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121話   魔力の中心地点①

前話を少々訂正しました。


訂正内容は『別居並びに離婚』から『一時的な別居並びに離婚』です。

分かりづらいので、変更後の文も載せます。

『この国は貴族間の恋愛結婚に置いて、双方の合意があれば、一時的な別居並びに離婚が許可されています。因みに恋愛では無い貴族は双方の家の合意があれば、一時的な別居並びに離婚出来ます』


お楽しみ頂けると幸いです。

◆グラニー視点


(はぁ〜、本当に面倒ね。なんで、こんなに自分から危険な所に行こうとするのか、分からないわ。それを身体能力(ステータス)では圧倒していても、怪我をさせずに止めている、こっちの身にもなって欲しいわね)


私は魔力が集まっている地点に1番近い場所に陣取ろうと移動している。

そんな私は左手で抑えているクリスティーナさんをチラリと見ると、こっそりとため息をついた。

因みに現在は、左手でクリスティーナさんの襟首を掴み、あまりにもうるさかったので、呼吸に問題ない範囲でクリスティーナさんの周囲の空気を『暴食』で喰らっている。

クリスティーナさんの周囲の空気を喰っていると、クリスティーナさんの声は『暴食』の範囲内にしか聞こえないので、周囲にはクリスティーナさんの声が聞こえなくなると言う寸法だ。


私はクリスティーナさんから谷に視線を戻した。

視線を戻した私は、谷に着いてから感じている懐かしい感覚に疑問を持ちながら谷を見ていた。


(それにしても、なんだが谷の底に惹かれる気がするのよね。なんでかしら?)


私がそんな事を考えていると、クリスティーナさんに左手を引かれた。

私がクリスティーナさんの方を見ると、焦った様な顔をして谷を指さし、何かを叫んでいる。

私はクリスティーナさんの顔を見て、すぐに『暴食』を解除した。


私は何をそこまで焦っているのかと首を傾げたが、クリスティーナさんの次の言葉で、クリスティーナさんが何を焦っているか理解した。


「グラニー殿!!リク殿が谷を降りている途中で、突然消えました!!」


私はクリスティーナさんの言葉を聞くと、すぐにリクの姿を探した。

しかし、クリスティーナさんの言う通りリクの姿は無かった。

私はリクの姿が無い事に混乱し、体の動き止めて考え出した。


(まさか何処かに『転移』させられた?でも戦闘で使うスキル系統の能力は『剣術』や『槍術』等の低スキルレベル(1〜2※1〜2でも魔力を使う物は勿論ある)の武術系統以外は魔力を使う筈だから、『転移』させられる前に魔力の動きが有る筈。


それにリクは私達の中でも、魔力を見る事に関しては一番だった。そのリクが魔力の動きを捉えられなかった?それとも捉えられても反応出来ない速度だった?


いや、それよりも先にリクを探さないと。もしも敵の陣地にリクが送り込まれていたら不味い。でも、どうやって場所を見つける?1度、リクが消えた辺りまで行ってみるべき?)


私が予想外の自体に焦って行動が止まっていると、クリスティーナさんが谷に飛び降りようとした。

私はそれに気が付き慌てて止めた。


「ちょっと何考えてるの!?谷の下はどうなっているのか、分からないんだから無闇に突っ込んじゃ駄目でしょ!?」


私はクリスティーナさんを抑えながらそう言った。

しかし、クリスティーナさんは私の事を無視して谷の方を見ていた。

私がそれを不審に思うと、クリスティーナさんは急に森の方に歩き出した。

クリスティーナさんは森の木から枝を一本折って、持って来た。

私がそれを疑問に思っていると、クリスティーナさんは私に言った。


「グラニー殿。もしも私の目が正しければ、この枝は谷の中間地点の辺りで消える筈です。一応、グラニー殿も確認して下さい」


私はクリスティーナさんが何を言っているのか分からずに質問した。


「はい?一体何を言ってるの?」


私がそう言うのも構わずに、クリスティーナさんは谷に枝を落とした。

私はクリスティーナさんに少し呆れながらも枝を見ていた。

そして枝が谷の中間地点を通り過ぎる辺りで、枝が急に消えた。


私はそれを見て自身の思い違いを悟った。


(そうかリクが消えたのは『転移』じゃ無くて広範囲に幻を映す『幻影』系統の魔法、多分『蜃気楼』か『水影』辺りね。


でも『幻影』系統の魔法は『幻影魔法』がスキルに無いから、『蜃気楼』も『水影』も確か『水魔法』と『闇魔法』の2つを使える上で、スキルレベルが両方4以上はないと使えない筈。それなのになんでこんな所に『幻影』が?


まさか、街を襲っている『キングピーキーモンキー』とは別に、『幻影』を使える程のモンスターが居る?しかも魔法系スキルを4以上使えるなら、モンスター同士で連携して来ても不思議じゃない。


連携して来るモンスターなら、出来るだけ早くリクと合流するか、リクの援護を出来る位置に移動しないと)


私がそんな事を考えていると、クリスティーナさんが私に言った。


「グラニー殿。急いでリク殿と合流した方が良いのでは?」


私はクリスティーナさんの言葉に頷いて答えると、早く降りるためにクリスティーナさんを抱えて谷を降り始めた。




◆その頃のリク視点


「谷の下に着いたは良いが、なんか谷の上から見たよりも魔力が集まってる気がするのは、気のせい、だよな?」


俺は谷の上からでは感じなった量の魔力を感じて冷や汗を流していた。

正直に言えば、集まってる魔力の総量(秒間)はご驚愕する程じゃないが、谷に降りた感じだと魔力を何かが喰ってる気がする。

これが長い時間起こっていたとすれば、正直に言えば魔力を喰っていた何かがどんな化物になっていてもおかしくはないと思う。


今、谷に集まっている魔力を使い切ろうと思えば、多分だかイリーナの『鳴雷(なるいかずち)』をウェストとの戦闘訓練の時と同じ威力を打つ為に必要な魔力の半分と言った所だと思う。

それが大体5秒程で喰われて新しい魔力がここに来ている。

つまり、こうして考えている間にもモンスターは強化されていっている。


俺はそう考えると自然と唾を飲む事になった。

俺は一度冷静になって考えた。


(ここでグラニーに知らせるか?だけど下手に目立つ発光玉を使うと、魔力を喰っている何かがこっちに来るかもしれない。来なくとも、こちらの存在に気が付かれて警戒されるかもしれない。


それなら俺が単体で敵を見つけて、見つけると同時に敵に向かって発光玉を投げつけて撹乱してる隙にダメージを入れた方が良いか)


俺はそう考えて魔力が集まっている中心地点に向かった。




魔力の集まっている中心地点は俺が谷に降りた場所から、少しだけ離れた所だった。

しかし、魔力が集まっている中心地点に着くと俺は眉を顰める事になった。

その理由は魔力が地面の下に流れているからだ。


俺は魔力が集まっている中心地点に何かが居ると予測していただけに驚いてしまったのだ。

ただ、このままでは意味が無いかと考えた俺は、ひとまず魔力が集まっている中心地点にもっと近づいて見る事にした。

俺が『アスレイア』に手を置きながら魔力の中心地点にゆっくりと近づいて行った。


俺がゆっくりと近づいて行っていた時、急に声がした。


「リク!!」


俺は聞こえて来たグラニーの声で足を止めた。

俺が声が聞こえてきた方(後方)を見ると、グラニーとクリスティーナさんが走って来ていた。

俺は2人を見て「発光玉の合図は!?」という表情になったが、そんな時グラニーが叫んだ。


「リク!!横に避けて!!」


俺は叫んだグラニーの真剣な表情を見た瞬間、横に飛んだが、飛んだ瞬間に背中を何かに殴られて吹き飛ばされた。

幸い吹き飛ばされて、すぐに地面を使いブレーキをかけたので壁に激突する事はなかった。

俺は吹き飛ばさた事でグラニーの近くまで来たので、急いで振り返り俺を吹っ飛ばしてたモンスターを視界に収めつつ、少し咳き込みながらグラニーに話しかけた。


「けほ、けほ。あ〜、グラニー。あれ『キングピーキーモンキー』、だよな?正直に言えば、あんまりあれとやりたくないんだけど。

後、あの『キングピーキーモンキー』どっから出て来た?数秒前まで視界に捉えてなかったんだけど」


俺が、何故か額に黒い痣のような物があり、尚かつ薄く発光している『キングピーキーモンキー』を見ながらそう言うと、グラニーも頷きながら答えた。


「私もやりたくないけど、今回は調査依頼で尚かつ出来れば排除しないといけないんだから仕方ないでしょ?それと『キングピーキーモンキー』が出て来たのは、魔力が集まっている中心地点からよ」


俺は『アスレイア』を抜きつつ、グラニーとクリスティーナさんよりも前に出て『キングピーキーモンキー』と対峙しながら、『キングピーキーモンキー』が襲って来ないのを確認して、グラニーと会話を続けた。


「魔力の中心地点から?何、もしかして『転移』して来たとか言わないよね?」


「勿論、そんな事は言わないわよ。私が言いたいのは、魔力の中心地点に『幻影』系統の魔法が使われてるって事。後、あの『キングピーキーモンキー』は『支援魔法』がかかってるから、気をつけてね」


俺はグラニーの言葉を聞いて顔を顰めつつ答えた。


「なんとなく分かってたけど、あの薄い光は『支援魔法』か。それに『幻影』系統の魔法?あれは『水魔法』と『闇魔法』のスキルレベルが4以上づつないと使えないんじゃなかった?


というか『支援魔法』と『幻影』系統の魔法(『幻影』系統魔法の使用に魔法スキルが2種必要)を使いこなすのが一体のモンスターだとしたら、最低でもS級モンスター扱いじゃなかったけ?」


俺がそう言うと、グラニーが弓を構えたのか少し弦を引いた音がした。

そんなグラニーが少し疲れた様な声で言った。


「ええ、確か魔法を3種以上使ってくるモンスターは単体でS級ね。しかも、今回は敵が何処に居るか分かんないから、更にめnー」


グラニーが、恐らく「面倒よ」と言おうとしていたと思うが、それは『キングピーキーモンキー』の足元辺りから出て来た『リッチ』らしきモンスターによって止められた。

グラニーはそれを見て、呆れた様に笑ってから言った。


「前言撤回ね。見つけなくて良くなったけど、戦闘状況に応じて魔法を使って来るから、もっと厄介になったわ」


グラニーがそう言うと、クリスティーナさんが直剣を抜きつつ、俺の隣に並んだ。


「リク殿。後ろの『キングピーキーモンキー』は私にやらせて下さい。リク殿は『キングピーキーモンキー』の手前に居る『エルダーリッチ』をお願いします」


俺はクリスティーナさんに了承しつつ、質問した。


「『エルダーリッチ』?あれ『リッチ』じゃないの?前に見た『リッチ』と同じ形なんだけど」


俺の問にクリスティーナさんは首を横に振りながら答えた。


「私も恐らくは『リッチ』だと思いますが、『水魔法』に『闇魔法』は確定として、『支援魔法』まで使えるとなると、『エルダーリッチ』の3種以上の魔法が使える事と言う条件を満たしますから。


『リッチ』は『エルダーリッチ』になるとそれに加えて『召喚魔法』も使って来ますから気をつけて下さい。召喚対象はゴーストやスケルトン系統です」


俺は「うわ〜、なんて面倒くさそうな敵」と思いながらも言った。


「了解。じゃあグラニーは俺とクリスティーナさんの援護よろしく。後、魔力はまだ集まっているから出来るだけ速攻で倒して」


「「了解 (です)」」


俺は2人の返答を聞くと、『エルダーリッチ』(恐らく)に突っ込んだ。

どうでしたか?

次回について先に言っておきます(※ネタバレではありません)。

自分は戦闘シーンになると途端に筆の進みが遅くなりますが、頑張って書こうと思ってます。

でも次回遅れたらごめんなさい。


次の投稿は2月28日の午後9時〜11時(基本午後10時)の予定です。

今後ですが午後11時までに投稿してなければ、その日は無しでお願いします。

その後の予定は、一応後書きで書いている、その時の投稿ペースの予定です。


ご感想、誤字、ここをこうして欲しい、こういう能力や展開、サイドストーリーやキャラが欲しい等など何でも送って頂いて大丈夫です。

送って頂いた物に関しては積極的に取り入れて行きたいと思っています。

ゆっくりと進んで行きますが応援よろしくお願いします。

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