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150話   現状確認②

はい、今回もサブタイトルは適当です。

なんだか最近サブタイトルを考えるのが、面倒になって来た傾向がありますが、頑張ってサブタイトルは付けていこうと思います。


なので、本編と多少サブタイトルが違ってもお許し下さい。

それではお楽しみ頂けると幸いです。

◇流空視点


「そんなもの決まっている。お前が各ギルド本部が作った『スマホ』と『念話』を掛け合わせて、イリーナと連絡を取るのが、俺が作った規則に違反するんだ」


俺はその言葉を聞いて、喉を「ゴクリ」とならしつつ質問した。


「へ〜、お前が作った規則ね?って事は、俺が転送されたものお前の仕業か?


まあ、それはそれとしてその規則を破ってもなんのペナルティも無いんじゃあ、怖くないな」


俺がそう言うと、『スマホ』の向こうから同じ声とは思えない程低い声が返ってきた。


「そうか」


その声が聞こえた次の瞬間、俺の左側の至近距離から「スパーン!!」と言う音が聞こえた。

その音から数秒遅れて、「ぴちゃん、ぴちゃん」と言う音が俺の左側から聞こえた。

俺は感覚的には何が起こったのか理解出来たので左側を向こうとしたが、理性が理解する事を拒否し、そちらを見る事が出来なかったていた。


その為に、俺が何が起こったのか理解する前に、俺の左側から「シュ〜」という音が聞こえてきた。

俺は今度こそ、音がする左側を見た。


すると感覚的に理解出来た通りの事が起こっていた。

俺がそれを視覚的に理解するのと、同時に川白さんの震えた声が聞こえて来た。


「り、流空さん?て、手が、左腕が」


川白さんは何かされて左側肩から先を落とされた俺を指差しながら、顔を真っ青にしていた。

俺は左腕が『再生』している為に、かなりの激痛に耐えながら、川白さんに声をかけた。


「あ、あはは、大丈夫、大丈夫。これでも全身焼かれた事が有るから、痛みは酷いけど耐えれない程じゃないから」


俺が川白さんにそう言った所で、再び『スマホ』から男の声が聞こえて来た。


『理解出来たか?それがペナルティだ。初回だから今回は見逃そうかと思っていたが、お前の様な生意気なガキには、痛みの方が聞くだろう?』


俺は「これは従うしかない」と理解出来たので、男の声を肯定した。


「ああ、そうだな。正直痛みでの説得が日本人の元高校生には効くからな、理解しやすかったよ。


それで規則の詳しい内容は?流石に知らない内に規則を破って、また腕を落とされるのはキツイからさ」


俺がそう言うと、『スマホ』から笑い声が聞こえて来た。


『ふふふ、安心しろ。そこまでは多くは規則は作らない。お前がダンジョンから脱出したら、規則の内容を送ってやる。それまではさっきの規則、1つだけだ。


それと、さっきお前をそこに送ったのは俺かと聞いたな、答えてやるよ。そこにお前を送る指示を出したのは俺だ。


最後に、イリーナ達が余計な事をしないようにお前の声と全く同じ声で伝言を伝えてある。伝言の内容を要約すると、「俺が一週間以内に戻らなければ、先に『迷宮都市国家スウォーロー』に行っておいてくれ」と言っておいたから、心配するなよ。


じゃあな、頑張ってそこを抜け出すと良い。あ、そこを抜け出すと、もしかしたら、帰りたくなくなるかな?』


男がそう言うと、『スマホ』は「ブチン」と言う音がして電話が切れた。

いや確か『念話』って言ってたか?

まあ、どっちでも良いか、とりあえず電話って呼んでおこう。


そして、ちょうど電話が切れたタイミングで左腕の『再生』が終わった。

『再生』が終わるまで、大体30秒くらいか?


全身を焼かれた時は、30秒も経たずに無理矢理体を動かしたけど、『再生』しきったら全く痛く無くなったんだよな〜。

そう言えば、『再生』って全身を『再生』しても30秒だったりして?

・・・うん、これは自分が全身に負傷するのが前提になるから、考えるのは止めよう。


俺はそこで一度思考を切ると、今後の行動について口に出した。


「はぁ〜、とりあえずこのダンジョンからの脱出が先決か」


俺がそう声に出すと、川白さんが急に「オロオロ」としだした。

俺が一体どうしたのかと思い首を傾げた所で、川白さんが俺に頭を上げてきた。


「あ、あの流空さん!!わ、私もダンジョンの脱出にお供しても良いでしょうか!?」


川白さんがそう言って頭を下げて来たので、俺は「何を当たり前の事を言ってるんだ?」と考えながら、返事をした。


「全然構わないよ」


俺はそう返事をしたものの、俺の返事が全く聞こえていないかの様に川白さんは言葉を続けた。


「お、お願いします、脱出に付いて行かせて下さい。荷物持ちも、食事の用意も、寝ずの番も出来ます!!


な、なんなら、よ、夜、夜のお仕事も、や、やります!!だから私を連れて行って下さい!!」


川白さんがそう言い切って再び頭を下げた。

俺は急にトリップした様な状態になった川白さんに驚いて固まりつつ、なんとか返事をした。


「いや、だから全然付いてきて構わないけど。と言うか、支援職は意外と貴重だし、むしろ付いて来て欲しかったくらいだけど」


俺がそう言うと、川白さんは顔を上げて「ポカン」とした表情を見せた。

俺がそれに首を傾げると、川白さんは俺に確認して来た。


「そ、それは雑用に便利だからですか?」


俺は川白さんの言葉に再度驚きつつ、返答した。


「ん?いやいや、そうじゃないよ。と言うか荷物持ちはアイテムボックスで良いし、料理は無いけど食材はアイテムボックスに入ってるから最悪生で行けば多分行けるし、寝ずの番は効率が悪いし、よ、夜の仕事は普通にしなくていいよ」


俺の答えてを聞いて川白さんは「ポカン」としていたが、暫くして頷いた。

なので俺は川白さんが頷いてくれた事に安堵しつつ、川白さんとこのダンジョンをどうやって脱出するかを決める事にした。




◇『フォウト』の街近くのダンジョン(名称未決定)イリーナ視点


私が受付嬢さんの言葉を聞かずに、正式に冒険者ギルド本部がここのダンジョンの調査に来れば、リクさんは『転送』させられなくて済んだのでしょう。


私はそんな事を考えながら、受付嬢さんとCランク冒険者達と一緒にダンジョンを脱出しようと上を目指していました。


受付嬢さんとCランク冒険者達は、リクさんが消えたので「下層に転送させられたんじゃないか」と心配していました。

なので私が「暫定Sランク冒険者のリクさんならA級ダンジョンくらいは、問題無く攻略出来ますから大丈夫です。それよりも、ダンジョン外へと脱出しましょう」と言いました。


すると驚きからか皆さん固まってしまいましたが、すぐに正気を取り戻しダンジョンを脱出し始めました。

流石にリクさんが居ないので、『結界魔法』を気付かれないように常時展開した上で、皆さんに『支援魔法』を(バレても問題ないので堂々と)掛けて、行きよりも圧倒的に早く15分で3階層まで来た所で、リクさんに渡した『スマホ』から『念話』が来ました。


リクさんは落ち着いたら連絡すると言っていましたが、離れている戦闘の場所まで行って敵を倒し、そこに居る人間とは話をするには、15分はあまりにも短く感じました。

なのでリクさんに何かあったのでは無いかと思い、一応受付嬢さんやCランク冒険者達にはバレない様に、口には出さずに脳内でリクさんと連絡を取りました。


『リクさん、大丈夫ですか!?15分も経たない内に電話をかけてくるなんて、何かありましたか!?』


私はそう連絡しましたが、暫くしてもリクさんからの返答がありませんでした。

なので再びリクさんに連絡をしました。


『リクさん、返答がありませんがどうしました!?何か有ったんですか!?』


私がそう連絡すると、リクさんから返答がありました。


『ああ、いや違う、違う。ちょっとびっくりする事があっただけだ。


それよりもイリーナ、聞いてくれ実は俺が飛ばされたダンジョンは、イリーナ達が居る世界には無いダンジョンらしい』


私がリクさんからの意外すぎる報告に驚き声を上げそうになりましたが、ちょうどモンスターが見えたので、それに驚いた事にして周りの目を誤魔化しました。


一応、別世界と言う概念は分かります。

何せ、私が生まれた世界は、この世界では無く別世界でしたからね。

それにリクさん達に聞く話では、元の私の世界に、この世界、リクさん達が居た世界と最低でも3つの世界は存在していますから、どれかに飛ばされても不思議ではないありませんからね。


私がそんな事を考えていると、リクさんから再び連絡がありました。


『イリーナ、悪いが正直に言って、すぐにそっちの世界に戻れる自身が無い。だけど、『転移』系の魔法が存在するんだから、いつかはそっちの世界に戻る方法を見つけて、そっちの世界に戻る。


だけど、それは時間がかかるだろうから、一週間だけ『フォウト』の街で俺を待っててくれ。もしも俺が一週間以内に戻らなければ、先に『迷宮都市国家スウォーロー』に行っておいて、拠点の確保や訓練をしておいてくれ』


私はリクさんの言い分が正しいと思いましたが、「逆に私がリクさんの所に向かえば、すぐにでも戻れるのでは」と考えました。

なので、私と『スマホ』のリンクを辿ろうとしたのですが、いつの間にかリンクが切れていました。


恐らく、魔力的な繋がりが切れてしまったのでしょう。

魔力的な繫がりは、魔力自体が阻害されたり、魔力が消去されたりすれば、繫がりは切れてしまいますが、その様な特別な事情が無い限り、同じ世界に存在しているならば辿れます。

しかし、世界が別となれば、話も別です。


リクさん達が居た世界は分かりませんが、どれだけの実力者でも別世界の魔力は感知できません。

というのも、基本的に世界は膜で覆われており、そこに宇宙や星がある、らしいからです。

因みにらしいと言うのは、これがクロ様の受け売りだからです。


あの人なら世界すら簡単に超えてしまうと、私は考えています。


まあ、何が言いたいかと言うと、私は結局リクさんの言葉に従うしかないと言う事です。

私はいくら強くとも越えられない壁に、歯ぎしりしましたが、確かにリクさんの言うとおり【ナンバーズ】と敵対している私達の状況では、リクさんばかりに気を取られている訳にはいきませんからね。


私はそんな事を考えて、今後のある程度の予定を立てつつ、リクさんが転送させられた魔法陣の方向向きながら、他の人に気が付かれないように祈りました。


『出来るならば、リクさんが何事もなく一週間以内に戻ってきます様に』と。

どうでしたか?

次回は川白さんの話からスタートする予定です。

そして、お待ちの方も居たと思います(そう信じてます)。

遂に『サイドストーリー   クラスメイトサイド②(川白 聖)』の出番です(パチパチパチー(棒読み))。

一応、読まなくとも問題が無い文にしようとは思っておりすが、お読み頂けると幸いです。

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