遠まわしに・・・
今回はとっても短いです。
たぶん、知らないはず。
ちょっとどきどきしながら、じーっと豹牙(jb2823)を見つめて、
タイミングを計る。
「……頭撫でたいの?」
「ふぇっ?! あ、ち、違う!」
「そう?」
「う、うん」
じーっと見つめていたのがいけなかった。
豹牙に頭を撫でたいのかと勘違いをされてしまった。
……いや、まぁ撫でたいけどね?常に。
ちらっと窓から空を見る。
真っ暗な夜空に輝く月が半分見える。
「……ね、ねぇ。豹牙。見てみて!」
「ん? なぁに?」
手招きするとゆっくりとこちらに寄ってくる。
隣まで来たのを確認して、窓を指差す。
「お月様!!」
「ああ。本当だ。今日は半分だね」
豹牙が窓の外の月を見た。
「春都(jb2291)って月が好きなの?」
この質問に、私はふふっを微笑んだ。
「大好きだよ。特に満月が」
「満月? なんで?」
「だって、“満ちてる” から」
「ふぅん?」
言葉の意味が分らなくて豹牙は首を傾げる。
きっと、誰も意味がよく分らないだろう。
でも、それでいいのだ。私だけが分っていればいい。
さぁ、言うぞ。
「豹牙」
「うん?」
「とっても月が綺麗ですね」
穏やかに微笑んで、豹牙を見つめる。
「うん? そうだね。」
何も疑わず、肯定する豹牙。
ほら、やっぱり知らなかった。
(遠まわしに君に伝えるこの想い)
(だから“満ちてる”方がいいんだよね~)
(なんのこと?)
(ふふっ、秘密、ひみつ♪)
さて、「月が綺麗ですね」割と有名だと思うので意味は・・・わかりますよね?