10話 複製カードとクマ
今回は主人公の異常なステータス上昇の理由と戦闘です。
お楽しみ頂けると幸いです。
翌朝
ミコトが作ってくれた、朝食を食べて隠し通路を出発する。
移動は3人ともきちんと歩く。
強調しよう、3人ともきちんと歩いている。
かなり時間があるし警戒しながらだけど俺のステータスと複製カードの事を聞いてみるか。
「なあ、レネンス。」
「ん〜?何〜?」
「俺のステータスがレベルは4つしか上がってないのに3000超えてるのはなんでだ?」
「あ〜それはね〜。僕の複製カードを持ってレベルが上がったからだよ〜。」
「「はあ〜?」」
俺と尊は揃って訳が分からないと言った顔をした。
「どう言う事なの?」
「カード使いのカードはね〜。そのカードを使ってステータスを上昇させるとね〜、本人は半分、パーティーメンバーはその半分のステータスが初期値にプラスされるんだ〜。」
「「はあ〜!?」」
初期値がプラスされるなんて聞いたことないぞ!!
それに初期値にプラスされるならどんな奴でも強くなれる!!
「じゃあ何か俺がレネンスのカードを持ってレベルを上げると元々の初期値の5に500がプラスされてステータスが上昇するのか!?」
「そうだよ〜。」
「まじか」
「カード使い強くね?なんで騎士団は知らないんだ?」
「そうよね。それだけ強い能力があるなら他の上級職と組ませてレベル上げをすれば楽なのに。」
「………さあね〜。なんでだろうね〜。あ、でも出せるカードは確か制限があったよ〜。」
条件があるのか。
相当な条件なのか?
いやどんな条件でも強いか。
まあ条件が分からないと何とも言えないか。
「その条件は?」
「分かんない〜」
「おい。そこが大事だろ。」
「仕方ないじゃん〜。その時はそんなに興味が無かったんだから〜。」
まあ、こいつ自身がカード使いな訳ではなさそうだからな仕方ないか。
それに収穫もあったしな。
「まあ、ステータスの初期値が上がると分かっただけでも収穫だな。それなら尊の複製カードも作って俺が尊の複製カード、尊はレネンスの複製カードを持ったほうが良いのか。」
「確かにその方がレベルが上がった時は良いかも知れないけど良いの?街に着いてから複製カードはやるって言ってたけど。」
「確かにそうだけどさ。この世界では命の価値が地球よりも安い。だから少しでも強くなって自分も命を守れるようになりたいんだ。それに尊とはこれからパーティーを組むんだし、尊にも強くなってほしいからさ。」
「流空、ありがとう」
「良いって良いって。そうと決まれば早速。」
複製K
「あ、そうだ〜。ここで複製カードは作んない方が良いよ〜。」
「はあ?何で?」
「複製カードは例えどんなにステータスが低くてもカード使いの魔力を全部持っていくから〜。魔力が150超えるまでなら魔力が無くなっても動けるけどそれを超えると回復するまで動けないよ〜。」
「だ・か・らそれを先に言えーーー!!」
まあ、そんなこんなで山道を2時間ほど歩いているとクマ型のモンスターを見つけた。
大きさは普通のヒグマクマの2倍はあるかな?
4メートルほど身長がある。
名前は分かんないけど強そうだな。
「こっちにはまだ気づいていない様だしやり過ごす?それとも俺はもうステータスに慣れたしアイツを倒す?」
「そうね。アイツのステータスか級が分からない以上は手を出すべきでは無いわね。」
「確かにそうだね。ならやり過ごそう。」
尊とあのクマ型のモンスターが何処かに行くまでは動かないと決めると不意にクマがこっちを見た気がした。
「なあ。何かあのクマこっち見なかったか?」
「た、確かに何だかこっちを見たような。」
俺と尊が冷や汗をかいているとレネンスがつぶやいた。
「あのクマはね〜。スキルにレベルは低いけど敵感知があるからこっちに気づいてると思うよ〜。」
「「!?それを早く言え(言ってよ)!!」」
急いでここから離れないと!
「お前ら走るぞ!あのクマを振り切る!」
「ええ。そうね」
俺と尊が走り出そうとするとレネンスがまたつぶやいた。
「あのクマはね〜。獲物を見つけると仲間に知らせる特殊な声をだすんだ〜。だからもう他にも捕捉されてると思うよ〜」
「「なっ!」」
何故そんな大事なことをこいつは言わないんだ!!
それなら奴を速攻で倒すしかない!!
「尊!!奴を速攻で倒す。奴の動きを止められるか!?」
「ええ!ほんの一瞬で良いなら行けるわ!!」
「分かった。俺と奴の距離が2メートルを切るくらいで奴の動きを止めてくれ!!」
「了解!!」
俺は昨日尊から借りた剣を持って、隠れていた草むらから飛び出して一気に距離を詰める。
始めは15メートル程あった距離は残り5メートルを切るところで予想外の事が起こった。
「流空!!横!!」
尊の声が聞こえ横を向く。
すると別のクマが手を振り上げて俺を攻撃しようとしていた。
「ッ!!」
俺は避けようと全力で前に飛んだ。
何とか避けられたが体制を崩してしまった。
それに前にいたクマが俺に手を振り上げて攻撃を仕掛けてくる。
『流空の前にいるクマ!!動くな!!』
ピタ!!
そんな音が聞こえてきそうな程、俺の前にいるクマは急に止まった。
チャンスだ!!
俺は、体制は崩れたままだが勢いはそのままにしてクマの首を刎ねるように剣を振った。
するとクマの首は簡単に落ちた。
少し呆気無かったが考えている暇はない。
俺の後ろにいたクマが近づいている。
クマはゆっくりと近づいて来ていて5メートル程あった距離が4メートルにまで近づいていた。
さっきのクマの素早さからしてそこまで早くないはず!
クマの動きを見て、カウンターを叩き込む!!
俺はクマの方に走り出す。
残り2メートルになった辺りでクマは立ちこちらに手を振り上げて来た。
俺は体制を低くしてクマの手を避けるように動く。
しかしここである事に気づく。
(こいつさっき倒したクマと同種じゃない!!しかもさっきのクマよりも全然速い!!)
マズイ!!
そう思ったときには既に遅かった。
クマの腕は既に避けられないところにあった。
腕を前にしてクロスに組む。
が、体格差があるせいか耐えきれずに吹き飛んで木にぶつかり止まった。
しかしその間に尊が近づいていたらしく、クマの首を刎ねている。
ひとまず戦闘は終了した。
がクマがまだ近くにいるはず。
すぐに移動しないと。
「ぐっ」
立つときにから全身が痛んだが問題はないレベルだ。
もう一度同じのを喰らったらキツイが喰らわなければ問題ない。
「リク〜大丈夫〜?」
「流空!大丈夫!?」
レネンスと尊が心配してか近寄って来る。
俺は2人に心配をかけないように何でもないように言う。
「ああ大丈夫だ。意外と軽い攻撃だったからな。吹っ飛びはしたが問題ない。」
「それなら良かった。」
尊は安心した顔をしていたが、レネンスはいつもの笑っているのに、今は真剣な表情でこっちを見ていた。
まさか身体が痛いのがバレたか?
いやまさかな。
「レネンス、俺をじっと見てどうしたんだ?」
「リク、嘘ついてるでしょ。」
「っ!!」
「え?そうなの?流空?」
「そ、そんなわけ無いだろ?確かに一撃は喰らったらけど軽かったから何ともないよ。」
レネンスが無言で俺に近づいて来た。
「レネンス?」
そして、無言で俺を殴った。
何時もならそんなに痛くは無いだろうが、全身が痛かった今の俺にはかなり効いた。
「いっ!!」
「流空!?」
「殆ど力を入れないで殴ったから本当なら痛くないはずだよ。それを声を上げるって事は身体が痛いって事だよね。」
「っ!!」
レネンスにはお見通しって訳か。
全く何でこんなに鋭いのか。
「そうだな。さっきの一撃は軽く無かった。だけど骨は折れてない。だから大丈夫だ。」
「リク、心配させないようにするのは良いけど痛いなら痛いって言わないと駄目だよ。」
「あ、ああ分かったよ。」
俺がそう言うとレネンスは何時もの笑った顔に戻った。
「ん〜。それならよろしい〜」
「ごめんなさい。流空、私がもっと早く気づいていれば。」
「そんな事ないよ。俺も気付かなっかたんだから。」
「でも」
「ねえねえ〜。移動しなくていいの〜?それにダンジョンのモンスターじゃないから魔石は抜かないといけないよ〜」
「「はっ!」」
やばいクマから逃げ切るために倒したのにこのままここに居たら本末転倒じゃないか。
「尊はごめんだけど向こうのクマから魔石だけを取ってきて。素材はま勿体無いけど、捨ててきていいから!」
「ええ、分かったわ。急いで回収して来る!」
俺も俺を吹っ飛ばしたクマから魔石を回収しないとな。
尊と俺は急いでクマから魔石を回収して、移動を再開する。
クマの追撃を逃れる為に移動する。
移動しながらだが尊と情報を共有する。
「そう言えば流空。2体目のクマ何か速くなかった?」
「ああ、その事か。あのクマ姿は殆ど同じなのに能力が違うんだよ。多分だけど見分け方はクマの目の色だと思う。」
「え?そうなの?」
「ああ。最初に倒したクマは目が赤くて、2体目は目が青かったんだ。」
「なるほどね。それなら一番高いステータスによって目の色が変わるとかかな?」
尊とさっきの戦闘で気づいたことを話しているとレネンスが追加情報をくれた。
「そうだよ〜。さっきクマはトップベアって言うんだよ〜。」
「「知ってたのかよ!!(知ってたの!?)どんな特性のモンスターなんだ(なの)!?」」
「えっとね〜。色までは覚えてないけどね〜。総合的なステータスは同じでE級。リクが言ったように一番高いステータスによって目の色が変わるんだ〜。」
「そうなのか万能型は居ないのか?それと級は?」
「万能型はいるにはいるけどC級だよ〜。普通のはD級だよ〜」
あれでD級?
無力のダンジョンではC級のステータスを持っていてもトップベアよりも格下に扱われていたのか。
モンスターはよく分からんな。
尊は普通のがD級の方が気になったのか、レネンスに質問している。
「どうして普通のはステータス面ではE級なのにあのモンスターはD級なの?」
「え〜。僕分かんない〜。」
何かレネンスが分かんないと言った瞬間に尊が怖い顔になった気がするんだが…………か、勘違いだよな。
「………流空の質問には答えて私の質問には答えないと」
「違う違う〜。ほんとに分かんないんだよ〜」
「はあ?あのクマにあんだけ詳しいのに知らないの?」
「だって僕はあのダンジョンの周辺のモンスターをある程度知っておけば良かったからさ〜。仕方ないじゃん〜」
レネンスがドヤ顔しながら尊を見ていた。
「このっ」
「まあまあ落ち着いて。ほら本当なら事前情報なしでここにいるはずだよ?レネンスが居るおかげで少しとは言え情報も得る事が出来たからさ。」
「むう〜。流空の言う通りだけどさ。」
「レネンスも挑発しない。」
「は〜い〜」
全く分かっているのねこいつは。
あ、そう言えば万能型のクマの目の色を聞いてないな。
「なあレネンス?」
「ん〜?何〜リク〜」
「万能型のトップベアの目の色は何だ?」
「トップベアの万能型はね〜トップベア達の王みたいなもので他のトップベアも操れるんだよ〜。しかも殆どは普通のトップベアが生まれるから〜それこそ300年に一度とかしか生まれないよ〜」
「へえ〜そうなのか。まあ念の為だ教えてくれよ。」
「流空ちょと心配性じゃない?」
む、確かにそう言われればそうかも知れない。
まあこの世界は何が起こるか分からないからな。
心配性で悪いことはないだろ。
「俺は心配性なくらいがいいんだよ。」
「そんなものかな?」
「そうそうそんなものだよ。それでどうなんだレネンス。」
「確かね〜黒だよ〜。因みに万能型は自分の縄張りの木を殴るからそれでどれ位の強さが図れるんだって〜。確かに標準的な強さは木の半ばまでだったよ〜。」
なんて便利な。
レネンスが凄く見えるぞ。
ここは褒めておこう。
「凄いぞ〜レネンス。そんな情報まで知ってるなんて、流石だな〜」
俺はレネンスの頭を撫でながら言う。
「っ!そ、そうかな〜」
「ああ勿論だ。」
「え、えへへ〜」
レネンスの顔がこれまでに無い程緩んでいる。
まあこれまでとは言っても会ってからまだ一日も経っていないがな。
すると尊が俺の服の裾を引く。
その顔は青くなっていた。
「ね、ねえ流空。あれ」
「ん?あれ?」
俺は尊が指を指している方向を見て何故尊が顔が青くなっているか分かった。
俺達の視線の先には、多数の山の木が半ば強引に折られている風景が広がっていた。
どうでしたか?
自分的にはこの話で街まで着く予定だったのですが、街に着いてからの事も考えて、移動中の戦闘を増やしました。
その為あと1話程戦闘が続きます。
ご感想、誤字、ここをこうして欲しいや登場人物の名前、こういう能力があったら良いなど、何でも送って頂いて大丈夫です。
今後も応援よろしくお願いします。




