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「お前を愛するつもりはない」そう言った呪われた英雄辺境伯に、売られた令嬢は咄嗟に蝉ドンしてみた~魔王殺しの英雄と魔王令嬢の物語~  作者: 桃緑茶


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9.不器用な辺境伯は混乱中

メイド長の圧に負けて正座するオルトス。笑いを堪えるミュゲ。


「本っ当に……‼領主様は言い方というものが雑すぎます‼今まで保護した令嬢方に対しても不器用で不愛想でしたけど‼

一人で嫁いだ令嬢の‼初夜に‼突き放す言動は‼如何なものかと‼」


取り敢えず、あの初夜の日にアヌシュカの純潔を奪った事実は無いことは証明された。

幼な妻を手籠めにした冤罪は晴れたが、その前後の醜態は取り付く島もない。


「挙句に少年だと誤解して確認を求めるなんて‼純潔守れば他はおざなりで良いとでも!?」

アヌシュカの言動は蝉ドンの衝撃に驚いて聞き耳を立てた使用人に聞かれていた。

使用人の辺境伯への印象は、『幼な妻に奉仕させた外道領主』である。


ちなみに、夫婦の部屋の壁に開いた4つの穴――蝉ドンの痕跡は『???』と疑問を浮かべた使用人たちが修復した。

まさか、領主より遥かに華奢な奥様が開けたとは想像もできない。


人形のように沈黙していた令嬢の第一声が『僕』。驚いて失礼な言動をしたもの事実。

(だが、何故俺の身体中に彼女の嚙み傷や接吻痕が…?記憶を失った空白の時間に魔王の呪いが人格を変えたのか…!?)


「その…失言については詫びよう……。彼女は…」

「メイド長‼奥様が……‼」


食事中に体調不良を起こしたそうだ。しかし。

「…酩酊状態?」

「朝食にお酒は出していない筈ですが…」

だが、ベッドに眠るアヌシュカの様子はおかしい。

「奥様、お加減は如何ですか?」


「たりぁ~だいじょぶれす~」

ダリアが声を掛けると確かに頬は紅潮し、ろれつが回っていない。

「何か食べられないものがあるのかもしれません。確認しておくべきでした…」

取り敢えず休ませ、料理長に確認しておくことにした。


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