ちるか、クラーケンの足に捕まる。
だが、俺は魔法がまともに使えない。
それならリスクを犯してでもグラニー達と合流した方が良いだろう。
あと少しでクラーケンの足に俺の足が着く。
俺がそう思い準備をより一瞬早く、クラーケンの足が動いた。
「な!?ぐっ!!」
クラーケンの足は俺をピンポン玉の様に上に弾いた。
咄嗟に腕をクロスさせて、多少のガードは出来たが少し痛い。
つまりこのクラーケンのステータスは俺よりも上の可能性が高い。
ステータスだけで勝敗は決まらないとは言え、戦いにおいてステータスも重要なファクターの1つ。
しかも相手は水の中なうえに、水の中の方が強いと来てる。
くそ、条件が悪すぎる。
俺がそんな事を考えていると、今までの体が上昇していた感覚が無くなり、変わりに落ちる感覚に変わる。
そこでクラーケンの足に体を打ち上げられてから、初めて下を見た。
すると、桟橋からの高さは5階建てのビル程になっていた。
そして戦闘とは関係ないが思った事が1つ。
「(この高さを落ちるている(現在進行形)うえに安全も保証されないとか、紐無しバンジージャンプかよ!!!!!)」
落下が始まる一瞬でここまで考えたうえに、自分自身かなり落ち着いていたので案外落ちても大丈夫………
「ああーーーーーーー!!!落ちてる、落ちてる、落ちてるーーーーー!!!!」
大丈夫………な訳もなく普通に叫んでいた。
俺は桟橋または水面と勝敗(激突)する覚悟?を少ししていると、クラーケンの足が俺の落下予測地点(俺自身の予測地点)にあった。
「まさかキャッチでもするつもりか!?」
俺は、落下中に完全にパニックになっていた為、俺の仲間に頼もしいのが2人居て、その内の1人はこの状況に対処出来るのをすっかり忘れていた。
そして残りの高さが3m程になった時、パニックになっていた俺に救世主の声が聞こえた。
「『暴食、リクの私までの距離を喰え』」
周りに通る声が聞こえたと思った瞬間、俺の見ていた景色は変わり目の前には尊とグラニー(レネンスを背負っている)が居た。
「え?どういう事?俺、さっきまで落ちてたよな?」
俺は何が何だか分からずに2人の顔を見ながら聞いた。
すると俺の問にグラニーが簡易的に答えてくれた。
「そう言えば前に使った時は気絶してたわね。私の『暴食』は感情さえ何とかすれば事象さえ喰えるのよ。だから距離も喰えるのよ」
何それ凄い。
後でもう少し詳しい条件を聞こう、そうしよう。
俺がそんな事を決めていると尊が「ハッ!」と気づいた様に言う。
「裏ボスが来るわ!注意して!」
「え?お、おう」
俺は尊を見てかなり変に感じながらも答える。
何か尊が普通に戻ってる?
いや、今はクラーケンが先か。
俺が壊れた桟橋の方を見ると、クラーケンの足が一本から三本に増えていた。
これは、
「分かってたけど、倒すの大変そうだな」
俺が少しゲンナリして言うと、グラニーが俺に声をかけて来た。
「どうしても倒せそうに無かったり、ヤバそうになったら参加してあげるから、頑張ってね」
「いやそれはありがたいけど、アレは倒せないだろ」
「あの動きを見た感じ、ステータスはそこまで高くなさそうだし、この地形を鑑みても2人なら倒せると思うわよ?」
「ん〜、グラニーがそう言うならそうなのかもな。やるだけやってみるけど、ヤバくなったらすぐに助けてくれよ?」
「はい、はい〜。分かったわよ〜」
グラニーが分かって無さそうな声で返事をする。
俺はそんなグラニーを横目で見つつ、正気に戻った尊に聞いた。
「尊、今使える魔法であのタコの足を切り落としたり、使い物にならなくしたり出来るか?」
「え!?ええ。あのくらいの足?なら多分、一本一本にはなるけど切り落とせると思うわよ!?」
尊が少し返事に戸惑いながら俺に答えた。
少し心配だが、切り落とせるなら話は早い。
「分かった。それなら俺がどうにかしてあの足を一本にしてから、動きを止めるから魔法の詠唱しといてくれ」
「分かったわ」
さて、尊からあの足を切り落とせると言う、頼もしい返事が聞けたんだ、あの足の足止めくらいはやらないとな。
だがどうする?
多分だが、俺の方が若干はあの足はスピードよりも早いだろう。
だが、パワーは少し、機動性と汎用性は圧倒的に負けてる、うえに桟橋から落ちれば多分負け確定。
この状況でどうやって足を一本だけ止めるか。
・・・・賭けの要素がかなり強いがやるしか無いか。
俺はこの階層で拾った魔石を1つ取り出し、クラーケンの足に魔石が捕まらないように、出来るだけ上になげつつ遠くに飛ばす。
俺が投げた魔石はかなり高い放物線を描きながら飛んで行く。
魔石がクラーケンの足の100m程、先の水面に落ちた。
すると、
「っ!??」
クラーケンの足は面白い様に反応し、俺達の前にあった三本の足の内の一本が魔石を回収に向かった。
それを確認し俺は即座にこの階層の魔石をもう一つ出し、今度は俺達の横5m先くらいの水面に魔石を落とす。
すると先程と同じ様な反応をしてクラーケンの足が魔石を取りに来る。
よし、最初の賭けに勝った。
「尊、行けるか!?」
「ええ!!勿論よ!!『ガストソード!!』」
ガストソード?
突風の剣って意味か?
俺がそう思い、尊を見ると右腕に風が絡みついて、しかもその風が柄の無い剣の様になっていた。
この魔法でクラーケンの足を切り落とせるのか?
1〜2mくらいしか届きそうに無いけど、大丈夫なのか?
俺の心配をよそに、尊は風の剣となった右手を左脇に持っていき何かを溜めている。
そして次の瞬間には、尊は風の剣となった右手を振るっていた。
「ハァァァ!!」
振るわれた右手の剣は、クラーケンの足に届きはしなかったが風の刃(ウィンドカッターの様なもの)を作り出した。
これならウィンドカッターを出した方が良いんじゃないか?
と言う俺の考えは風の刃の早さと威力を見ると吹き飛んだ。
まず早さの面だが、およそ5mあった距離を風の刃は一瞬で駆け抜け、クラーケンの足さえも素通りした、いや素通りした様に見えた。
そしてウィンドカッターの射程が10m程なのに対し、ガストソードによって作られた風の刃は15m程まで伸びて消えた。
次に威力面だが、風の刃が通り過ぎた後もクラーケンの足が落ちなかった。
俺が「不味い!!」と思い尊の前に出ようとしたが、その前にクラーケンの足が少しずつズレた後、湖に落ちた。
切り落とされた部分は綺麗に切れており、落ちるのに時間がかかったのだろう。
す、凄いな、これが尊の魔法か。
これならこのデカブツ(まだ本体は見えてない)を俺達だけで倒せるかもしれない。
俺はそう思った。
どうでしたか?
何気に良く出来たのでは?と少しだけ達成感があります。
次回の投稿は2日後の4月28日の午後9時〜10時の予定です。
ご感想、誤字、ここをこうして欲しい、こういう能力が欲しい、こういう展開やサイドストーリーが欲しい等など何でも送って頂いて大丈夫です。
送って頂いたものに関しては積極的に取り入れて行きたいと思っています。
ゆっくりと進んで行きますが応援よろしくお願いします。




