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37話   『強者の入口』①

すいません、やっぱり2話投稿は無理でした(泣)。

今日も1話投稿です。

今週の最後の投稿の時には2話投稿出来る様に頑張ります。


では、お楽しみ頂けると幸いです。

◇B級ダンジョン『強者の入口』  第二階層


「ハァァァァ!!」


尊がそう叫びながら?ゾンビソルジャー(ゾンビなのに意外と動きは早い)を倒している。

因みに俺達が居る第二階層は、墓地エリアになっていて他にも、ゾンビ、ゴースト、ゾンビウィザード等などが襲ってくる、完全なホラーエリア(簡単に言えば、本当の意味で襲いかかってくるお化け屋敷)だ。

さて、意気揚々と?『強者の入口』に来たのは良いものの、俺とレネンス、グラニーは今現在何もしていない(レネンスはグラニーの背中で寝ている為本当に何もしてない)。

と言うか尊のテンションが高過ぎて俺達3人(戦闘ではステータス差があり過ぎるので、参加しても俺だけだが)は介入するすきが無かった。

まあこのダンジョンは今まで入ったダンジョンよりも長いし、いつかは尊だけでは対応出来無くなるから尊が対応出来無くなってから俺も戦闘に参加すれば良いだろう。



◇第三階層


「ハァァァァ!!」


尊がそう叫びながら?ブラックスパイダーを倒している。

この第三階層は、先程の墓地エリアとは打って変わって森林エリアだ。

このエリアでは、サイレントビー(音の出ない犬くらいの大きさのハチ)やビッグビートル等など、まあデカイ虫が襲ってくる。


「はぁ〜」


俺がため息をついて居ると、モンスターを倒し終わった尊が俺に近付いて来た。


「流空、ため息なんてついてどうしたの?」


「ん?あ〜いや、何でも無いよ」


虫が嫌いだから早くこのエリアを抜けたいとか、絶対言えない。

俺が目を逸しながら尊に答えると、今度はグラニーと目があった。

するとグラニーが「ニヤリ」と悪い顔をして、周りを見て何かを探し始めた。


………何だろうか、今すぐにグラニーを止めた方がいい気がしてならない。

俺は自分の直感に従いグラニーを止めようとするよりも早く、グラニーが何かをこちらに(木の枝を使って)投げて来た。

グラニーが投げて来た真っ黒い「何か」は、空中で羽を広げてこちらに飛んで来た。

さて、ここまで言えば何が飛んで来たか分かるだろう。

そう、Gだ。

しかも結構デカイ、人が5歳くらいの時の大きさのGだ。

そして虫嫌いな俺は、Gが2番目に嫌いだ。

そんな俺にデカイGが真正面から襲って来ると言う、この世で2番目に怖い(俺視点では)な状況になったらどうなるか。


「うわーーーーーーー!!!!!み、尊、助けて!!!!」


「ひゃ!?」


それはもうみっともなく、近くに居た尊に抱き着いた。

尊は一瞬変な声を上げたが俺は抱き着いている為、尊の顔は見えない。

しかし、尊もG(Gは列記とした『強者の入口』、第三階層のモンスター)が襲って来るのが分かったのか剣を抜いてGを攻撃した。

次の瞬間にはGから聞えていた不快な羽音は聞こえなくなった。

多分尊が倒してくれたのだろう。


「り、流空。もうゴキブリは倒したから大丈夫よ?」


尊が少し恥ずかしそうなでも、優しそうな声で俺の頭を撫でながら言う。

普通に、いやむっちゃ恥ずかしい。

デカイGが出た瞬間、女の子に頼ってしまった。

多分今俺の顔は、いや耳まで真っ赤だろう。

グラニーも流石に悪いと思ったのか、バツが悪そうに俺に声をかけてくる。


「り、リク?その〜そこまでびっくりするとは思わなくて、ご、ごめんなさい」


「ほら、グラニーもああ言ってるしもう大丈夫よ」


尊がそう言ってやんわり俺に離れる様に言う。

まあ、今の俺は尊のお腹ぐらいに顔があるから、早く離して欲しいのだろう。


「?流空、どうしたの?」


尊は俺が動かない(俺の異変?)に気づいたのか、尊が俺に声をかける。

俺は情けなく感じつつも自分の現状を話す。


「え、え〜と誠に恥ずかしながら体が震えて動かないです」



◇第五階層


第五階層は、大きな湖だった(因みに第四階層はマグマエリアだった)。

湖には壁こそ無いものの迷路の様に多くの桟橋がかかっていて、意外と神秘的な感じだ。


意外と神秘的なエリアだが、このエリアは厄介な事が2つあるらしく(このダンジョンの情報収集はグラニーがした)、出来るだけ戦闘しない事が推奨されていた。

何でもこの階層は下の階層への階段こそ見えているが、桟橋の両脇から水系のモンスターが襲いかかってくる上に、桟橋を落ちれば良くて第五階層の入り口に逆に戻り、悪くて水系のモンスターの餌と言う意地悪な階層なのだそうだ。

俺が第三階層の事を必死に忘れようと、この階層の事を考えてい居ると、レネンスが俺の傷口に塩を塗り込んで来る。


「リクって〜、虫が苦手だったんだね〜」


「ぐっ」


レネンスが第五階層に入って暫くすると起きて、俺の顔が真っ赤なのを見るとグラニーに何があったのかを聞き、そんな事を言って来た。

恥ずかしいからその話題は辞めてほしい。

俺が黙っていると、俺達が立っている桟橋の右側からキラーフィシュ(ピラニアの様な姿で、大きさを4倍くらいにしたモンスター(要するにデカイピラニア))が飛び出して来た。


俺は即座に剣を抜きキラーフィシュを正面から真っ二つにする。

キラーフィシュは真っ二つになったあとそのまま、桟橋を飛び越えて湖に落ちて水飛沫を上げた。

水飛沫が収まるとキラーフィシュの死骸は既に無く、本来ダンジョンのモンスターを倒せば落とす筈の魔石すら無かった。


これが厄介な事の2つ目、ここの水系のモンスター達は桟橋の上で倒し、その死骸を桟橋の上に落せば普通に魔石やドロップは落とす。

しかし湖に落としてしまうと、ドロップどころか魔石さえ回収出来ない。

つまり、ここで戦闘する事は冒険者にとって完全に無駄なのだ。

まあ、そんな2つの理由から湖エリアは極力戦闘無しで抜けるのがセオリーとなっている。


「本当にここのエリアのモンスターの死骸は湖に落ちると魔石を落とさないんだな」


俺が率直な感想を言うとグラニーが俺にジト目を向けて来た。


「あら?リクは私を疑ってたの?」


「いや、そうじゃ無いけど、実際に見るまで信じられないだろ?」


「まあ、それもそうね。それよりもリク。尊を早く元に戻してよ」


「無理」


俺はグラニーに即座に答えた。

その後、俺とグラニーとレネンス(グラニーがレネンスを背負っている為視線が重なる)は尊を見た。

尊は顔を茹でダコの様に真っ赤して体をくねらせていた。


「そ、その。こ、ここは外だし。で、でも、り、流空がどうしてもしたいなら、そのす、するものやぶさかでは無いけど。で、でも、ここにはレネンスとグラニーが居るし、出来ればね、寝る前とか。あ、でもそれだと寝れなくなっちゃうし。そ、それにこういう事は、そのて、手順を踏んでからだと思うの。た、例えば、何処か2人っきりになれる場所で、星を見ながら、そのき、キスをして、そ、それでその後、その、後。(ボンッ!!)きゃーーーー!!そ、その何も考えて無いのよ!!あ、ち、違うの、そのち、ちゃんと心の準備をしてからなら。あ、で、でもこ、ここは外だし(以下略)」


尊は、第三階層からこの調子だ。

何故尊がこんな事になっているのかと言うと、それは第三階層から第四階層に降りる階層直前に遡る。


◆第三階層 第四階層への階段前


第四階層に降りる階段には蔦で作ったアーチの様な物があった。

それを第四階層への階段だと確認すると俺は安堵の声を漏らした。


「や、やっと抜けた。長かった」


「流空って本当に虫が駄目なのね。パープルモスも駄目なんて。パープルモスは蛾だけど大きい蝶の様なものよ?」


俺が心底嬉しそうに言うと、尊が不思議そうに言う。


「蝶も虫だ。それより尊は何であんなデカくてキモい虫を切れるんだ?俺は近づけもしないんだが」


今度は俺が不思議そうに聞く。


「ん〜?何でかしら?私もそこまで虫が得意って訳じゃ無いのだけど。虫じゃ無くて、モンスターって考えてるからかしら?」


「はぁ〜、本当に凄いな。俺だけじゃこの階層はクリア出来なかったぞ」


「!!そう?私役に立った?」


「ああ、当たり前だろ?もう尊がイケメン過ぎて、好きになりそうだよ」


「ふぇ?」


本当に尊には助かった。

もう尊は俺の王子様だな。

しかしあの化物(巨大な虫共)をバッタバッタとなぎ倒していくなんてな。


「尊には今後も(虫共から)俺を守って欲しいな」


「ふぁ!?」


「はぁ〜、リク」


「ん?」


グラニーがため息を付きながら俺を呼んだのでそちらを見ると、グラニーは俺の隣、つまり尊を指さしていた。

尊を見ろという事か?

俺はとりあえずグラニーの指示に従って尊を見る。

すると尊は、


「あ、あわ、あわわ」


目を回して真っ赤になっていた。

Gのせいで尊に抱き着いた時の俺よりも顔が赤い気がする。

この時、地獄(俺の主観)を殆ど抜けていた事で、俺の索敵能力は過去最低となっていた。

もしも索敵能力がもう少し早く働いて危険を察知出来て居たら、この後の展開も違っただろう。


俺は、尊に「大丈夫か?」そう俺が言おうとした瞬間、索敵能力が働き、俺は尊とは反対側(俺の背後)に身構えた(何が落ちて来ても大丈夫なように心の準備)。

そして、それらは落ちて来た。

 

「「カサカサカサカサ」


「ぅわーーーー!!!!」


Gが1匹なら見ても何とかなる(平気とは言わないし、近づけるとも言わない)が、2匹重なった状態でしかもほぼ真隣に落ちて来た、それに俺は完全に冷静さを放棄してしまい、化物(虫なのでGも含む)を今まで倒して来た英雄に縋ってしまった。


本来、縋るだけなら問題は起きなかっただろう(俺が尊に抱きついてしまうと言う問題以外は)。

しかし今の尊は何故か放心状態で、しかも俺と会話していた為こちらを向いていた。

そして俺と殆ど身長が変わらない尊に、行きよいよく正面から抱きつけばどうなるか、それは、


「「っ!!」」


俺が尊の、尊が俺の頬に、つまりお互いの頬にキスをする結果になった。

しかも俺が尊に縋ったので、尊と俺は勢いよく倒れ込み、俺が尊を押し倒している様な態勢だ。

何とかど真ん中は、避けたが流石に顔を完全には避けられずにこういう形になった。

俺と尊は完全に硬直したが、後ろから聞こえて来た音に、俺は更に硬直した。


「「カサカサカサカサ」」


俺は、尊を押し倒した態勢だったが、虫への恐怖から今度は抱き着く様な態勢になった。

ほら怖い時は何でも良いから抱き着きたくなるだろ?


で、俺と尊は完全に動けない(尊は俺のせい)ので、レネンスかグラニーが助けてくれると信じて固まって居ると、


「『『暴食』骨を虫に吐き出し潰せ』」

 

そうグラニーの声が聞こえた後は、Gの音が聞こえて来ず安堵した。

だが、次の瞬間虫への恐怖とは、別の死の恐怖を感じた。


「リク〜?いつまで尊を押し倒しているの?ゴキブリはもう殺したから、早く先に行きましょう〜?」


本来ならあんな化物共(虫の方)に襲われて、すぐに動ける筈は無いのだが「動かなければ殺す」とばかりのプレッシャーを、感じ取っているので手を無理やり動かし、尊を離して立ち上がろうとする。

この時点で尊は顔を茹でダコの様に真っ赤だったが、まだ口をパクパクさせているだけだった。


しかし事故?はまだ終わらない。

どうでしたか?

多分第三階層の回想シーンはこの話でイケるだろ、と楽観視していたのですがいけませんでした。

しかも考えながら書いているせいか描写が雑なのに長い。

本当にすいません(泣)。

とりあえず、第三階層のシーンは行っても次の半分くらいだと思います。


さて次の投稿ですが、2日後の4月24日の午後9時〜午後10時の間(多分午後10時)の予定です。


ご感想、誤字、ここをこうして欲しい、こういう能力が欲しい、こういう展開やサイドストーリーが欲しい、等など何でも送って頂いて大丈夫です(特にサイドストーリーを募集します)。

送って頂いた物に関しては積極的に取り入れて行きたいと思っています。

ゆっくり進んで行きますが応援よろしくお願いします。

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