136話 『フォウト』の街での戦闘②
変更点のお知らせです。
前回のサブタイタルを『自然学士と眼無し①』に変更しております。
前回の■は出ますが、まだ出ないのでお忘れ頂けると幸いです。
もしも、■の内容が気になる方がいらっしゃれば、感想等でご質問下さればお答えします。
それではお楽しみ頂けると幸いです。
◆レネンス視点
「どうしたのですか?その結界は【ナンバーズ】の物とは言え、外からは簡単に中に入れますよ?まあ、生きて出て来れるかは分かりませんが」
僕は〜、その言葉に笑みを浮かべながら〜、答えたんだ〜。
「中に入って出て来れないのって〜、今まで入った人が〜、弱かったんでしょ〜?僕が入ったら〜、すぐに消えちゃうよ〜?
それに〜、君が僕を追ってきたから〜、僕は君を倒さないと〜、街に入った時に危ないでしょ〜?」
僕がそう言うと〜、リアードは「フッ」と笑ったんだ〜。
「確かにそうですね。ですが街の中には、2人の【ナンバーズ】が居ますが、救援に急がなくてもよろしいのですか?
貴方ともう1人のイレギュラーなら、全力さえ出せば【ナンバーズ】と同等にはなるでしょう?それに、あの忌々しい女も【ナンバーズ】を2人も相手にしながら街を守るのは難しいのでは?」
「ッ・・・。はぁ、そうだね。イリーナは大丈夫だと思うけど、【ナンバーズ】を2人同時に相手をしつつ、街を守れるか分からないから、全力で君を倒すよ」
僕はリアードの言葉を聞いて、素の僕を奥底に引っ込めて、戦闘状態になった。
◆尊視点
木の枝から飛び降りた私は、地面に私の足が付く前に無言で攻撃を仕掛けた。
(『自由自在』『ロックソード』『即鞭』+雷属性の『天化』!!」
私は『自由自在』でドーナにギリギリ届く長さまで『リエイ』を伸ばし、周囲に自然が多いのでドーナの鼻で攻撃がバレないように『ロックソード』を使った。
それにプラスして、雷属性の『天化』で速度をMAXまで上げた上で、『鞭術』レベル2から使える『即鞭』を使った。
因みに『即鞭』の効果は、『自分と鞭がどんな姿勢からでも(自分が動けない場合や、鞭が何かに掴まれてたりしたら使えない)、鞭のグリップさえ触っていれば、その姿勢から最速で対象に鞭を当てる事が出来る』と言う物。
今までは、この『即鞭』はスキルレベル2から使えるのに、スキルレベル1から使えた『意表付き』の方が使い勝手がいいので、あまり使わなかった。
それでも目が見えていない筈の相手なら、この『即鞭』は十分に使える。
今回は綺麗に木の枝から飛び降りていたので、私の位置からドーナまで『リエイ』がかかった秒数は1秒だった。
しかし、それでもドーナには反応されて、当たる直前に私とは反対側の後ろに飛ばれて、『リエイ』はドーナの左前足に、少しかするくらいだった。
私はそれを確認すると、『ロックソード』を即座に解除して、無言で落下しつつ『ストーム』を発動。
私がそれを確認するタイミングで、地面に着地して、すぐにドーナから見を隠すために近くの木の後ろに回った。
私はそこまでしたところで、『ストーム』の中心地点にいたドーナを探した。
ドーナは頑張って『ストーム』に飛ばされないように耐えていたが、踏ん張りが効かないのか今にも飛ばされそうになっていた。
私は「これはチャンス!!」と考えて、『ストーム』の威力を上げて、更に『ロックブラスト』(『土魔法』の範囲技)を発動させた。
『ロックブラスト』は地面(土がある場所)から、30cm程の石を魔法発動中に無数に空中に打ち上げる魔法だ。
なので『ストーム』と『ロックブラスト』を合わせると、竜巻に巻き込まれた上で、下から石の攻撃が来る『ブラストストーム』になる。
踏ん張りが効いていないドーナになら、この合技は効果抜群の筈。
私がそんな事を考えていると、予想通りにドーナは踏ん張りが効かなくなり、『ブラストストーム』により空中へと上がっていく。
私は『ストーム』の高さを300m程にしていたので、ドーナが『ブラストストーム』の頂上まで行ったら、雷属性の『天化』を『自由自在』で『リエイ』に纏わせてドーナを倒しきる。
私がそんな事を思っていたその時、それは起こった。
ダン!!!!!バーン!!!!!
「え?」
あまりの大きな音に私の目は点になり、音がした方向を見つめた。
そして、そこには『ブラストストーム』によって打ち上げられたドーナが立っていた。
私はそれを確認すると、同時に『ブラストストーム』が維持出来なくなり解除されてたのにも気が付いた。
魔法が維持出来なくなる条件は、いくつかある。
例えば、魔力が切れて魔法を維持出来なくなるや、魔法を使う事が出来なくなるフィールドが展開されたか、魔法を再度発動させないといけない程に使った魔法が破壊されたか等、意外とある。
因みに、今挙げた物が全てでは無い。
しかし、今回私の魔法が維持出来なくなったのは、魔法を再度発動させないといけない程に魔法を破壊されたから。
しかも、その相手は恐らく『ブラストストーム』で地面に足が付いていなかったドーナになる。
ドーナは異形型の【主器】の筈。
つまり、身体能力だけで私の魔法を壊した?
不味い!!
異形型の【主器】の力を舐めてた!!
そこまで考えた所で、ドーナがこちらを向き突進してきた。
私は『天化』を解いていなかったお陰で、それを避けれた。
ドーナは私の横を通り抜けると同時に、地面に足を付けて減速し、勢いがある程度止まると、ジャンプして私の方に再び突進して来た。
私はドーナが私の横を通り過ぎたタイミングで、雷属性の『天化』を解除、そして次の瞬間には土属性の『天化』を発動させた。
そして、ドーナがジャンプして再び私に突進して来たタイミングで地面を私とドーナを2分する様に持ち上げた。
バガン!!!!ピシッ!!
地面を持ち上げたものの、強度が足りなかったのかドーナ突進で地面にヒビが入った。
恐らく、同じ強さの攻撃を後2回も受ければ、この壁は壊れると思う。
なので私は急いで魔法を発動させた。
「『タイタルウェーブ』!!」
私がかなりの魔力(約3万)を込めて、範囲魔法を使用した。
私が発動した魔法が地面の壁に激突しようとしたその瞬間、地面の壁がドーナによって壊された。
しかし、そのドーナは私が発動した魔法に少しだけど押し流された。
私はそれを見て間髪入れずに、1度深呼吸してから魔法を発動させた。
「はぁ〜、ふぅ〜。『鳴雷』!!!
合技『電撃浸透』!!!!」
私が10万もの魔力を一気に使い、何とか発動させた『鳴雷』は『タイタルウェーブ』共々、ドーナに命中した。
「ぎぁーーーーーー!!!!!!」
ドーナの悲鳴が周囲に響いた。
私はドーナの姿を確認せずに、(一気に13万近くの魔力を失ったので)即座に魔力回復薬を固定値型と遅延型の両方を素早く取り出して、飲んだ。
私は魔力不足から頭痛がするものの、ここで攻撃されれば不味いので、頭痛に耐えながらドーナを見た。
『タイタルウェーブ』に流されていたドーナは、『タイタルウェーブ』が解除された事(『電撃浸透』との合技の終了)で、地面に倒れていた。
正直に言うと、今ので決められなければこれ以上の攻撃は出来ないので、負けが濃厚になる。
なので、起き上がらずにそのまま倒れていて欲しい。
◆レネンス視点
僕が戦闘状態に入ってから暫く戦闘を継続していたけど、リアードとの戦闘の決着が、全くつく気がしない。
なので、僕はリアードに言った。
「ねえ、引いてくれない?君はそのリュックの中から様々な植物を出すけど、僕はその植物のやる気を失わせて僕には届かない。
逆に僕は『リーム』自体が攻撃に向かないのもあって、素手を使わないといけないけど、君まで届かない。
僕と君の相性はお互いに最悪でしょ?」
僕がそう言うと、リアードは鼻で笑った。
「確かにそうですが、ここまで私の能力を使って、貴方と引き分けにする訳にはいかないんですよ。
それに貴方のその戦闘状態は、そう長くは持たないでしょう?」
僕は痛い所を突かれて、眉を「ピクッ」と動かしてしまった。
それを見てリアードはニヤリと笑った。
そう僕の戦闘状態、つまりマジメモードは長くは続かない。
戦闘してない時でも、1時間の内の5分くらいの時間しかマジメモードは出来ない。
戦闘中だと更に短くなって、頑張って3分くらい。
因みに僕が熱中している時は、マジメモードも長く続く。
まあ、それでも時間が倍に伸びるだけだけど。
スターンの街防衛戦の時は、グラニーが居たから適度に気を抜いていた。
あ、これ知られたらグラニーに、何か出ちゃう程にヤバいレベルのお仕置きされるから、誰にも言ってないよ?
まあ、そんな事は置いておいて、僕がマジメモードで戦闘をして、もう1分は経ってるから、そろそろ辛くなって来たな。
だから早く決着をつけたいけど、僕とリアードの相性はお互いに最悪なのが、厄介するぎる。
・・・仕方ないかな。
「『ベルフェゴール、来い』『ベルフェゴール、僕に纏え』」
ぐっ、うう〜、やっぱりマジメモードで【悪纏】はキツイな〜。
だらけたい、凄くだらけたい。
僕はその考えを頭を振って消した。
そして、僕はリアードに話しかけた。
「僕が【悪纏】する時は、僕は動けないから隙だらけのハズだけど、もしかして、待ってくれたの?」
リアードは私の質問に笑って答えた。
「フッ。答える必要性がありますか?」
僕もリアードに笑って返した。
「アハハ、無いね。大方、君達の主から「変身中は手を出すな」とか、言われてるんでしょ?それじゃあ無かったら、僕に攻撃しない意味ないもんね」
「正解です。「やられるにしろ、やるにしろ、相手が全力を出す時は待ってやれ」と、我らが主から言われた時は、何故待たなければならないのかと思いました。
ですが全力を出した上で叩きのめされ、絶望する人間の顔!!あのお方が、待ってやれと言うだけはあると思いましたよ!!アハハハハハハハ!!!!」
リアードは光沢の表情でそう叫んだ。
僕は苦笑いしながら、聞いた。
「君、よく「変態」とか言われない?」
リアードは僕がそう聞くと、光沢の表情を引っ込めて、普通の顔で答えた。
「貴方達人間も、私達と同質の存在になれば分かる事ですよ。まあ、貴方はここで死んでしまうので、永遠に理解する事は出来ませんがね」
どうでしたか?
今話はどうやってレネンス視点の表現を書くか、かなり悩んでいました。
しかし、よくよく思い出してみると、『レネンスも戦闘の時だけは普通に話してた事あったな』と思い出し、それを使って今話を乗り切った次第です。
次の投稿は4月25日、木曜日の午後9時〜11時(基本午後10時)の予定です。
午後11時までに投稿してなければ、その日は無しでお願いします。
その後の予定は、一応後書きで書いている、その時の投稿ペースの予定です。
ご感想、誤字、ここをこうして欲しい、こういう能力や展開、サイドストーリーやキャラが欲しい等など何でも送って頂いて大丈夫です。
送って頂いた物に関しては積極的に取り入れて行きたいと思っています。
ゆっくりと進んで行きますが応援よろしくお願いします。
すみません、今日は色々と用事が重なり書ききれませんでした。
なので次の投稿は木曜日になります。