プロローグ
最初はダイジェストぽい感じですがご容赦下さい。
ヴァーチャルゲームが進化し、等々仮想現実とまで言える映像の世界まで進んだ技術。
その技術により作られたゲームの一つにEvolution Kingdomがあった。
このゲームは未来の宇宙間戦争を描いたゲームでいわゆるロボットゲームものであった。
そしてこのゲームの最大の特徴はロボットがパイロットによってその姿を進化させるという千差万別のロボットの数だろう。
そしてこのゲーム、謎があるのだがパイロットの適性検査を行っていないのにパイロットの適性にあった機体が自動的に選ばれる。
唯一選べる自由は所属だろう。
所属は全部で7つ。
宇宙銀河同盟サザナール:最も大きな所属だが同盟という事で幾つもの星の集合体の為、決断力が低い所属と言える。
機種が豊富だが量産型が多い。
宇宙銀河帝国ゴラム:単一国家では最も大きな所属で戦争により幾つもの星を支配下に置く。
巨大な特別機種が存在するが特化型の量産型が大多数を占める。
宇宙銀河商業組合レグナム:商人が組織する護衛集団でサザナールとゴラムをも股にかける。
機動性を重視した機体が多い。戦艦は守備に特化している。開発機が偶に存在する。
ミアルシア皇国:帝国程ではないが幾つものの星を従えた国。
正々堂々とした戦いを好む為、近接と防御を重視し、逆に回避や砲撃が性能が低い。
近衛隊に凄まじい性能の機体が存在するらしい。
宇宙海賊ゾル:宇宙を股にかける海賊。
一撃離脱を得意としている。守備に難点。
ディヴァスティ:謎の集団、違う宇宙から来たと言われている。数は少ないが機体性能は高い。しかし、全ての所属と敵対している。
日本解放戦線:その昔日本が手に入れた星をゴラムから解放しようとする独立武装集団。
1番弱小。戦力は最小な上ピーキーな機体しかなく使いこなせなければ生き残れない。
この所属は余程のマゾでなければ選ばないだろう。
プレーヤースキルで覆すレベルではない。
上から順に戦力が多く、下から順に特別機体が多い。
俺が選んだのは日本解放戦線。
ここは1番弱小だが機体がピーキーな機体しかないので量産型は一つもない。
どんなに頑張っても勝てないというのはきついが、逆にやり甲斐があると言える。
因みにディヴァスティでも良かったのだが機体性能は高いとはいえデザインがどう見ても醜悪なのだ。例え強くても見た目が醜悪ならまだピーキーな機体の方がマシだ。
それに日本解放戦線の機体はデザインが日本風な部分が必ず入っているのだ。
そしてこれが俺のこのゲームでのキャラだ。
リュウ レンジョー
日本解放戦線:第13独立愚連隊第四突撃小隊第四班
階級:曹長
ポジション:突撃兵
日本解放戦線は幾つかの愚連隊の集まりで正式な軍隊ではない。
つまり小さい集団でちまちまと敵対しているだけでゴラムからはテロ制圧しているだけだろう。
第13独立愚連隊の戦場は九州南部である。
因みに第1小隊が熊本南部、第2小隊が鹿児島、第3小隊が宮崎で第4小隊は遊撃扱いだ。
その中で第4班は出来たてホヤホヤのひよっこ部隊だ。
と言うかリーダーと俺の二人だ。
本来は四人編成なんだが…
1小隊の編成は小隊長に通信兵、そこに四人編成の4斑で計18人が一応13の決めている編成だ。
突撃小隊の仕事は敵陣に突っ込む、つまり攻撃あるのみだ。
因みに偵察や狙撃、強襲部隊等々、部隊は沢山あるらしいが大抵突っ込んで玉砕の第4突撃小隊の面子は合同作戦時以外に出逢う事がないので(根無し草の第4突撃小隊は決まった基地や戦艦を持たない為と言うのもあるが)第4突撃小隊以外にどんな小隊があるか知らなかったりする。
主な仕事は援軍として現れる事で、つまりメインは他がやる訳で今日も今日とておまけとして働く日々である。
先程名前が上がったリーダーだが、日本解放戦線では古株だったりする。
戦場のトリックスターと敵味方供に恐れられた存在だったらしいけどこんな僻地で自分と二人とは、左遷?
忘れていた俺の名は連城琉、そして俺の愛機は汎用人神試作型零式だ。
性能は普通でピーキーぽくない。姿形も日本風どころか装備無しの素体ぽい。
零式は標準的な能力だが装備がヘッドバルカンしかない。
つまりこのままでは超接近戦のキックとパンチ後はバァールカンッ!!と言いつつ攻撃力最弱のバルカンで牽制しかない。某機体のように光る拳などなく只武器がないから殴るだけ。
ハッキリいよう、雑魚だと…
因みにリーダーの機体はさすがトリックスターと言われている所以か独特の頭はジャマーで敵のレーダーを錯乱させる凄い性能で索敵性能Sクラス位無いとレーダーが使い物にならなくなるらしい。そして武器はブーメランサイズと言うユニーク武器で簡単にいえばブーメランに電磁で棒が合体した武器だ。
そのままだと大きな刈鎌だが電磁合体をスイングのタイミングで解除すればブーメランに早変わり。
勿論ブーメランだから帰ってくる。
後は胸に何か内蔵武器があるらしいが秘密らしい。
恐らくは彼がトリックスターと恐れられた由縁になる武器だろうが。
つまり我々4斑は超近接攻撃を主体とした特攻チームである。
又の名を囮班、泣きたくなる渾名だぜ。
何故まだ続けているのか、それには訳がある。
このゲームの醍醐味は機体が本人に合わせて進化する所だ。
それは幾つか進化方法がある。
大きく分けて強制進化と任意進化がある。
強制進化は何らかの条件を見たしたら勝手に進化する代物で自分の意思が反映されないがそのかわり大抵が任意進化より最低でも2、3回進化した先の変化をもたらすらしい。
後は進化にも機体全体が変わるクラス進化と装備だけが進化する部分進化があり部分進化だとその部分だけなので装備変えただけみたいな感じであろうが全体進化は最早機体乗換の別物であろう。
次に任意進化であるがこれは機体に溜まる経験値で進化させるのだ。
内容は機体性能を上げる所謂チューンアップてやつだ。
まあ大幅に上げると見た目も変わってくるが進化というか改造ぽい。
後装備にも熟練度があり、その熟練度に応じた進化が可能だ。
装備がバルカンだけなのでバルカンしか改造出来ないけどね。
俺が続けているのは経験値で機体性能をガンガン上げて見た目雑魚で実はてやつを作る為だ。
このゲームはやられても経験値は減らない、寧ろ負けた事も経験とばかりにやられた事に応じた経験値も入る。無論只何もしなくやられるのは経験にはならないのでその場合は経験値も低い。
やられたペナルティは再出撃が機体性能に応じた時間がかかる事だ。
俺の愛機は雑魚なのでそんなにかからないから一日に数回出れるけどね。
さて頑張ってチューンアップを繰り返して機体性能を上げていたのだが未だに強いとは言えない。
武器がバルカンだけなので超接近戦しか出来ないので機体の装甲を上げて防御を中心に上げている。
無論それに伴い重くなった機体は動きが鈍くなるのでスラスター系統やエンジン系統も強化している。
実は雑魚ぽいが堅いそして速い為、某ゲームよりメタ○ラと言う渾名がついている。
俺の攻略は如何に近づけさせないからしいがまあそんなのは簡単だ。
数で叩けばいいのだから。
その間にリーダーが敵をこっそり狩る事でメタ○ラはゴーストと供にやってくると言う常識が出来ているらしい。
そう言えば光学迷彩マント手に入れたってリーダー言ってたな。
現実逃避はここまでだ。
実は今回は宮崎の敵基地の一つに突っ込んだ馬鹿を救いに逝く最低最悪のミッション、その名も『九州方面隊司令救出戦』。
ミッションクリアはヤツを救うまで。
つまりエンドレスミッションに近い。
参加は実は第13全体だ。
ていうことで今俺は大規模ミッションに参加中のいつ終わるか分からない戦いを始めて3日目て所だ。
因みに第13の基地は霧島連山の中に隠されている。
敵基地は宮崎の海沿いで陸海空軍全部ある何処からでもかかって来いやなヤバい基地。
九州方面隊司令の飛んだキチガイで始まったこの作戦、正直終わる気がしない。
因みにこのゲーム、プレイヤーは数少なくほとんどがノンプレイヤーだ。リーダーはプレイヤーだけどね。
第13の中でプレイヤーはたったの7人。弱小だとこんなものだ。
それでもこのゲームAIが凄いのか違和感ないらしい、基本リーダーとしか話してないけど。
一緒に始めた友達はサザナールかレグナムなので日本だと会いに行く事が出来ない為同じゲームなのに別ゲームやっているみたいだと言われて愚痴を言われたっけか。
いかんいかん、また意識が飛んでた。
いい加減突っ込みたいな基地に。
今俺達は基地の前で大抵撃墜されるという悲しい現状である。
「で、いつまで日本解放戦線にいるんだ琉?」
そう聞いてきたのはEKを一緒にやろうと言ってきた圭一だった。
「いつまでっていつまでもだけど?」
「それじゃあ一緒に戦えないじゃないか!」
と激昂する圭一。
「まあまあ、落ち着いて圭一。」
そう言ってなだめたのはもう1人の友人、亮平だった。
「今日本解放戦線てどうなの、戦力的に状況は変わらないと思うけど。」
「御察しの通り全然、司令のおかげでいつまでも同じミッションだよ。」
「ああ、何か日戦版の方に『大型ミッションに入ったけど終わる気がしないw』て琉の部隊の所だったんだ…御愁傷様。」
そう大型ミッションは普通は喜ばれるものだが日本解放戦線だと戦力差でいつまでも勝てないと言う最悪のミッションに変わるのだ。
「ヤバいんならやっぱりウチに来いよ、3ヶ月がパーになるけどその分取り返せる程楽しいぜウチは。」
圭一はいい奴だ、俺が負け当たり前の所で雑魚機体で苦労しているのを聞いていつもレグナムに入り直せと説得してくる。そして圭一達のいるレグナムも適度に強く機動系が多いが商業組合なので最新型に乗れる可能性があるのだが…
「悪いな、リーダーと約束したんだ、今の機体をいつか雑魚とは呼べない程強くするって。」
そういうと圭一は溜息をついた。
「頑固な奴だな、琉は。だが約束なら仕方ない、…亮平、例の話どうなっている?」
そう言うと亮平は眼鏡を直しつつしゃべり始めた。この癖が出ると説明キャラになるんだよな。
「例の話は今8割方進んでいるよ。内のボスがお祭り好きで良かったね、後はうるさいシーリブ商会を黙らせるだけだけど…ボスが乗り気だから承認はもうすぐだよ。」
「そうか…なら後は強くなるだけだな、ボスに置いて行かれないようにする為に。」
「そうだね、新参者の僕等の意見が通るとは思っていなかったけど停滞が嫌いなボスが反応してくれて良かったよ。」
2人は俺に分からない話をしているが仕方ない、俺は別勢力だから。
それからはたわいのない話に戻った。
だがこの話が自分の勢力に関係してくる話になるとは思っていなかった、そうわかるのはもう少し先の話。
駄文ですがお読み頂きありがとうございました。