エロ図書館で司書やってます〜あなたの思い出のエロ本見つけます〜
時は20◯◯年。
私はエロ大好きな司書の春江。
ハルちゃんって読んでね。
この都立図書館には新聞のエロ記事から江戸時代の春画まで何でもあるのよ。
「少し良いですかのぅ?」
「はい?」
普段は子どもたちが群がるエロ漫画コーナーで何かを探していたおじいさんが声をかけてきた。
「あのぅ。わしは78 でなぁ。ワシが9歳の時に初めてコンビニで立ち読みして勃起したエロ漫画を探してるんじゃが……」
「まぁ!」
9歳でエロ漫画だなんておませさん。
69年前のエロ漫画かぁ。
有名どころは取り揃えてるけど……マイナー雑誌かな?
「女子高生の妹が突然一人暮らしの兄のところにやってきて……」
「はいはい」
よくある導入ね。あり過ぎて特定は難しそう……。
「1話ではアソコの形が他の子と違うと悩んでいる妹のアソコをお風呂で兄が見て終わります」
「えっ!?」
本番も射精も無し?これはアダルトコミックじゃなくてヤング◯◯系かしら?
「妹は処女のまま最終回でした」
「処女のまま!?」
いちご1◯◯%みたいな微エロ少年漫画をエロ漫画だと勘違いしてるのかしら?
「ペニスに修正は?」
「白塗りでした」
うーん。ペニスが出てるならヤング系の可能性大かな?
「いや。黒塗り?」
黒!?黒だと生々しさが際立つわね。
やはりアダルトコミック?でもバレーボーイ◯はペニスの形もくっきりの黒塗りだったし例外もあるわ。
「……見つかりませんよねぇ」
悲しそうなおじいさん。
ここはエロ図書館。来る人を笑顔にするのが司書の務め!
絶対にみつけてやるんだから!
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「おお。……これじゃあ」
1週間かかったけど喜んでくれてよかった。国立図書館の地下保管庫まで行ったかいがあったわ。
「貴重な文献ですので貸し出しは出来ないのですが……」
「構いませんよ。……ゆっくり。子供の頃を思い出しながら読ませていただきます」
おじいさんの笑顔。よかった。この瞬間のために私はこの仕事をやっているのよ。
おじいさんは閉館時間まで背中を震わせながらエロ漫画を読んでいた。
「……ふふ」
おじいさんから返してもらったエロ漫画を開くといくつかのページに指で抑えた跡があった。
そうそう。左手の親指と小指で本を抑えてお気に入りのページを残り3本の指で抑える。そして右手で擦る。
何でもネットの時代では見れない光景が目に浮かぶ。
見開きで妹の先輩が絶頂を迎えるページに白いボンドの様な液体がベットリ付いていた。
おじいさん。このページでフィニッシュしたのね。
「普通に弁償」