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172話   ダンジョン攻略開始と便利なアイテム

◇流空視点


俺は今のパーティーメンバーと共に80層でジャンヌ・ダルクを呼び出してから、81層の攻略を開始した。

まあ『羅針盤』なんて便利な物があるお陰で道には迷わないし、楽で良いんだが楽過ぎてなんだか不安になって来たのだ。


本当ならダンジョンを攻略し終わってから呼び出そうと思っていたが、楽過ぎて不安だし、ジャンヌ・ダルクのあの壁の様な能力を確かめるのも丁度良いタイミングだったしで、80層の攻略中に呼び出した。

ただジャンヌ・ダルクに言った実験のお陰でモンスターの掃討スピードが上がってしまい、ジャンヌ・ダルクを呼び出す事も必要が無かったかもしれない。


その実験とは2つあり、1つは『天化(てんか)』の実験で、もう1つは『複製カード』の実験だ。

今は『天化(てんか)』の実験をしていて、俺は現状で通常の『天化(てんか)』と2種類の属性を操れる『天化(てんか)』を使える。


ただ2種類の属性を操る『天化(てんか)』は通常の『天化(てんか)』の2倍以上の魔力を喰うのだ。

例えるならば、通常の『天化(てんか)』は魔力を1使い10の魔力を集めるのに対して、2種類の属性を操れる『天化(てんか)』は3使って10の魔力を集めるのだ。


その為に通常の『天化(てんか)』よりも発動出来る時間も発動出来る魔法の威力が魔力が足りない為に下る可能性がある。

その為に狙うは通常の『天化(てんか)』の強化だ。


どう通常の『天化(てんか)』を強化するのかと言うと、ただただ密度を上げるだけ。

まあ、その密度を上げるのが難しく、ただ魔力を増やしてから圧縮させるイメージでしているのだが、中々上手く行かない。



「はぁ〜、中々上手くいかないか。『天化(てんか)』の同時発動は上手く行ったんだけどな〜」


俺が中々上手く行かない実験にそんな愚痴を溢した所で、前方から本のモンスターがやって来た。

その本は図書館にある普通の本よりも大きい歴史書くらいの大きさの本で、俺の頭の高さくらいに浮かんでいた。


俺はそのモンスターを見てすぐに『アスレイア』を抜きながら、炎属性の『天化(てんか)』(普通にダンジョンを進んでいる時は無駄な魔力消費を抑える為に解除している)を発動させた。

そして、俺が『天化(てんか)』を発動させて、すぐに本のモンスターを切ろうと走り出した所で、後ろから叫び声がした。


「横田君!!そいつは不可視の攻撃をしてくるぞ!!」


俺はその千葉さんの声に目を見開いたが、ここのモンスター相手なら一発貰っても大丈夫だと判断して、モンスターを出来るだけ早く倒す事にした。


その為にそのままモンスターの元まで走り、『アスレイア』の間合いに入った所でモンスターと俺の間に魔力の塊が出来た。

俺はそれを見て、『千葉さんが言ってた不可視の攻撃の準備か?』と考えたが、既に『アスレイア』を振り始めていたので、そのままモンスターを攻撃しようとした。


しかし、次の瞬間には俺の攻撃がモンスターに当たる前に、モンスターと俺の間にある魔力の塊が俺に攻撃して来た。

それを認識した俺だったが、『アスレイア』を振るっていた状態で避ける事は出来ずに腹にもろに攻撃を喰らった。

俺は喰らった攻撃から後ろに吹き飛ばされた。


「かはっ、ごほ、ごほ」


威力は弱かったが、ただの魔力は属性が無いために俺の『天化てんか』を乱された。

因みに『天化(てんか)』を乱されたとは、魔力が乱されたのと同義であり、魔力を乱されたとは自身の内側にある正常な力の流れを乱された為に自身の力を出せない時の事を言う。


それと、これはウェストの受け売りだが、魔力とは人それぞれに微妙に違いがあり、そのお陰で例え他人の魔法をもろに受けても自身の魔力を乱される事はない。

だが『天化(てんか)』で使用する世界の満ちている魔力は比較的どんな魔力でも反応させる事が出来る。

比較的どんな魔力でも反応させられるとは言っても、それは狙って行わなければならず、殆どの者は出来ないが、出来る存在も居る。

そんな存在は『天化(てんか)』を使用していると、こちらの魔力を乱されて無駄にキツイので素の状態で戦うのが良いそうだ。


その為に俺はすぐに『天化(てんか)』を解除したが、魔力が体の中で暴れており、言葉に出来ない感じが体の中を駆け巡っている。

俺がそんな変な感じからその場に蹲っていると、再び叫び声が聞こえて来た。


「横田君!!急いで戻って来い!!そいつの攻撃は見え無いだけでなく、当たれば暫く行動出来なくなる物だ!!」


俺はその叫び声に『それならもっと早く言って欲しかった」と思ったが、よく考えたら声をかける間もなく突っ込んだのは俺かと思い直しつつ、こちらに近寄って来ているモンスターに魔法を使った。


(『カード超開放』)


使った魔法は『鳴雷(なるいかずち)』であった為に本のモンスターは一発で倒せた。

鳴雷(なるいかずち)』の効果時間が終了すると、モンスターの居た場所にモンスターの体と同じくらいの本が落ちていた。


それを早くは動けない体で手に取り、中を見ると様々なアイテムが書いてあった。

俺がそんな本を眺めているとこちらに近づいて来たみんなから心配されて、声をかけられた。


「横田君、大丈夫か?もろに不可視の攻撃を食らっていたようだが」


「そうだぞ。あのモンスターはどこのダンジョンでもどんな地形でも出現する激レアモンスターの『ブック』なんだ。慎重に動かないと殺られるかもしれないぞ」


千葉さんと生酒さんがそう言うと川白さんに花宮さんも首を縦に振って肯定した。

ただ俺はそんな言葉よりも『ブック』というモンスターを知らなかったので、『ブック』について質問した。


「因みに『ブック』って、どんなモンスター?」


俺がそう質問すると、ジャンヌ・ダルク以外が俺を非常識な人を見る様な目で見てきた。

俺はそんなパーティーメンバーの表情を見て、『あ、これは非常識人のレッテルを貼られる』と思い若干焦りながら言い訳をした。


「いや、ね?ほら、俺はこっちに来たばかりだから、こっちのダンジョンを知らなくても仕方ないでしょ?だから、『ブック』について教えてくれないかな〜って」


俺がそう言うと、川白さんが首を傾げながら言った。


「え?確か日本を出る前にダンジョン関係のマニュアルを貰ってましたよね?あれのモンスターの欄に『ブック』は載ってましたよ?まあ、分量は少なかったですけど」


俺はその川白さんの言葉を聞いて、『確かにダンジョン関係のマニュアルは貰ったけど、まだマナーとかルールの欄で、モンスターとか法律関係の欄とかは読んでないんだけど』と思ったけど口に出さなかった。

だって口に出したら、千葉さんか生酒さんあたりが『今から地上に戻って、先に勉強しよう』とか言って来そうだし。


別に勉強は嫌だが、生きていく上で仕方無いとは思っている。

思っているけど、ジャンヌ・ダルクという上手く使えれば俺以外は無敵な状態を維持できるならら、とりあえずこのダンジョンは先に攻略したいのだ。


理由はジャンヌ・ダルクが言った『このダンジョンを攻略すれば、俺のスキルの歪みが治る』と言っていたからだ。

スキルが壊れている事をいまいち実感できて居ないが、壊れているよりは治っている方がいいだろうと言う考えて、いまこのダンジョンを攻略しようとしている。


そんな訳で出来るだけ早く、このダンジョンを攻略したい身としては今からモンスターの勉強は勘弁して欲しいのだ。

なので俺は必死に他の話題を探していると、手元の本に目が行った。

その本を見た俺は『これだ!!』と考えて、パーティーメンバーに聞いた。


「話は変わるけど、これはどんなアイテムだ?」


俺が急に話題を変えた事に気が付き、みんな俺にジト目を向けて来たが、頑張ってスルーしているとため息を付きながら千葉さんが言った。


「はぁ〜、その本は何かを書いてある本、いや辞典と言った所だな」


俺はその千葉さんの言葉に首を傾げた。


「何かを書いてある辞典?どういうこと?」


俺がそう聞くと、川白さんが答えてくれた。


「『ブック』は厄介なモンスターですが、厄介なモンスターと言うのは比較的いいアイテム等を落とす傾向が強いです。


ですが、『ブック』が落とすのは本だけ。しかも国の歴史書や世界中の日用品、変な物だと銃の種類が書いてある本を落とすそうですよ。


ただ種類が被っている物がないので、珍しいと言えば珍しいですけど、歴史書の場合だと残っている記録と合致しない事が多く、価値は高くありませんね。


それで今回はどんな本を落としたんですか?」


そう俺に聞いてきた川白さんに俺は本の中身を見せながら言った。


「今回はアイテムの詳細情報が書いてある本だな」


俺がそう言うと、千葉さんが俺に聞いてきた。


「アイテムの詳細情報?それなら『ブック』が落とした『百科事典』もそれに載ってるのか?」


俺はこの本がそんな名前だったのかと思いながらも、ページをペラペラとめくりながら答えた。


「目次にはアイテム名は書いてないけど、一文字目のかなとそれが載っているページは書いてあるから、多分『百科事典』も載ってると思うけど」


俺はそう言いながら暫く『百科事典』の記載があるページを探していた。

意外とページが多い上に、1ページに載っている量も多いので、少し時間がかかったが『百科事典』を見つけた。


「お、やっと見つけた。なになに、『百科事典:どこでも出現する『ブック』というモンスターを倒すと必ず手に入るアイテム。ただし、中身は同じ物が1つもなく、何の種類か手に入るかは運次第。

また、1つ1つの情報が膨大な量なので、1つのアイテムを『調べる』と考えながら調べなければ、真価は発揮されないが表示されている情報に嘘はない。


そして、このアイテムには検索機能も付いており、アイテム毎に方向性は違うが、方向性が分かれば簡単に検索出来る。


また、このアイテムには1つ1つにスキルが付いている。そのスキルにも同じ物は無い』って、これ結構いいアイテムのじゃないか?」


俺が声に出して説明文を読み終えて、振り向くとみんな固まっていた。

俺はその光景に『このアイテムの凄さが分からないのか?それとも既存のアイテムで対応可能なのか?』と考えつつ、百科事典の下に更に表示があるのに気が付き、そこも読んだ。


「『百科事典・アイテムの書:この本には既存のアイテム(ダンジョン産並びにダンジョン産以外の武器・防具の何らかの効果(デメリット含む)を持つ物を含む)の効果、現存数、作り方、ある場所等の様々な事が書いている。

また、1つ1つの情報が膨大な量なので、1つのアイテムを『調べる』と考えながら調べなければ、真価は発揮されない。


このアイテムの検索機能は調べたいアイテムの名称、または効果の内容を頭に思い浮かべながら、『検索』と呟く。


スキル『自動更新』:新しく制作された物も午前0時に追加される。ただしページが1000を超えると、古い物又は現存数が0の物から消去されていくが、その物を調べたいと思えば情報を得る事が出来る』」


・・・なるほど、ウィ○ペディ○かグ○グル先○かな?

どうでしたか?


前話は中途半端な所で投稿してしまい、すみませんでした。

書ききったつもりが、最後の文を書ききらないというちょっと締まらない感じでしたね。


それを今日のお昼頃に気が付き、今は修正済みです。

本編自体は終わっていたので、問題はありませんが『最後まで見ないと気持ち悪い!!』と思っていた方は前話の最後から見ていただけると幸いです。

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