2話
2話です。
「国王陛下!!召喚成功しました!!!」
「おぉ!まことか!」
なんだか騒がしいな…
僕は周りの騒がしさに目を覚ました。
どうやら、他の人達も起きだしたようだ。
よかった、みんなも無事なのか。
僕は隣でまだ目が覚めてない生徒に声をかけた。
「おいっ!だいじょう…ぶ……か………!?」
なんだこの声!?
僕の声が、幼い女の子の声になってる!?
それに腰まであった黒髪が、床につきそうなぐらい長くなってる。
それに……目線が……下がってる…!?
「っは!!」
僕は男としての象徴のところに前より小さくなった手を伸ばした。
………ない…。
「ふぇ…ううぅぅぅええぇぇぇぇん!!」
まだ騒いでいた周りが静かになった。
なんでか、だって?
僕が泣いちゃったからだよ!!!
体が幼女化したことによって、心も幼児によってしまったようだ。
周りの生徒と、この世界の人たちが喋るのをやめて僕の方に一斉に振り向いた。
それにびっくりした僕は、よりいっそう泣いた。
「ふえぇぇぇぇぇん!!!!」
両手を目に当てて泣きじゃくってる僕に、一人の女性が走ってきて抱きしめた。
「大丈夫よ。泣かないで。」
「ううぅぅ…ヒック…ヒック…」
「よしよし」
僕を抱きしめた女性は、慈愛に満ちた笑顔をしていた。
泣きつかれた僕は、女性の腕の中で眠りに落ちた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
目が覚めたら知らないベットで寝ていた。
「あら?目が覚めた?」
「…うん」
ベットの横で椅子に座り本を読んでいる女性が僕に微笑んだ。
泣いた僕をあやしてくれた女性だった。
「おいで、勇者様達がいる部屋に行きましょう。」
「うん!」
完璧にドレスを着こんだ女性は、僕の手を取って歩き出した。
小さくなった僕に歩幅を合わせて歩いてくれた。
すぐに大きな扉の前で足が止まる。
どうやらここにクラスの皆がいるようだ。
ガチャ
扉が開くと、たくさんの椅子に生徒たちが談話しながら座っていた。
どうやら、もう落ち着いているようだ。
「お待たせしました。」
「あっ!姫様!」
委員長が女性に声をかけた。
この女性は姫様だったようだ。
「えっと…それでその子は大丈夫でしたか?」
僕のことをちらっと見た委員長は姫様に聞いた。
「そのこじゃないの!ぼく 〝ゆき”だよぉ!」
「「「…ええええええええ!!!!」」」
クラスのみんなが叫んだ。
急に叫ぶから、びっくりして姫様の後ろに隠れちゃた。
「あっ!すまない。まさか雪がついに幼女化していたからつい…な。」
「むぅ!ついにってなにぃ?」
叫んだあとの生徒たちは
「まぁ雪だしな。」
「そうだな。雪ならあり得る話だ。」
「ついに!『合法幼女の女神』が『幼女の女神』になったか!」
「やだぁ!転移する前に雪ちゃんに作った服持ってくるんだったわ!」
「かわいい!かわいい~!!」
あれ?反応おかしくない?
ありがとうございました。