アイデンティティ
とあるコンビニにて。
「そういえば今日バイトの面接来るんだったな。最近のバイトは続かねーから、長く続く子だといいなぁ」
すると元気な声が響き渡る。
「おはようございますゼイ☆」
「いや、うるせーな!何か変な奴きたぞ?!」
「今日からお世話になりますゼイ☆」
「あ、君が面接の子か?まだお世話するとは言ってねーけど」
「よろしくお願いしますゼイ☆」
「いや、うるせーな!じゃ面接するから、座って」
「ゼイ☆」
「えーと、名前は…」
「権太坂直輝ですゼイ☆」
「権太坂?すげー苗字だな」
「気軽にミミたんって呼んでくださいゼイ☆」
「どっからミミたんきてんだよ!権太坂超えてくんなよ!」
「コンビニのバイトはしたことあるの?」
「ゼイ☆」
「それじゃあ一通りの業務はわかるのかな?」
「ゼイ☆」
「ウチのレジも大丈夫かな?」
「ゼイ☆」
「さっきからゼイって何だよ!?ゼイやめろ!全然お前の情報入ってこねーわ!!」
「いや、これは僕のアイデンティティでして、これによって僕の自信と尊厳が保たれてコミュニケーションや仕事に120%の力を発揮することが出来て…ペラペラペラペラ…」
「めちゃめちゃ普通に喋ってるじゃねーか!饒舌すぎて作者も書くの諦めてるわ!!」
「ゼイ☆」
「まあいいわ、即戦力のようだからとりあえず採用ね。いつから入れるの?」
「この後すぐ入れますゼイ☆」
「あ、マジで?今日ちょうど欠員出たから助かるわ!」
「任せてくださいゼイ☆」
「じゃ制服はそこのロッカーにあるやつ使っていいから!あと何かわからないこととかあるかな?」
「……何故人々は血を流し、争うのでしょうか?」
「それは世界に発信しろよ!お前のアイデンティティはどこいった!?」
「ゼイ☆」
「やかましいわ!」
権太坂は早速着替え、店頭に立つ。
「一応心配だからちょっと様子を見ておくか…」
1人の客が来店する。
「いらっしゃいまゼイ☆」
「んー…まあギリ甘噛みに聞こえるからいっか」
「……」
「ただ今アイス全品キンキンに冷えておりますゼイ☆いかがでしょうゼイ☆」
「いつも冷えてるわ!それホットスナック出来たての時にやるやつな?!あとゼイやめろ!!」
「いや、これは僕のアイデンティティでして、これによって僕の自信と尊厳が保たれてコミュニケーションや仕事に120%の力を発揮することが出来て…ペラペラペラペラ…」
「さっき聞いたわ!何ならそのアイデンティティすっ飛ばしてただろ!!」
「エマニエルさん、お客様がレジに来られたので対応してきますゼイ☆」
「…俺、鈴木な?」
『ピッ、ピッ…』
「レジは普通にできんだな…」
「お客様、お弁当お弁当温めますゼイ☆」
「え?あ、はい…」
「いや、そこは聞けよ!」
「お客様、お弁当と一緒にグミいかがでしょうゼイ☆」
「んなもん弁当と勧めるな!」
「お客様、レジ袋5枚付けますゼイ☆」
「土産屋か!そんなにいらんわ!」
客は困惑している。
「…19円のお返しですゼイ☆ありがとうございましゼイ☆」
「お客様、お騒がせして誠に申し訳ありませんでした」
「…」
「いや、なんでお前そんな何事もなかったみたくいれんの?!」
「…」
「こいつホントに大丈夫なんかな…」
「!?」
権太坂は突如レジを飛び出し店の外へ。
「な、なんだ?」
追いかけると店の外で権太坂は1人の男を押さえつけていた。
「エマニエルさん、万引きですゼイ☆通報お願いしますゼイ☆」
「君は救世主だぁぁ!!!」
【~完~】




