矛盾と聖女
牢獄に入れられて4年がたった。
アルベルトは八歳になった。あの女……母は王妃殺人未遂の罪でギロチン送りになったらしい。それが、メイドアリスの王宮恋物語……もうめんどいし、メイドアリスと言おう。メイドアリスから5年後の話らしい……。つまり、3年前……。
この4年僕は、ある矛盾に気づく。ゲームであの女は王妃だった…しかしここでは愛妾だ。それに、あの女は悪役令嬢ソフィアを陥れたから処刑されたはずなのに、ソフィア…王妃を殺そうとして処刑されている。しかも、ソフィアは死んだはずなのに王妃になっている。
何より今僕がおかれている状況もお姉ちゃんから聞いたのと違っている。
ゲームでは、アリスの息子だと陰口を言われ続けて歪んだ性格になった。そして、令嬢アリスでのヒロインアデライードに思いを寄せるキャラだと聞いたが、いまの僕は、王子位を剥奪、四年前名乗っていた王族の姓を名乗るのもだめ、位を剥奪されたから当然だが。そして、今では外に出てアデライードに思いを寄せることも出来ない。
今、国では異世界からの聖女召喚でわいている。まぁ、僕には、関係ないけれど。
「牢獄王子、食事の時間です。」
牢獄王子とは僕のこと。まぁその通りのあだ名だと思う。
「門番さん。聖女召喚はされたのですか?」
門番さんの名前はメルトルさん。
「あぁ、なんでも遠い日本というところからきた女子高生という身分の方だそうです。」
日本……懐かしい僕の元故郷だ。
「名前は?」名前なんて聞いても無駄だとわかっていたのに聞いてしまった。
「山田景子様という女性です」
同じ名前の別人かもしれない。だけど、お姉ちゃんのような気がした。




