終末のあしおと(2)
「到着まで三分! 各自装備を確認しとけ!!」
眼光鋭い小隊長が隊員達に指示を出すと、小隊は一斉に各自の装備の点検を始めた。
それを見た『彼』も急いで装備を確認する。
――強化プラスチック製の防弾盾、バイザー付きヘルメット、マフラー、
紺色の出動服と各種プロテクターの類。
腰には唯一の武器である警棒が挿してある。
武装立てこもりといった凶悪事件でなく、なおかつテロという訳でもないので拳銃の所持は小隊長レベルのみとなっている。いざという時に心許ないが。
最後に編み上げブーツの紐を結びなおすと『彼』は出動服の胸ポケットからお守りを取り出し、手に取った。
故郷の妹、優が作ってくれたお守りは今、『彼』の手にしっくりと収まっている。
『幸司兄へ』
そう書かれた手作りのお守りは『彼』が警察学校の入学試験に臨む都に貰ったものだ。
これがあったからこそ、どんなにつらい壁にもめげずに乗り越えられた。
この物語の主人公、水瀬 幸司の宝物である。
幸司は愛おしげにそれを眺め、また元の胸ポケットに戻す。
目的地まではあとほんの少しだった。
いよいよという時になって、急速な喉の渇きと心の緊張を実感する。
バスは唐突に停止した。金切り声のようなブレーキ音と同時に慣性の法則で身体が前につんのめる。
「降車しろ、急げ!」
小隊長の号令でバスに乗った隊員達が一斉に車外へ降りていく。
やっぱり操作ムズイデス。。。
一ページの文章量はどれくらいが良いんですかね?