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第三話 異文化

「つぅか、どうすんだ。これ。」


竜骨の言葉に、へ?と顔を上げれば、竜骨は紫煙混じりのため息をついた。


「私が社長から依頼されたのは、幽霊がいるかいないかの鑑別だろ。」


すぃっと指差す。


「あれはあそこにいるけど、いるだけだ。部屋に入ったりとかはできねえ代物。ってことで、社長の依頼は達成してるけど。」


「…。」


確かに、社長が竜骨に依頼したのは事故物件に霊がいるかいないかその鑑別だ。

幽霊がいない不具合ならこちらで設備を見直さねばならないが、逆に住人の妄想や幻覚、あるいは偶然の産物でなく、幽霊が実在してるなら、それで良いと社長は言ったのだ。

しかし…


「…姪っ子さんはもうすぐ来てくれるはずです。中を見て、実際に家の中に霊がいない事を確認しましょう。」


「はぁ?信用してねえのかよ?」


「いえ、竜骨さんを疑う訳でなく確認の行程の話です。物件の確認に来て、物件を見なかったとあっては社長はともかく家主の方は納得しないでしょう。」


ふかぁ、と紫煙がくゆる。


「そー言うもんかよ。」


竜骨は興味なさげに言うと、地面に吸い殻を落として靴の裏で揉み消した。

あまつさえ、靴先で吸い殻を蹴ってる。


「ちょっと!吸い殻を駐車場にそのままにしないで下さいよ!」


「うっぜ。」


ツンとそっぽを向く竜骨にも~っ、と言いながら武は携帯灰皿に吸い殻を拾い入れる。


「すみませーん。不動産の人ですか?」


そこへ、黒髪で色黒の女性が声を掛けてきた。



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